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<思春期の下着>子どもの下着選び。出前教室やオンラインで伝えるワコールの思いとは 第4回

ママスタセレクト_猫田カヨ

子どもの下着は成長にあわせた選び方をする必要がありますが、知識がないと何をどうやって選べばいいのか、迷ってしまうかもしれません。下着の製造販売をしている株式会社ワコールさんでは、出前教室や自社のサイトで下着の役割や大切さ、選び方なども伝えています。なぜそのような情報発信をしているのか、マーケティング本部 コミュニケーションデザイン部 メディアプランニング課の詫間しおりさんにうかがいます。

なぜ下着をつけるのか。その意味を知ることはとても大切

――ワコールさんには「ガールズばでなび」というサイトがありますよね。このサイトでは子どもの下着や選び方など悩みに答えているようですが、ワコールさんとしてはどのような想いがありますか?

詫間しおりさん(以下、詫間さん):ワコールでは2001年から「ツボミスクール」という下着の選び方やからだの成長などについて学校でお話をする出前教室を行っていました。コロナ禍をきっかけに多くの親御さんやお子さんにからだや下着のことを知っていただきたいと思い、オンラインでも学べる講座を始めました。また、「ガールズばでなび」は、ジュニアのからだに関する情報を気軽に得ることができるサイトです。下着をつける必要性をしっかりと伝えると共に、正しい下着選びをすることで快適に過ごせるようになり、自分のからだを守ることにもつながることを理解していただきたいと思っています。

――自分のからだを守るというのはどういった意味合いがあるのでしょうか?

詫間さん:自分のからだに合った下着をつけることで、成長を妨げないようにします。また自分のからだを犯罪などから守るという意味もあります。
(第3回参照)

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下着選び、実は性別も年齢も関係ない!?

――出前授業の対象は、女の子だけになるのでしょうか?

詫間さん:女の子限定のコースもありますし、小学4年生では男女一緒に下着のことやからだの成長を学ぶコースもあります。

――下着選びとなると男の子はあまり関係ないのかなと思ってしまうのですが、実はそうではないのですね。

詫間さん:下着に関しては性別や年齢はあまり関係ありませんね。例えば、肌着には皮脂や汗を吸い取って肌を清潔に保つ役割があり、体感温度の調整もしてくれます。夏は肌着を着ない方が涼しいと思われがちですが、肌着を着た方が外に出たときと室内に戻ったときの肌表面(皮膚表面)の温度や湿度の差が少なくなるのです。つまり肌の温度を一定に保ちやすくなるのですね。また肌着をつけずに服を着ると、皮脂などの汚れが服について服が傷みやすくなってしまいます。こういった肌着を着ることの意味や肌着の役割は、性別や年齢を問わず共通しています。

――出前教室の子どもたちの反応はいかがですか?

詫間さん:学校や学年によっても異なりますが、小学4年生くらいでは「からだの成長」と言ってもあまり実感していないのか、無邪気な部分もありますね。出前教室ではブラジャーやパンツを実際に触ることもありますが、それにも抵抗はあまりないようです。でも5年生や6年生になるとからだの成長を実感している子も増えてくるので、恥ずかしい気持ちが先行するのかもしれません。友達のなかにはすでにブラジャーをつけている子もいるでしょうから、下着がリアルな話になってきてより恥ずかしさが増すのだと思います。でもリアルに感じるのは、自分の成長もしっかりと認識しているからこそ。その成長をポジティブに考える子もいて、「このブラかわいい!」など言ってもらえることも多いですよ。

――思春期を迎える子は、成長に戸惑いを感じることもあると思います。それに対しては何か言葉掛けをしているのでしょうか?

詫間さん:確かに胸がふくらんでくると、戸惑いや恥ずかしいという気持ちもあると思います。でも女の子であれば誰でも経験することですし、大人になるために必要なことなので、実際には決して恥ずかしいことではありません。からだの変化はとても素敵なことなのだと前向きに捉えて、成長をしていくこの時期を楽しく過ごしてほしいということが、私たちが伝えたい思いです。

それに成長するには理由がありますよね。例えば下半身に脂肪がついてくるのは、太ったのではなく、子宮を冷やさないように守るためでもあります。胸のふくらみも同じ理由ですね。「成長によって変わるから仕方ない」というのは簡単ですが、それだけでは不安は解消されません。からだの変化には必ず理由があること、それはみんな同じと知ってもらうことで、安心してほしいと思っています。

編集後記
ワコールさんではからだの成長や下着の役割などの出前授業をしたり、オンラインサイトでより詳しく説明したりしています。胸がふくらむなどのからだの変化は子どもにとっては戸惑うことかもしれませんが、誰でも起こること。ポジティブに考えて、下着選びなどを楽しむのもよさそうですね。

※取材は2025年5月に行いました。記事の内容は取材時時点のものです。

文・川崎さちえ 編集・ここのえ

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