<ケチ?>子どもの部活用品、学校注文よりネット購入が安いけど…値段だけで決めるのは危険?
児童・生徒たちの学用品などを、学校で一斉に購入するシステム。便利ですよね。鍵盤ハーモニカや書道セットなどが、その代表格といえそうです。希望する商品を記入した用紙を、代金と共に提出すれば注文完了。あとは商品が学校に届くのを待つだけです。
安さのために学用品をネット購入するのは、ケチなの?
『学校用品の注文書が来た。品番が書いてあったのでネット検索したら、ネットのほうが安かった。まったく同じ物だからネットで買いたいけど、ケチだと思う?』
ママスタコミュニティで見つけた投稿です。学校で注文すれば不要だった探す手間をかけたところ、ネットで見つかったまったく同じの安い物。わざわざ手間をかけた甲斐がありましたね。
『ご自由に』
ケチだと思うかという質問に対し、圧倒的多数だったのが「ケチだとは思わない」という回答。むしろ「賢い買い方だと思う」という声もあります。
『うちの学校は「ネットのほうが安いので、ネット購入のほうがいいかも」と言ってくれる』
学校側が「安いですよ」と、逆にネット購入をすすめている実例もいくつか寄せられました。自分で探して買う手間はかかりますが、「差額が数百円なら学校で頼むけど、1,000円以上安ければネットで買う」というママも。数百円でも安い物がいいと考える家庭もあるでしょう。
なかには「私は学校注文のほうが面倒。ネットなら現金もいらないし」と考える方もいました。たしかに学校が集金する際は、「お釣りが出ないように」とぴったりの金額を求められることがあります。現金をぴったりの金額に揃えて、集金袋に入れてわが子に持たせる。こちらのほうが面倒だという気持ちは、わからなくもありません。
「みんなと一緒」がうれしい子もいる
今回投稿者さんが購入しようとしているのは、お子さんの部活動用品。点数が多いこともあり、ネットで買うとトータルで1万円ほど安くなるのだそう。安さでいえば断然ネット購入に軍配が上がりそうですが、ママたちからはさまざまな見解が寄せられました。
『学校で一斉に配られるのだとしたら、みんなが受け取っているなかで自分だけ違う状況になるよね』
『部活で一斉に配られてワイワイする輪に入れないのも、辛いよね。それが平気な子ならいいけど、平気かどうかは親が決めることではない』
ほかのみんなと一緒に受け取れないことで、疎外感を味わう子もいるというわけです。「みんなと一緒に『何にする?』と悩んで、みんなと一緒に受け取るからいいんだよ」「わが家は”みんなと一緒に受け取ったほうがうれしいだろうな”という物は、学校注文にしている」といったコメントもありました。
『私も母親によくこういうことをやられて、すごく嫌だった。ケチうんぬんより、お子さんの気持ちを確かめたほうがいい』
経験者からの声もありました。この方の場合は、転校したことでそもそも周囲とは違う学用品が多かったのだそう。ただでさえセンシティブになっているところに、”みんなと違うこと”がさらなる追い打ちをかけたのでしょう。
「きょうだいのお下がりもけっこうあるし、こういうのって昔ほど一律じゃないよね」という声もありましたが、重視すべきはやはり当人の気持ちかもしれません。
学校注文だからこそのメリットも
『まったく同じ商品だったとしても、学校注文品ならではの特典があることも。カバーとか、予備のパーツとか』
「部活の購入品だと、名入れのサービスがあったりもする」「わが子の部活は指定店で買うと、そこ所属のセミプロが何度かコーチしてくれるサービスがつく」といったコメントも。ネットの安さに対抗するため、あの手この手のサービスをつけてくれる場合もあるようです。
『学校販売は中間マージンで高くなる。毎年一定数の注文が入るから、メーカーにも問屋にとっても貴重な収入源なんですよ』
参考までにということで、学校注文品がなぜ高額になりがちなのかを教えてくれた方もいました。かつて某スポーツメーカーで学校販売を担当されていたそうです。
学校とネットどちらを選ぶか、値段よりも重視すべきものは
学校注文のメリットがわかったところで、ネット購入による安さ以外のメリットも見てみましょう。
『学校指定の体操袋を間違えて持ち帰られた経験から、ほかの子と持ち物を被らせたくない。プールバッグや裁縫セットなどはネットで買った』
学校注文品は種類があまりないため、ほかの子の持ち物と区別がつきにくくなってしまう。たしかにその心配はあります。「ネットのほうが断然種類が豊富」という声もあったので、選ぶ楽しさも増えそうです。さらに持ち物を間違えられるだけならまだしも、「自分の物が壊れて『同じだから』と、勝手にほかの子に交換された」というお気の毒な体験談もありました。
では肝心の、お子さん当人の気持ちはどうなのか。投稿者さんが教えてくれました。
『子どもは「みんなが注文するのに」と、嫌がりました』
お子さんの希望は、みんなと同じ学校注文だといいます。1万円の差額出費はキツいところですが、1万円を惜しんだことで心にしこりが残るかもしれません。「部活道具だと、学校注文なら試合やコンクール前に急きょ調整が必要になったときにも対応してもらえることがある」と、教えてくれたママもいました。1万円は必要経費と割り切り、今回はお子さんの気持ちを尊重してはどうでしょう。1万円は高額ですが、これを”プライスレス”と考えることもできます。さて、投稿者さんはどう判断するでしょうか?
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文・鈴木麻子 編集・みやび イラスト・Ponko
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