子どもの包丁デビュー、気をつけてあげたいポイントは?
子どもは何でもママの真似をしたがるもの。おままごとの延長戦に思える料理は、その代表格ですよね。素材をちぎったり混ぜたりするくらいなら任せられますが、ママが気になるのはやっぱり包丁。刃物だけに「指を切ったらどうしよう?」と、子どもに使わせるのにはどうしたって勇気が必要です。
とはいえ、いつかは通らなくてはいけないステップ。早くから慣れていたほうが、料理好きになってくれるかな?なんて期待もありますよね。子どもの包丁デビュー、いったいどんなことに気をつけてあげればよいのかを考えてみましょう。
まず子ども用包丁。やわらかい食材で「切る」感覚を覚えさせて
一般的に包丁デビューに適した年齢は、「危険が判断できるようになる3歳以降」とされています。とはいえこれくらいの年齢はとくに成長ぶりに差があるもの。「3歳だからOK」というのではなく、我が子がちゃんと落ち着いて作業できるか、ママの言うことをしっかり理解し、受け入れられるかを判断してからにしましょう。
幼児におすすめなのは、刃の部分がギザギザになっていて指が切れにくい「子ども用包丁」。100円ショップでも売っているので、すぐに飽きてしまいそうと思うようでしたら、それで十分です。おもしろがって頻繁にやりたがるようであれば、もう少し質のいいものを買ってあげるとよいかもしれません。
実際に使ってみたことのあるママはご存じだと思いますが、この「子ども用包丁」、実はあんまり切れません(笑)。やわらかそうに思えるキュウリなどでも「こんなに切れないの?」とびっくりするほどです。ママが使ってもこれは同様で、使うときにぐっと力を入れなくてはいけないので、力の弱い子どもにとってはかなりハードルが高い。
もちろん「指が切れにくい」ことが大前提なので、仕方のないことではあるのですが……。ですので、柔らかい食材を用意することがポイントとなります。木綿豆腐(お豆腐は絹だとぐちゃぐちゃになりやすいです)、魚肉ソーセージやハム、バナナなどもよいですね。「包丁で切る」という感覚を、実体験を通して覚えさせることが目的です。
まずはママ自身がお手本を見せてあげ、そこから子どもにやらせてみるのがファーストステップ。よくいわれる「猫の手」(食材を押さえるほうの手は、指先を丸めたグーに近い形)を意識させながら、一つひとつの動作をゆっくり行うようにしましょう。
ママは子どもの背後に立って、子どもの手元を一緒に見ながら、必要なときは手を貸してあげられるような姿勢で。
慣れてきたらよく切れる包丁で。最初にママと使い方の約束を
小学生以上であれば、大人が通常使うような包丁でも大丈夫になります。ただ、刃の先が尖っているタイプよりは、丸まっているもののほうが安心。さらに、それまでとは逆になりますが「よく切れる」包丁であることも大事です。切れ味が悪いと手に余分な力が入ってしまうため、刃が滑ったりして逆に危険になるのです。ママの使っている包丁の切れ味が悪いのなら、これを機会に買い換えるのも一案ですね。
使うときは「万が一包丁を落としてしまったら」という可能性を考えて、子どもにルームシューズやソックスを履かせておくこと。作業する台はおへそよりも下くらいの位置が力が入れやすく、使いやすいようです。調理台が高いようなら、スツールなどを利用しても。
また、包丁を動かすときにまな板がぐらぐら動いてしまわないように、まな板の下に絞ったタオルを敷いておくのもおすすめです。
包丁を正しく使わないと危険! ということがちゃんと認識できている小学生以上なら、ただ「切りっぱなし」ではなくその上を目指しましょう!
そのひとつが「包丁を置くときの約束」です。作業をしていないときの包丁の定位置、これは最初にママと決めて約束しておきましょう。刃先を自分に対して外側に向けておくと、うっかり誤って手を切ってしまう危険性が減ります。さらにまな板に対して垂直に置くよりも、平行に置いたほうが滑りにくいようです。
基本的な握り方も教えてあげたいですよね。親指と人差指でしっかり刃元の真ん中を握り、残った3本の指で包丁の柄を握ります。
最初のうちはソーセージやキュウリなど、包丁を下に落とすだけでスッとカットできる食材を使うのがよいでしょう。ニンジンなどやや固めの食材は、最初に電子レンジを使ってやわらかくしておくと切りやすくなります。
慣れてきたら「短冊切り」や「千切り」などにも、ぜひチャレンジをしてみてください。
初めて包丁を握るときは、お子さんもママもドキドキですよね。注意事項をしっかり確認して、安心安全な包丁デビューを!
一緒に台所に立ってみると、ママと子どものよいコミュニケーションの場にもなりますよ。