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絵本『ママのスマホになりたい』スマホより大切な存在がいることを忘れてはいませんか?

みなさんは家事の合間や食後の休息タイムに……ついついスマホを手にとってしまうこと、ありませんか?

先日、二児の母である筆者がスマホでその日の天気を調べていると、3歳の上の子が一言。「ママ、いつも何してるの?」。
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そのとき、息子が何気なく言った「いつも」という言葉にハッとしてしまった筆者。自分はそこまで意識していなくても、息子は“いつも”スマホを眺めている私のことを、しっかり見ていたのだとわかった瞬間でした。そんな体験をした直後に私はある1冊の絵本に出会いました。

今回は、「ママがおばけになっちゃった」シリーズが大ヒットをした人気絵本作家・のぶみさんが描く、全国のママやパパたちにぜひ読んで欲しい一冊をご紹介します。

「スマホ」と「子ども」どちらが大切ですか?シンガポールの小学生の作文から生まれた心あたたまる感動絵本

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今回ご紹介するのは、2016年8月からWAVE出版社より発売された、人気絵本作家・のぶみさんの新作絵本「ママのスマホになりたい」。

この絵本は、シンガポールのある小学生が書いた作文が元になっています。その少年が学校から「親のことについて作文を書いてきなさい」と言われて書いたのが『スマホになりたい』というタイトルの作文だったそう。「ママがスマホばかり見てるから、僕はスマホになりたい」と……。

日本でもスマホを片手に子連れで歩くママを見かけることもありますし、筆者のように無意識のうちに子どもの前でもスマホを操作してしまっている方も少なくないのかもしれません。もしかしたらあなたのお子さんも、この少年のような思いを抱いているのかもしれませんよね。

ママ、もっとボクを見て!「ママのスマホになりたい」

この物語は、主人公の「かんたろう」が上手にブロックを組み立てられたので、それを見て欲しくてママに声をかけるところから始まります。

「ママ〜!これみて〜〜」っていったのに
ママは、スマホみてて ぜんぜん きいてません。

かんたろうがママに声をかけても、全くこっちを見てくれずスマホに夢中になっているママ。

ママはテレビのCMが始まるとスマホをみて、テレビが始まるとテレビをみて、あかちゃん泣いたら赤ちゃんをみていて……いつまでもかんたろうのことを見てはくれません。

そんなママに怒ったかんたろうは、部屋の片隅にダンボールで「スマホ」や「テレビ」、「赤ちゃん」が入れない、かんたろうとママだけの国を作ったのです。
すると、ようやくママはスマホを置いて、テレビを消して、かんたろうが作った国に入ってきてくれました。

「ママね、かんたろうがおもってるより
ず〜〜っとかんたろうのことがすきなのよ」

と言ってママはかんたろうを抱きしめてくれたけど……この国を作った本当の理由を、かんたろうはママに言えなかったのでした。

小さな胸に秘めていた想い「ぼくは ママのスマホになりたいです」

その翌日、幼稚園で先生から「大人になったら何になりたい?」と聞かれて、かんたろうは小さな胸に秘めていた想いをみんなに話します。

「ママが スマホばっかり みてるから、ぼくは スマホに なりたい。」

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「でもね、ホントのこというと…ぼくの まんまで ママに みてほしい。」

「ママが みてくれないと ぼくは いなくても いいような きもちになっちゃうよ…」

かんたろうが涙ながらに話していたちょうどそのとき、幼稚園にお迎えにきていたママは、やっとかんたろうの本心を聞くことができました。
かんたろうのママは、その後どんな風にかわっていったのでしょうか……?

この絵本を読んでみて

ママだって自分の時間が欲しい! と思う気持ちは、筆者も十分わかります。確かに忙しい家事や育児の合間に息抜きも必要です。しかし子どもたちは、この物語の主人公「かんたろう」みたいに、もっとママに自分のことを見て欲しいはず。

お子さんは、この一瞬一瞬も、日々成長しています。昨日までできなかったことが今日できるようになったり、そのできるようになるまでに努力している過程は、お子さんのことをよく見ていなければ、気づけないこともあるのではないでしょうか?

筆者はこの絵本と出会って、スマホよりも可愛い我が子と向き合う時間の大切さに気づくことができました。

今までの育児を振り返り、お子さんと過ごす貴重な時間を大事にしようと思うきっかけとなるような、おすすめの絵本をご紹介させていただきました。気になった方は、ぜひ一度、手にとって読んでみてくださいね。

文・赤石みお イラスト・おぐまみ

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『ママのスマホになりたい』

作/のぶみ

価格 本体:1400円(税別)

〜あらすじ〜

ママ、もっと ボクのこと見て!

世界中が感動した、シンガポールの小学生の作文『スマホになりたい』を元に、人気絵本作家・のぶみが描く、全国のママに読んで欲しい一冊!

ちょっとだけ、スマホを置いて、子どもの顔を みてみよう。そこには、気づかなかった 笑顔がいっぱい あるはず。

■著者について

のぶみ……1978年東京生まれ。今までに180冊以上の絵本を手がける。中でも、「よわむしモンスターズ」(講談社)は、NHKの番組「みいつけた」でアニメ化、30万部を超えるベストセラーに。また、「ぼく、仮面ライダーになる」(講談社)は、シリーズ6作で20万部超の人気。「ママがおばけになっちゃった」(講談社)は40万部を超える大ベストセラーとなり社会現象にもなった。その他に「しんかんくん」シリーズ(あかね書房)、「おひめさまようちえん」(えほんの杜)「でんしゃマン」、「おばかおおかみ、ママになる」(小社刊)などを手がけている

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