<お料理メモ>ごま油、茶色と透明があるのはなぜ?洋風メニューにもお菓子にも使えるって知ってる?

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香ばしくて独特の風味のあるごま油は、料理にコクや香りを加えるために使っている家庭も多いでしょう。ごま油と聞くと、たいてい茶色のものを思い浮かべると思いますが、実は透明のごま油があるのをご存じでしょうか? この2つ、色の特徴だけではなく適した料理も違うようですよ。上手に使い分けると料理が格段に美味しくなるかも! 実際にどのような違いがあり、何に使うとおいしいのかを、2025年に創業300年を迎える、ごま油製造の竹本油脂さんにお聞きしました。
ごま油の色が違う理由は?

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茶色のごま油と透明なごま油、この2つには製法に違いがあります。ごま油はごまを搾って作られるのですが、搾る前に焙煎をするかどうかが違うのです。
茶色のごま油(焙煎ごま油)は、ごまを焙煎してから搾られます。そして焙煎の仕方によって、香りや風味にバリエーションが出ます。竹本油脂の場合、よく焙煎された「圧搾純正胡麻油 濃口」は一般的なごま油より香りや風味が強め。「太香胡麻油」は一般的なごま油よりも焙煎感は穏やかになり、まろやかさがあります。
一方透明のごま油(竹本油脂の場合は太白胡麻油)は、焙煎をせずに生のまま搾ります。そのため焙煎ごま油特有の味や香りがせず、代わりに旨みとコクがあるのが特徴です。
茶色のごま油が合う料理は?
茶色のごま油と透明なごま油の使い分けが気になるところですよね。焙煎したごま油は香りも味もあるので、濃いめの味付けの料理に適しています。例えばごぼうのきんぴらや炊き込みご飯などです。

画像:竹本油脂提供
実はキーマカレーにも、ごま油を使うと美味しく仕上がりますよ。
透明なごま油が合う料理は?
透明なごま油は香りがないので、食材本来の香りや味にほぼ影響を与えません。そのため魚介類や野菜など繊細な味を持つ食材との相性がとてもいいのです。

画像:竹本油脂提供
カルパッチョやピクルス、マリネなどに使用できます。

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だし巻き卵のだしの代わりに、透明なごま油を使うこともできます。透明なごま油はコクが強いので、シンプルな味わいが楽しめますよ。
また透明なごま油は、焙煎ごま油のような香りや味はしないので、お菓子やパン作りにも使用できます。ごま油は油脂の中でも酸化がしにくく、熱に強い特徴があります。透明なごま油を使うとお菓子やパンの焼き上がりは油っぽくなりにくく、冷めてもふわっとした食感が残ります。そして食材と混ぜやすいこともポイントのひとつ。バターの場合、一度湯煎などで溶かす必要がありますが、ごま油にはその手間がないのです。他の食材と混ざりやすく、特にチョコレートとの相性がよいとのことです。
ごま油の保存方法は?
ごま油は冷暗所で保存するのが基本。ごま油はセサミンなどの抗酸化成分があるため劣化しにくい油ではありますが、さらに長持ちさせるには、光を遮ることが有効です。中身を缶や遮光瓶に移し替えるか、あるいはアルミホイルで容器を包んで保管しましょう。
古いごま油、使用を控えた方がいいのはどんな状態のとき?
ごま油は劣化しにくいとはいえ、開封してから長い時間が経ってしまうとさすがに傷んでしまうことがあります。ごま油を口に少し含んでみて違和感があった場合には使用を控えてください。また焙煎ごま油の香りがほとんどなくなった場合、透明のごま油が青臭く感じた場合にも、使用しないようにしましょう。
香りや風味の違う、2つのタイプのごま油。上手に使い分けて、家族が喜ぶご飯を作っていきましょう!
取材、文・こもも 編集・編集部