2016年、おたふくが5年ぶり大流行。予防接種してもかかりました!
2016年シーズンはおたふく風邪(流行性耳下腺炎)が5年ぶりに流行しています。国立感染症研究所は先日、前回の流行期(2010年冬-11年にかけて)に次ぐ流行状態となっているとの見解を示しました。東京都の流行状況を見ても、昨年よりも大幅に患者数が多い状況が続いています。
なぜこのニュースに目が留まったかといえば、わが子もつい最近、予防接種を受けてあったにも関わらずおたふくにかかったからです。いやはや、大変でした。
潜伏期間は2週間前後
はじまりはわが子の保育園で貼りだされる「感染症のお知らせ」にあった「おたふく2名」からでした。しかしわが家は二人とも予防接種をそれぞれ1回受けていたのであまり気に留めていなかったのです。
ところがその日からちょうど2週間後のある朝、年中の娘が「ママ、痛い」と左耳の下を押さえて起きてきました。よく見れば、少し腫れているような…。おたふくの潜伏期間は約2週間といわれることからピンときました。幸い発熱はなく元気で小児科を受診しても「反復性耳下腺炎(小児に多い耳の下が繰り返し晴れる病気。熱はほとんど出ない)との区別がつかずこの日は帰宅。予防接種もしているし、小児科の先生にも「予防接種しているなら、おたふくでもこのまま軽く終わるかもね」と言われ、一安心していたものの…
高熱そして耳の下の痛み
翌日、あいかわらず腫れはあっても元気そうなわが子を病児保育に託して私は仕事へ。ところが午後「熱が出てきて痛みが強くなってきた」との連絡が入りました。早めに帰宅して、わが子の姿を見てびっくり!まさに「おたふく」のように左顔の下半分がぷっくりと腫れて、熱を持っています。翌朝、小児科でついにおたふく(流行性耳下腺炎)の確定診断を受けました。
実は耳の下が腫れるのは初期症状で、痛みや腫れがもっともひどいのはそこから2~3日目。わが子の場合は耳の下の耳下腺に加えて顎下腺(あごの横)、舌下戦(あごの下)まで大きく腫れて、熱も39度台まで上昇。熱が下がるまでに丸1日かかりました。おたふくには直接効く薬はありません。わが家では痛みで眠れなかったり、食べられなかったりしたときは解熱鎮痛剤を使いながら、どうにかしのぎました。
今度は反対側も!?
子どもが「痛い」と言い出してから1週間。ようやく腫れが引いてきて食事がとれるようになってきました。やっと保育園にも行かれるねと喜んだ矢先、今度は反対側が腫れて、夜にはまた熱がぶり返し、親子ともどもガックリすることになりました。
小児科で聞いたところ、片側で終わる子もいるし、順番に両側が腫れる子もいるそう。ただし片側しか腫れなかったからといって、免疫がつかない(反対側でもう一度なる)ということはないそうです。わが子はもう一方が腫れるのに時間がかかりましたが、長い子だと完治まで3週間ほどかかるそう!長い闘いになりそうです。
髄膜炎を引き起こすことも
基本的におたふくは特に後遺症もなく、軽症で終わる病気ですが、小児科では合併症についてのお話もありました。おたふくを引き起こすウイルスは「ムンプスウイルス」と言われ、髄液に入り込みやすい性質を持っています。そのため、おたふくになった人の2~10%程度で髄膜炎を引き起こすといわれています。先生には頭痛や高熱が続く、繰り返すおう吐がある場合には再度受診するように言われました。ただし、この髄膜炎は「無菌性髄膜炎」といって予後は非常によいものなので、過度に心配しないように…と言われても、わが子も熱が高かったので気が気ではありませんでした。
予防接種していても気をつけて!
結局2週間ほど保育園をお休みしたわが子。登園してみると、実に全園児の2割がおたふくにかかっていたという大流行でした。ウイルスの感染力が比較的強いこと、耳の下が腫れだす前日ぐらいから感染力があるということから、どうしても流行してしまうようです。保育園では潜伏期間が2週間なので、流行はまだまだ長引きそうとのこと。同時期にかかったお友達は予防接種を2回受けていたけれどかかってしまいました。比較的軽症で熱は出なかったそうですが、「予防接種は100%ではない」ということを身をもって実感しました。ただし、小児科の先生によれば今回かかったことで確実に免疫はつくので「良かったね」とのことですが。親としてはぐったりな2週間でした。
さてわが家には第二子もいますが、果たして感染しているのか?わが家のおたふく闘病記がこれで終わることを祈っています……!
文・編集部