<こども家庭庁 加藤鮎子大臣>第2回「子育ては頑張りすぎず、まわりの支援を積極的に受けて」
前回からの続き。こども家庭庁の発足により、子育て中のママたちにとって心強い政策が登場しています。2024年10月から施行されるのは「児童手当の拡充」。そして2026年度から始まる「こども誰でも通園制度」など、多くの新しい政策が発表されています。こども家庭庁がこれらの政策を実施するに至った考えなどについて、内閣府特命担当大臣(こども政策 少子化対策 若者活躍 男女共同参画、孤独・孤立対策)の加藤鮎子大臣に、ご自身の子育て経験も含めて詳しくお話を伺いました。
こども政策、まだあまり知られていないことは?
── こども家庭庁の発足以降「児童手当の拡充」や「こども誰でも通園制度の創設」など、多くの政策が実施されています。パパやママに役立つ情報で、まだ十分に周知されていないと感じる施策はありますか?
加藤鮎子大臣(以下、加藤大臣):2024年10月から施行される「児童手当の拡充」については、幅広い方々が対象でもありますし、すでにご存じの方も多いかと思います。
他方、「出産・子育て応援交付金」については、制度や目的をご存じない方もいるかもしれません。この制度は、出産前と出産後にそれぞれ5万円が支給されるものですが、単なる経済的支援にとどまらず、行政とのつながりができることを目的としています。支給の際に地域のこども家庭センター等で専門のスタッフとの面談が行われるので、そこから出産や子育てに関するいろいろな支援の情報が入ってきますし、伴走型のサポートを受けることができる入り口ができていますよということを、特にこどもを持つことに不安を感じている方々にはぜひ知ってもらいたいと思います。
「こども誰でも通園制度」で子育て支援
加藤大臣:「こども誰でも通園制度」についてももっと多くの方に知っていただきたいです。保育園は基本、仕事をされている方が働いている間にこどもを預けるところですが、働いていない方でも、ずっとこどもと一緒にいるのではなく、たとえば歯医者や美容院に行きたい場合もあると思いますし、自分自身が体調を崩すこともありますよね。この「こども誰でも通園制度」が始まると、働いていない方でも0歳6か月~満3歳未満のお子さんであれば、月に一定の時間まで、保育園等を利用することが可能になります。
── 保育園の利用について、どのようなメリットがありますか?
加藤大臣:保育園を利用することで、保育士さんから新たな視点でこどもの成長を教えてもらう機会が得られます。保育士さんが「こんなことができるようになった」と教えてくれることで、自分では気づいていなかった成長を見つけることができるんです。たとえば離乳食がなかなか進まなかった子が、保育園での経験を通じて食べられるようになることもあります。私自身もこどもを保育園に預けたことで保育士さんから多くのことを学びましたので、ぜひ利用してもらえると嬉しいです。こどもたちの成長を見逃さず、新たな発見をするチャンスになると思います。
大臣として、2人の子の母親として
── 大臣自身も子育て真っ最中ですが、ママスタセレクトの読者のパパやママたちに一言お願いします。
加藤大臣:子育ては本当に大変ですよね。私自身も実感しています。子育ての悩みを抱えて大変な思いをされている方もいると思いますが、そういう時には、一人で抱え込まず、誰かの手を借りたり、行政や周りの人にも相談していただきたいです。子育て中のパパやママを応援したり、支援したりする制度はいろいろありますし、こども家庭庁としても、さまざまな子育て支援を充実させるとともに、そういった支援があることを子育て中の皆さんに知っていただけるようしっかり取り組んでいきたいです。
── 子育て中のママたちへのメッセージをお願いします。
加藤大臣:子育ては確かに大変ですが、それと同時に非常にやりがいがありますよね。ママたちにはさまざまな状況やライフスタイルがあると思いますが、一緒に乗り越えていきましょう。私は中学生と5歳のこどもがいてまだまだ育児は続くので、先輩面をして偉そうなことは言えませんが、一緒にがんばりましょう。
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取材、文・長瀬由利子 編集・ここのえ