<みんなの悩み>読書感想文は「あなうめ」で書ける!?文章を書くのが苦手な子でも取り組める方法
宿題として出されることもある読書感想文。「何を書いたらいいかわからない」「書きたいことをうまく文章にまとめられない」「単純な感想だけになってしまう」そんな悩みは少なくないですよね。また悩む子どもたちに対して、どうやって教えていいかわからない親もいるかもしれません。そんな親子にオススメなのが『必ず書けるあなうめ読書感想文』という本です。この本に用意された「あなうめパターン」を選び、指定された空白に言葉を入れていくことで自分なりの読書感想文が書けるというもの。
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株式会社Gakken 出版・コンテンツ事業本部 中村円香さん、笠原舞夢さんにお話をうかがい、この本を使って読書感想文を書くコツや身につく力などについて、詳しく聞いてきました。
『必ず書けるあなうめ読書感想文』って?
――『必ず書けるあなうめ読書感想文』はどんな内容の本でしょうか。
中村円香さん(以下、中村さん):『必ず書けるあなうめ読書感想文』は、読書感想文を書く際の負担を減らし、自分の考えをどのように言語化するかのヒントが豊富につまった本です。近年の学習傾向として、自分の考えを言語含むさまざまな方法で伝える「表現力」がますます重要視されています。この背景から自分の考えを自分の言葉で書く「読書感想文」の重要性が高まっていると感じ、デザインを一新し、内容もアップデートして改訂版を発行しました。
――実際に読んでみると、「アナグマ先生」や「ニンゲン」といったキャラクターがいたり、漫画形式になっていたり、子どもでも読みやすそうですね。
中村さん:読書感想文のガイド本は、書き方を読んで学ぶ「インプット型」が多いですが、本書はお子さんが自ら手を動かしながら自然と読書感想文の書き方が身につく「アウトプット型」です。お子さんが楽しんで読書感想文に取り組めるように心がけて作りました。
「5つのあなうめパターン」を使って考えを言語化する
――この本のなかでは「5つのあなうめパターン」が紹介されています。子どもたちに挑戦してほしい「あなうめパターン」を教えてください。
笠原舞夢さん(以下、笠原さん):オススメしたいのが「きほんのあなうめ」です。登場人物ひとりに注目し「登場人物はどんな人か」「どんな性格なのか」と掘り下げて書くタイプのあなうめパターンです。その登場人物への素朴な感想から書きはじめられるので、長い文章を書くのがおっくうな人にも取り組みやすいと思います。
ほかにも「すきな場面からあなうめ」「本を読んだきっかけからあなうめ」など、いろいろなあなうめパターンを用意しています。読んだ本の特徴に合わせて、取り組みやすいものを選んでいただけます。本書の巻頭には自分にピッタリな「あなうめパターン」を選ぶための診断チャートもつけているので、活用してもらいたいですね。
――実際にあなうめを使った子どもたちや保護者からも反響の声はありますか?
笠原さん:さまざまな年代の子どもたちから反響の声が届いています。「この本があれば、一人でかけそう」「読書感想文がとくいになった気がしてうれしかった」といった子どもたちの声から、「毎年後回しにしていたのが噓のように、いろいろな本を持ってきて“この本でも書いてみる!”と自ら進んで書くようになりました」という保護者の声もありました。
――読書感想文を書くことにより、どのような力を身につけることができるでしょうか。
笠原さん:本書により2つの力が身につきます。1つ目は感想文を組み立てる力です。あなうめをしていくなかで悩むことなく、自然に文章を組み立てる方法を身につけることができます。2つ目は自分の考えを言語化する力です。「ついあらすじをたくさん書いてしまう」というお子さんも、本書を使えば自然と自分の感想に集中することになります。
さらに巻末についている「言いかえじてん」を使えば、「おもしろかった」という感想も、さまざまな言い回しで表現できます。それぞれの表現で少しずつニュアンスが違うことがわかるので、自分の感想を解像度高くとらえ表現する力も養うことができます。
親はどうやって子どもにアドバイスしたらいい?
――保護者が子どもに読書感想文の書き方を教える際は、どのような点に気をつけるとよいでしょうか。
中村さん:「あなうめ」といえど、いざ書き始めるとお子さんの手が止まってしまうこともあると思います。もしお子さんが書き始めに悩んでいたら「どの登場人物がお気に入り?」「なんでこの人がお気に入りなの?」「どんな性格?」など、内容を深める質問をすると、考えが整理されて書きやすくなると思います。本書の「はってんへん」には「自分の考えを深めよう」というパートがあります。「どんな質問をすればいいかわからない……」と悩んでしまう方は、この項目をもとにお子さんに質問していくのがオススメです。
選ぶ本は子どもが興味のあるものを!短編でも図鑑でもいい
――最後に子どもが読書感想文を書くのに読む本を選ぶコツやオススメの方法があれば教えてください。
笠原さん:お子さんが興味をもつ、おもしろいと感じるものを選ぶことが一番大切だと思います。読書感想文のために本を選ぼうとすると、本が苦手だったり興味がなかったりする子にとっては「やらされている」感が出てしまうのではないでしょうか。
――子どもが最後まで本を読むのが難しいという悩みもありますが、アドバイスがあれば教えてください。
笠原さん:長い文章が苦手なら短編集、図鑑などでも読書感想文を書くことはできます。まずはお子さんの興味を優先して、楽しく読める本を選んでみてください。
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(取材後記)
読書感想文の宿題は「何からどうやって書いたらいいかわからない」と悩んでしまい、つい後回しにしてしまいがちかもしれません。親としては、子どもの興味を見極め、読んだ後は「内容を深める質問」をするとよいとのことでした。子どもが選ぶ本についても、あまりハードルを上げずに短編集や図鑑など好きな本から始めていいというのも心強いですね! 読書感想文が苦手な子どもたちやアドバイスの仕方に悩むママたちも、一度試してみてはいかがでしょうか。