<文化の敗北>街の書店がどんどん閉店していく……潰れないお店はナゼ存続できているの?
みなさんは最近、本を買っていますか。買いにいくのは街の大型書店でしょうか、それともオンラインショップでしょうか。子どもが産まれて絵本や児童書を買うようになった人もいるでしょうし、忙しくて全然本を買っていない人もいるかもしれませんね。
『地元に30年以上前から経営している個人経営の書店があります。地元でその店以外は、すべて潰れてしまっています。ネットで情報が簡単に手に入るこの時代に本なんて売れないだろうし、どうやっていまだに経営続けることができているのか素直に疑問です』
こちらはママスタコミュニティに寄せられた、あるママの素朴な疑問です。投稿者さんの地元では数多くあった書店が閉店してしまい、たった1軒の小さなお店だけが生き残っているようですね。ただいかにも本が売れなさそうな時代に、どうやって経営を続けていられるのか疑問に感じたようです。
経済産業省によると書店数は年々縮小傾向にあり、20年前の約6割程度まで減少しています。2004年度に約2万店あった書店が2022年度には1万2,000店を割り込んでいるとのこと。家にいながら注文できるオンラインショップもありますし、街なかのリアル書店の経営はより厳しい状況が想像されますね。みなさんの街でも本を売るお店は年々減っているのではないでしょうか。
学校や図書館、病院などと取引があるのでは
『学校の教科書を販売しているなど、目に見えないこともいっぱいあるのだよ』
『多分教科書を学校に売ってるんじゃないかな。営業しているときに老舗の本屋さんがそう言っていた。教科書だけで何千万の売上あると言っていたよ』
『学校関連に食い込んでいる店はほぼ潰れないよね。体操服を扱っているブティックも同じ』
『地元で今でも長年経営しているところは学校の教科書、図書室の蔵書、病院の待合室の雑誌など太い客を持っているところが大半』
投稿者さんの疑問に対し「学校や図書館、病院などを相手に商売をしているのでは?」といった声が寄せられました。もし学生などが購入必須となる書籍を扱っていれば、毎年一定数を販売できることでしょう。売上の見通しも立ちやすく、安定した収入が得られそうです。現在潰れずに残っている街の本屋さんは、もしかしたら公共施設などを相手に経営を成り立たせているのかもしれません。私たちが目に見えない場所で、大口の商売をしている可能性がありますね。
不動産収入などがあるのでは?
『私の幼なじみの家、大地主だけど書店をひとつ経営しているよ。その幼なじみに家事手伝いだけじゃなく仕事させたほうがいいでしょという理由だけで。そういうこともあるよ』
『地元の本屋さんは住んでいる町でマンション経営している』
『副業だと思うよ。税金対策だから儲けなくてもいい』
書店経営は本業ではないというケースも考えられるようです。「不動産を持っているオーナーが副業として経営しているのでは?」といった声も寄せられました。筆者が以前住んでいた街にも個人経営と思われる小さな書店がありましたが、貸ビルを1棟持っていたため、書店の売上とは別に不動産収入があるようでした。小さなお店が個人のお客さんだけを相手に本を売って商売を成り立たせるのは難しいのかもしれませんね。
街の小さな書店で本を買う醍醐味
『山積みに置かれている本から探したりするのは楽しいよね。最近はほとんど潰れてしまったから、学生のときのあの感覚はもう味わえないなぁって思ったらちょっと寂しくなる』
『行くとフッと目的以外の本が目にとまったりするので行きたくなっちゃう』
こちらのママたちは街の書店の素晴らしさを語ってくれました。その声にもあるように、リアル書店で本を買う醍醐味は思いもよらない本との出あいにあるのではないでしょうか。偶然の本との出あいが人生を豊かにしてくれたという声も。本好きなママたちは、子どもたちにリアル書店で本を購入する良さを感じてもらいたい気持ちもあるようです。
なかには独自の取り組みをしてお客さんをひきつけ、経営している個人書店もあるようです。カフェやギャラリーを併設したり読書会を実施したりと、本にまつわる空間を提供できるのもリアル書店ならではですね。子どもの知的好奇心をくすぐる本との出あいや、親子の読書会などもあるかもしれません。見かけたら子どもを連れて立ち寄ってみてはいかがでしょうか。また個人経営だからこそ店員さんと気楽に会話ができるというメリットも考えられます。おすすめの本を選んでくれたり、イベントの開催を教えてくれたりすることもあるでしょう。便利なオンラインショップもいいですが、たまには街のリアル書店にも立ち寄り、子どもと一緒に本との偶然の出あいを味わってみてください。