<先取り学習の弊害?>小学校の授業が「簡単すぎてつまらない」。デキる子どもに親がかけたい言葉とは
文字の読み書きや簡単な計算など、就学前から何らかの学習をスタートしている子は少なくないようです。幼児教室などに通わなくても、通信教育や家庭でやるドリルといった教材も豊富です。小学校入学前にひと通りはできるようになっていてほしいという、親の希望もあるでしょう。
一方で、入学後に初めて”勉強”というものに触れる子もいます。学校ではそれを前提に授業をスタートするため、先取り学習をしてきた子にとっては授業が物足りなく思えることもあるようです。
授業が退屈!教えられるのは、とっくに知っていることばかり
『この春小学生になった息子は算数が好きで、就学前から独学でドリルをしてきました。学校で算数を習うのを楽しみにしていたのですが、最近「授業がつまらない」と言い出すように。「1から10までの数を数えるだけだから退屈」と。息子になんと声をかければいいか、悩んでいます』
投稿者さんがドリルを与えていたのは、先取り学習のつもりではなかったそう。この時期の子どもたちは「勉強」と身構えるのではなく、遊びの一環として問題を解いたりするものです。子どもにとっては、クイズやゲームと同じ感覚なのかもしれません。
現時点で投稿者さんが息子さんにかけているのは「だんだんと難しくなるよ。わかっていることでも、確認の意味でしっかり学ぼう」という言葉。とはいうものの、教科書を見た投稿者さん自身も「これはたしかに退屈だろうな」と感じてしまったのだとか。
同じようなお子さんを持つママからたちのコメントが寄せられました。
『うちも幼児の頃から算数好きで、小学校入学時には先取りで中学の範囲まで進んでいた。最初の授業は驚きで、ひっくり返りそうだったって』
とっくに知っていることをまたイチから教えられるのは、もどかしくてたまらないかもしれません。
先日小学校に入学したばかりのお子さんの授業参観に行ったというママからは「国語もひらがなから。1時間ずっと”あいうえお”を聞いていたら、退屈で辛かった」といいます。
先生の教え方、スラスラ解ける爽快感だって楽しめる要素に
ただイチからの授業であっても、それを楽しめる子たちもいるようです。
『うちは先取りをしていたけど、先生の雑談がおもしろかったようで「つまらない」とは言わなかった。たしかに低学年の算数は簡単すぎるけど、スラスラ解けるのも気分がいいでしょ』
入学後から勉強をスタートした子にとっても、2年生で九九が登場するまでの算数はかなり簡単に感じられるかもしれません。「簡単すぎてつまらない」かもしれませんが、「簡単で全部すぐにわかるから、気分がいい」のもたしかです。
「自分はわかってるもんね、とちょっと得意になる時期だよね」「勉強はつまらなくても、先生が褒めてくれるから楽しいみたい」という声もありました。最初に苦手意識を持たせないような授業になっている可能性も考えられます。
『うちも数字が好きで、年長で九九をマスターしていた。でも小学校の授業も楽しそうだったよ。親が教えるより、先生が教えるほうがやっぱり上手だし』
内容そのものよりも「どんなふうに教えてくれるか」に、おもしろさを見出した子もいました。
『私も小さな頃から算数好きで、授業は退屈だった。でもわかっていてもちゃんと聞くようにしていたから、さらに力がついたよ』
こちらは大学も数学専攻だったという、根っからの算数・数学好きな方からのコメントです。
他にも「うちも徹底的にきれいな字で書くとか、誰よりも速く解くとか。別の要素で自分に負荷をかけて退屈を乗り切ったみたい」という、現在高校生のお子さんの話もありました。学年が上がれば「簡単すぎてつまらない」授業も、有効に活用するための工夫ができそうです。
授業で学ぶのは、教科書に書かれていることだけではない
就学前から先取り学習している子が多い今、「大切なのは勉強自体だけではない」というコメントも目立ちました。
『長時間椅子に座って、先生に言われた課題をする。先生の話を聞いて、考えて手をあげる。それを集団の中で行うのが授業でしょ』
「その時期は授業の内容以上に”授業をする”ための勉強」という声もありました。簡単すぎてつまらないかもしれませんが、勉強の内容以外にも多くの要素が含まれているのが授業です。入学してしばらくは、その肩慣らし期間であるとも考えられます。
『授業の過ごし方に注目して、「ちゃんと座って話を聞くんだよ」という方向で声かけするといいかも』
『「今日、先生は授業でどんなことを言っていた?」と、子どもに気づきがあったかどうかを尋ねてみたら?』
息子さんに声かけするなら、こうしたコメントが参考になりそうです。
好きな算数をもっと勉強して知的欲求を満たしたいのなら、今のように家で独学でドリルをやってみる。自分のペースで進められる塾に通うのも一案です。学校の授業はその確認、復習をする姿勢でのぞむ。問題が簡単なら余裕があるでしょうから、先生の話を注意深く聞いておくこともできます。「おもしろい発見があるかもしれないから、よく話を聞いておこう」と声かけしてみてはいかがですか?
注意しておきたいこともあります。
『賢い子が「みんなが考えているときに答えを言っちゃって迷惑」と、うちの子が言っていた。間違えたり、わからない子がいるとバカにするんだって』
学校で初めて学ぼうとしている子は、わからなくて当たり前です。「授業がつまらない」という思いが、こうした行動につながるのは困りますね。
学習を2年先取りしていたため、同様に「小学校の授業がつまらない」と言っていたというお子さんを持つママはそれを避けるため、「初めて習う子もいるから、その邪魔はしない」「知っていることでも、先生に指名されてからでなければ話さない」と声をかけていたと言います。
投稿者さんも同様の注意をお子さんにしているそうですが、そこさえ気をつければ得意な科目があるのは素晴らしいこと。この先も息子さんの「算数が好き」という気持ちが折れないよう、のびのび勉強できる環境を整えていってあげてください。
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