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「地震」のニュースを子どもに見せる前に考えたいこと

熊本に甚大な被害を及ぼし、大分の断層にまで影響を及ぼした平成28年熊本地震。
情報が飛び交う中で、東日本大震災の被災者のために阪神淡路大震災の教訓をまとめた記事を読みました。時間がたっていますので、今はもっと高性能のグッズがあったりするかもしれませんが、一度目を通しておくと有益だと感じられましたのでご紹介します。

例えば、ガスコンロを二台並べて鉄板焼きの用にするとどちらかのカセットが延焼する危険があるとか、懐中電灯にレジ袋をかぶせると光が拡散するとか、そういった現実的な情報が載っています。

http://s.webry.info/sp/ykeiko.at.webry.info/201103/article_9.html

災害のニュースを子どもに見せる前に考えたいこと

ママ・育児に関することにフォーカスして考えますと、赤ちゃん周りのオムツ、ミルクなどの日用品が足りなくなる、という物理的なことも大問題なのですが、東日本大震災を3歳児とともに経験した私として、一つ皆さんとシェアして考えたい問題があります。

PTSD(心的外傷後ストレス障害)

東日本大震災のときに、テレビで流れる津波の映像を一日中見続けてトラウマになってしまった子どもたちがいます(大人もですが)。現実に起きていることですし、被災された地域のご家族、子どもたちにとっては「目をそらすことなどできない」現実だったことは重々承知の上です。ですが、「見なくてもすむ」子どもたち…年齢的には少なくとも小学校低学年までは‥…を「一日中」不安にさらすことは、避けられるならば避けたほうがいいことなのかもしれません。
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あふれた不安感

ひとたび災害が発生するとニュース・ワイドショーでは連日、繰り返し繰り返し映像が流れます。東日本大震災のときに、悲惨な映像を繰り返し見た東京の子どもたちの中に、少しの地震で怯えてしまう、海がこわくなるという子どもたちがいました。「地震が恐い」「海がこわい」のが問題なのではなくて、心のベースに大きな「この世界への不安感」が居座ってしまうことが問題だと思うのです。
大人は「もう少しでこうなる」「こうすればああなる」と経験値で推測したり、「ここまでがんばれば」という具体的な希望や安堵感を持ったりすることができるかもしれませんが、それが難しい幼い子どもたち。「どうなってしまうのだろう」という不安は、大人の想像以上に子どもの心を飲み込んでいることがあるようです。
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他人事ではない

もちろん、地震のこと、被害のことなど悲しいニュースをシャットアウトして、アニメを見せましょうと言っているのではありません。ママやパパの言葉で、大変なことが起きているけれど、そばに家族がいるからね、という安心感とセットで伝えていくことが重要だと思います。心を覆い尽くした不安感は、のちのちさまざまな「生きにくさ」につながることがあるのではないでしょうか。

ニュースの見方

大変な災害を、大人である私としては目をつむるわけにはいきません。子どもと暮らしていると被災地にボランティアに行くこともままなりませんし、多額の寄付もできませんが、できることは何かと考えるためにも情報を収集しないといけないとも思います。ですがなるべくスマホや携帯で、子どもが寝ている間などにそれらを行い、子どもが起きている時間にずっと災害の映像がテレビから流れている、という状況は避けたいと考えています。みなさんはどうでしょうか。

子どもたちに、この世界は素晴らしい場所なんだと教えて希望を与えていくと同時に日々起こるこの世界の現実の悲しさの伝え方。いまもまだ手探りのまま、日々考えています。

文・yuki  イラスト・藤森スズメ

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