いつか子どもが巣立ったら……夫婦二人の時間を楽しめる?
少し前に、女優の山口智子さんが俳優の唐沢寿明さんとの結婚生活の中で、「子どものいない生活をあえて選んだこと、二人でいる時間が最高です」とコメントされている記事を見かけました。ひとそれぞれの結婚の形があるものですね。
私はというと……今子どものいる生活は幸せ。でも、もしそうでなかったらどうだっただろうか? 子どものいない夫婦二人の時間を自分は楽しめたのだろうか? あるいはこの先子どもなしで人生楽しめるのだろうか?
不安に思って、心がざわざわしてしまいました。
夫婦のバランスが変わっていく数年間
独身時代、つきあっていた頃、結婚したての頃。睡眠、仕事以外の一日の時間を夫婦ふたりでシェアしていた時代。
それから子どもが生まれて、最初の数年間は子ども中心。寝不足。体力限界。すれ違い。結果、家庭内労働の住み分け。子どもという最優先にしなければならない存在の前に、否応なく崩れていく夫婦のバランス。経済的、時間的に自由度の高いご夫婦は、子どもが小さくても夫婦デートをしたりできる場合もありますが、最初の数年間は髪を振り乱して育児に全力投球なママも多いはず。
待ちに待っていた子ども不在の日、のはずが
そんな家庭でも数年経つと、子どもが祖父母のうちにお泊まり、幼稚園のお泊まり保育、キッズキャンプなどで不在になるチャンスが訪れます。でも待ちに待っていたはずなのに……「あら? 前みたいに楽しくない……」と気がついてしまいます。せっかく夫婦二人で久しぶりの外食なのに、子どもの話に終始してしまったりして。
そんな状態が続くと、子どもの巣立ちが見えてくる頃、不安に襲われます。
「子どもが巣立ったら、うちはどうなるんだろう」「何を話せばいいんだろう」
変わってしまった夫婦関係を、10年前、20年前に戻すのは不可能だし、不自然です。子どもがいてもいなくても一生ハッピーなんて状態は保証されていない。
なぜか。
子どもがいる/いない、ひいては結婚している/していない、に関わらず、そのときに自分がハッピーに思うかが基準だからです。
依存していないか
確かに子育ては大変で、自分の時間やエネルギーを何年間も注いだ対象に依存してしまうのは仕方がないことです。でも子どもに依存する状態から徐々に離れていかなければ、ある日突然はしごを外されたような気持ちになります。
家庭のこと、育児のことを切り盛りしている自分は、自立しているような錯覚に陥りがち。しかし本当に一人で立っていられるか、自分以外の家族を切り離した時に自分がハッピーかどうか、時々自問自答してみるのもいいかもしれません。
子どもが家庭の中におさまっている時間は長くて20年前後。その後の夫婦の時間は長くて40〜50年。急にバランスを崩さないように、自分のことも大事にしていきましょう。
文・編集部 イラスト・くずり