<図々しい値切り!>犯人はワタシ。まわりが見えず……気づけば一人【第6話まんが:アヤナの気持ち】
前回からの続き。私の名前はアヤナ。幼稚園生と小学生、2人の子どもを育てています。実はわが家は家計が苦しくて毎月カツカツ……。ほとんど貯金すらできないような生活ですが、毎月うまくやりくりしながらなんとか生活しています。しかし最近、幼稚園のママたちに流される形で、娘と同じクラスのママ、カオルさんがやっているネイルサロンに足を踏み入れました。キレイになった自分の爪にうっとり。しかし料金を値切ったらあっさり断られて腹が立ってしまいました。恥をかかされたので、悪い口コミを広めてやろうと幼稚園へ向かいます。
翌日、幼稚園に息子を送り届けると、その足で職員室に「至急、園長先生に話があるんです」と言いに行きました。園長先生が出てくると、私は捲し立てるように話しました。カオルさんが幼稚園のママたちに「値引きで安くするから自分のネイルサロンに来てほしい」と、だれかれ構わず話しかけていて、みんな困ってること。私も無理やり勧誘されて困ってしまったこと。断りたかったけれど幼稚園でのお付き合いもあるし、断りづらかったこと。そして「幼稚園のママたちは特別値引き」と言っているけれど、高くてほぼ詐欺だということ……。最後に「幼稚園側から本人に言って、営業停止にさせてください」「逆恨みされたら怖いので、私の名前は出さないで」とお願いしました。
カオルさんがどんな顔をするか見たいから予約入れてやろうっと。そんな気持ちでいっぱいでした。勝ち誇った気持ちに浸りながら、少し先にネイルサロンの予定を入れました。
それから何日か経ったある日。幼稚園にお迎えに行ったところでちょうどカオルさんのネイルサロンからのメッセージに気が付きました。「営業停止の運びとなりました」という内容を期待していた私がワクワクしながら開くと……なんと、ネイルサロンは今後もずっと続けること、今後の値引きはなしで一般客としてなら受け入れると書いてあります。そして他のママ友たちは、どうやらその決断を喜んで受け入れているようなのです。
数日すると、なぜかママ友たちが私のことを避けるようになりはじめました。不思議に思っていたら、子どものお迎えのときに思わぬ噂が耳に入ってきました。
思わず隠れて聞き耳を立てました。ママたちの話はさらに続きます。ようやく「しまった」と思いました。前に気が大きくなって、大声で話してしまっていたカオルさんのお店の悪口をママ友に聞かれていたのです。知り合いがいるかもしれないなんて簡単なことにも気付かずに……。
根も葉もない噂を流した犯人は自分だと言っているようで予約をキャンセルできませんでした。予定を入れた日におそるおそるネイルサロンに行くと、カオルさんは以前と変わらない丁寧さで施術をしてくれました。きっと私が犯人だと知っているのでしょう。しかしそんなことはおくびにも出しませんでした。
「そしてごめんなさい」と心の中で謝ると、私はネイルサロンを後にしました。私がもうここに来ることはないでしょう。ネイルオフは別のお店でしてもらう予定です。他人に迷惑をかけた結果、周りから人がいなくなってしまった私。きっと今後も噂が消えることはないでしょう……。これから長い時間かけて、自分がしでかしたことを省みたいと思います。
何かに取り憑かれていたかのように、カオルさんにダメージを与えることしか考えていなかった私。今考えると、嘘をついてまで幼稚園に告発をするなんて正気の沙汰ではありませんでした。しかしそのときはそれが最善の策だと思いこんでいたのです。だからこそ周りが見えておらず、周囲から人がいなくなってしまったのでしょう。一方でカオルさんはしっかりと周りが見えていたからこそ人望があり、誰も離れていかなかったのかもしれません。丁寧に施術されたネイルを見るたびに、そう思うのでした……。
原案・ママスタコミュニティ 脚本・motte 作画・ちょもす 編集・横内みか