<生活費10万を義母に……?>妻に喜んでもらうためのウソで……自爆?【第7話まんが:夫の気持ち】
前回からの続き。俺(アキオ)はレイカと結婚した。結婚と同時に両親と同居をすることを提案したんだ。なぜなら、一緒に暮らしたほうが家賃が浮くし、その分貯金ができるから。そのうち、一軒家かマンションを買いたいと思っている。だったらできるだけお金を貯めておかないと。そのことをレイカに話したら、しっかり者のレイカも賛成してくれた。母さんたちも協力すると快諾してくれて、俺たちの同居生活はスタートしたんだ。
「アキオ、無駄遣いはダメよ。将来のためにちゃんと貯金しておくの」と、母さんには昔から口癖のように言われてた。
社会人になりたてのころ、自分の給料を知って驚いたのを覚えてる。実家暮らしだからまだ貯金できてるけど……。父さんたちは自分たちで家も建てて、さらにじいちゃんとばあちゃんの面倒までみていて、スゴイんだな。
「この人と結婚すれば、安定した生活が送れるかもしれない」そう思ってレイカとの結婚に踏み切ったんだ。
家を買うとしてもローンを組むなら早めがいい。頭金も用意できていれば返済が少なくて済むし。きっかけは、レイカの提案だった。「アキオさんのご両親は家を持っているの? もしご両親がいいなら、私同居してもいいんだけど」と、計画を聞いたときは「家賃が浮く分、結構貯金ができる!」と思った。
レイカの案に俺は快く賛成した。たしかに2人で働いて貯金すれば、あっという間に頭金は貯まりそうだ。俺たちは両親に相談して、同居させてもらうことに成功した。
両親の理解もあって、同居をはじめた俺たち。計画通り、貯金額を増やせていけることが嬉しくて……つい悪知恵が働いて、本当に軽い気持ちで、レイカにあんなことを言ってしまったんだ。
物価が高騰していることを理由に、レイカに生活費の3万円の増額を打診してみた。驚いてはいたけれど、お金を出してくれた。また貯金が増える、やったぜ!
生活費という名目があれば、レイカはお金を渡してくれた。これでまたさらに頭金が貯まっていく。カンタンさ、しめしめだ。レイカにはもう少し貯まってから言うことにしよう。きっとすごく喜ぶぞ! それなのに……。
勝手に増額した分は、実は両親に渡さず、貯金していたことがみんなに知れわたったとき、なぜか俺は責められる立場に追いやられていた。なんでだよ……。俺は父さんや母さんみたいにしっかりお金を管理できる大人になりたかっただけのにさ。
「昔に比べたら今は時代がちがう」父さんはそうやっていうけれど、俺だけの給料ではやっていけないんだよ。そう、だからこうするしかなかったんだ。
俺は母さんの言うこともレイカの言うこともイマイチ理解ができなかった。俺はあくまでレイカのことを思ってやっただけのこと。それなのに離婚って……。
「アキオさんに頼りっぱなしにするんじゃなくて、もっと早く直接話し合えばよかった。勘違いだったとはいえ、嫌な思いをさせました。お義父さん、お義母さん本当にごめんなさい」「レイカさんが謝らないでいい、私たちこそごめんなさいね」
両親もレイカも謝りあっていったいなんだっていうんだ? お金はムダに使ったんじゃない! ちゃんと貯金しているっていうのに。
その後、話し合いを経て、俺たちは離婚。貯めていたお金も折半した。そして両親から「この家を出てひとりで暮らせ」と言われた。今さら実家を出てどうしろと……?
母さんは「お金は大事だけど、家族はもっと大事だ」という。正直俺もそのつもりだった。でもどうやら、家族を大事にするという意味をはき違えていたらしい。幸せそうな家族を見るたびに、自分がバカなことをしたと思い知らされる。これから俺は変わっていけるのだろうか……。
原案・編集部 脚本・古川あさこ 作画・ちょもす 編集・横内みか