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<毒親ではないけれど>【後編】「なぜ親に教えてもらわなかったの?」と言われて複雑。同じ人いる?

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前回からの続き。投稿者さんは小学生の子どもがいるママです。子どもの教育について親がしっかりと寄り添うことが大切だと考える投稿者さんは、実際にお子さんを手厚くサポートし、成績アップなどの結果が出ているのだそう。しかし自分の子ども時代を振り返って「もっと親が寄り添ってくれていたら……」と悔やむこともあるそうです。「自分の親を毒親だったとは思わないものの、もっと手をかけてほしかった」との考えを述べた投稿者さんに対し、投稿内からは共感の声のほか、すべてが親の責任とは言えないと指摘する声など、さまざまな意見があがりました。

予防歯科や食事マナーも親の責任?

親の寄り添い方についていろいろな声が寄せられるなか、投稿者さんは教育面以外でも、親の責任を感じることがあるとコメントしてくれました。

『虫歯は親の責任って言われてるけど、その通りだと思う。自分が小学生のころは虫歯が痛み出してようやく歯医者に行く感じ。そのせいか今も歯の状態はよくないし、歯並びも悪いなぁ』

投稿者さんはお子さんの仕上げ磨きや3ヶ月ごとの定期健診、虫歯予防のフッ素塗布など、歯の健康を守るためにも熱心に取り組んでいます。しかし自分が小学生のころは定期健診などは行っておらず、虫歯が痛くなると歯医者に行くという状態だったとのこと。大人になった今でも虫歯に悩まされることもあるため、親がもっとサポートしてくれていたら……と考えてしまったようですね。この主張には、ほかのママからも同じような意見があがりました。

『箸の使い方も満足にできません。娘も上手にできなくて、夫が「なぜ親が教えなかったの? だから子どもにも教えられないよね」と教えてくれてます。夫の親戚には「そんな箸の使い方で恥ずかしくないの? 食べ物がかわいそう」と言われました。直そうと頑張ったけど、直らないのです』

こちらのママは、箸の作法を親から教わらなかったことで、わが子にも箸の使い方を教えることができず困っているようですね。旦那さんから「どうして親が教えてくれなかったの?」と言われたり、旦那さんの親戚からも「恥ずかしい」と蔑まれたりするのは辛いものでしょう。子どものころに染み付いてしまった癖や所作は、大人になってから修正するのは難しいものです。大人になって恥ずかしい思いや悲しい思いをすると、「もっと親が教えてくれていたら……」と恨めしい気持ちを抱いてしまうのは、仕方がないのかもしれませんね。

育児の今昔、情報量の差もある?

『時代は大きいと思う。ネットがないから自分から求めないと何も情報を得られない時代だったよね。マメで意識の高い親なら良かったけど、親自身も世間が狭くて未熟だったんだと思ってる』

『時代もあるから仕方ないよね。当時はネットもなかったし田舎の小さなコミュニティのなかで、普通だったらそれで良しとなる親の気持ちもわかる。だから子どもにはちゃんとしてあげようって思ってる』

昔と今では、育児の考え方も変化していると指摘する声もあがりました。確かに自分の子ども時代を思い返してみると、今とは違うと感じることは多いですよね。筆者はアラフォーですが、やはり子どものころは、虫歯になったら歯医者に行くという認識だったように思います。育児や教育などは、時代とともにどんどんとアップデートされていますし、現代と比較して「自分の親は意識が低かった」と言い切ってしまうのは、極論ともえるかもしれませんね。

投稿者さんの子どもが大人になったら?

『将来、お子さんに同じこと言われたらショックじゃない? 投稿者さんの親は投稿者さんの親なりに、大切に育てたと思うよ』

『投稿者さんだって良かれと思って勉強付きっきりでやってあげてるかもしれないけど、大人になってから不満を言われる可能性もあるよ』

『子どもが就職したころに振り返って、自分の育児はなんの落ち度もなく完璧だった、子どもからもなんの不満もなく感謝されてるなら本当に投稿者さんの思う通りなんだろうけどね。答えが出るのはまだまだ先だよ』

投稿者さんは子ども時代を振り返って親への不満を抱いていますが、投稿者さんのお子さんが大人になったときにも同じような状況になるかもしれないと忠告するママも。確かに時代とともに考え方は変化していきますし、現代で「良し」とされていることが、少し先の未来では否定されてしまう可能性もなきにしもあらずではないでしょうか。もちろん、大人になったお子さんが「お母さんの育て方がよかった、感謝してる」と言ってくれる未来であれば、言うことはありません。未来のことなど誰にもわかりませんし、今は自分が正しいと思う子育てを実践していくことが大切なのでしょう。

親の立場になり、気づくこと

大人になったからこそ、親への理解を深めたママもいるようです。

『大人になり親になると、あのとき親はそれが精一杯だったんだなって理解する』

自分が親の立場になり、毎日の育児に追われるなかで「きっと親も精一杯だったんだろうな」と思うようになったというママ。親になったからこそ、親の苦労がわかってくるのでしょうね。

『私も、ああしてほしかった、こうしてほしかったって思いもあって、わが子にはそんな思いさせないようにしてきた。だけど私の母はもう長くない状態です。昔のそんな思いも今は全てありがとうに変わってる』

親への不満があったからこそ、わが子にしっかりと寄り添ってきたというママ。ときが流れて年老いてしまった母親を前に、今では全てが感謝に変わったのだそう。母親を優しく見送ってあげたいというママの思いが伝わってくるようですね。

人は多かれ少なかれ「親にこうしてほしかった」と不満を抱いてしまうものなのかもしれません。しかし今と昔では教育やしつけの考え方も変化しています。子育てには正解がないからこそ、比較して落ち込んだり悩んだりすることもあるでしょう。わが子が大人になったときに「ありがとう」と言ってもらえるような、親子関係を築いていけると良いですね。

文・みやび 編集・荻野実紀子 イラスト・マメ美

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