まんが「産後うつの可能性?」不妊治療と流産を乗り越え出産。病室に常にひとが来て忙しい。なんで!?
結婚10年目。長い不妊治療と幾度かの流産を乗り越え、待望の赤ちゃんを授かりました。「これで最後にしよう」 諦めかけたところに起きた奇跡でした。
出産は、不妊治療でお世話になった医師の指示で、総合病院でお世話になることに。本来は大部屋での入院なのですが、産後気をつかわなくて良いように個室にしていただきました。そして、赤ちゃんを出産。産後の入院中は家族や友人がたくさん面会に来てくれたのですが――。
「個室だからのんびりできる」と思っていたのに、お見舞い時間以外もとにかく誰かが部屋にくるのです。助産師さんだけじゃなく、配膳、掃除やゴミ交換をする病院関係者の方々……「何かお困りじゃないですか?」「赤ちゃん抱っこさせてもらってもいいですか?」と話しかけてくれる研修中の学生さんとその指導担当の助産師さん。
「ちょっとはゆっくり寝かせてもらいたいな〜」「なんでこんなにひっきりなしに人が入ってくるんだろう?」と疑問に思いつつも、数日を赤ちゃんと過ごし、無事に退院しました。
そして2年後、2度目の奇跡が。なんと2人目を妊娠! また前と同じ病院にお世話になることになりました。そこでの健診中に私は「驚きの事実」を知ることになったのです……!
少し思い当たることがありました。
お見舞いの時間が終わって病室に赤ちゃんとふたりきりになると、ずどんと気分が落ちこんで、「あれ? なんか変かも……」と感じたことがあったのです。自分ではそれが何か全くわかりませんでした。
面会時間が終わって30分くらいは毎日泣いていて、それなのに人目から隠れて涙を見せないようにするなど。無意識で自分は大丈夫なフリをしていました。
先生は、不妊治療や大変なお産を乗り越えたばかりの私が精神的に不安定になっているのではないかと目を離せなかったのだそうです。
自分ですら何なのか気づいていなかった心の異変。SOSを出していたわけではなかったのに、病院関係者の方はいち早く気づき、私には何も言わずそっと見守ってくださっていたのですね。
私の部屋に来てくれた方々はみんな自然と寄り添ってくれて温かくて……私は心配をされていただなんて、少しも感じませんでした。あのときのみなさんの優しさがなかったら、私はどんな産後を過ごすことになっていたのでしょうか。今ではその経験を「素敵な思い出話」として子どもたちに話せるほど、家族4人で穏やかに過ごせています。
病院でお世話になった方々には今でも感謝の気持ちでいっぱいです――。
文、イラスト・加藤みちか 編集・秋澄乃
※この漫画は一個人の体験談を元にしています。この漫画を読んでもし心当たりがある方は、自己判断せず、必ず医師に相談してください。