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【日能研・小嶋隆さん第1回目】休校中遅れた学習は取り戻せる?これからの子どもたちに必要なことは?

休校中遅れた学習は取り戻せる
コロナによる臨時休校が5月半ばから徐々に解除され、6月1日には都内でも学校が再開となりました。しかし自治体や公立・私立、家庭の状況によって、子どもたちの学習に大幅な差が出ています。子どもの学習への影響について、日能研関東代表の小嶋隆さんと、子どもの塾選びをサポートするサイト「塾シル」代表の古岡秀士さんの対談をもとに、アフターコロナの子どもの学びについて考えます。
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友達に会えなかった子どもたち。終息後はコミュニケーションを大切にしたい

古岡秀士さん(以下、古岡):新型コロナウイルスの影響により、休校の期間が続いておりました。小嶋さんは今の子どもたちの状況をどのように感じていますか?

小嶋隆さん(以下、小嶋):公立や私立、家庭の状況などで差ができていると感じました。
特にかわいそうなのは新1年生など、学校が切り替わる時期の子どもたちですね。もうすでに小学校や中学校に通って慣れている子どもたちは、学校のことも先生のこともよくわかっています。それに対して小学1年生、中学1年生など、学校生活が大きく変わる子どもたちにとっては学校というものがどんなところかそもそもわからない分、不安も大きかったと思います。
これまでの学習の基盤がない中で、ただ出された課題をやるというのは大人が思う以上に難しいのです。

古岡:休校の期間、何をすればよかったのでしょうか?
小嶋:コロナが流行っている時期だからこそ何をしなければいけないのかを考えることです。各学校や塾などから動画を配信していましたが、それをどう活用したらいいのかを各家庭で話し合うことが大切なのではないでしょうか。

子どもたちに関しては、学校で授業を受けることよりも友達に会いたい、コミュニケーションを取りたいという気持ちのほうがとても大きいという気がします。家にいればゲームもテレビもあるけれど友達同士で遊んだりコミュニティーを作ったりすることがこの時期はとても重要です。大人だって人と接しなかったら寂しく感じますから子どもだったらなおさらです。学校再開後は、友達と遊ぶ時間をしっかりととってあげることが大切です。

受験を控えた子どもたち。学習の遅れによる入学試験への影響は?

古岡:子どもの学習環境の有無が人によって異なります。学習の遅れや将来への影響はないのでしょうか?

小嶋:中学受験など、入試問題をどうするかを、いま学校は検討しているようです。通常の学校のカリキュラムであれば、数年の中の2〜3ヶ月の話なので、学習自体を取り戻せます。しかし受験の場合は違います。1年・数ヶ月など限られた時間で、挽回していかなければなりません。

さらに気をつけなければいけないのが、ある程度成績が安定している子どもたちは学校の休校関係なく自ら学習を続けられる子なので、あまり影響はないのですが、今気にかけてあげなければいけないのはそうでない子どもたちで、学習の中身を考えていくことが必要だと感じています。

入試の出題範囲縮小を検討する県も。学校や家庭との連携が必須

古岡:塾に通っていない子どもたちも含め、家庭や学校でフォローすることはできますか?

小嶋:今年は夏休みを大幅に短縮するところがほとんどです。中学受験をする子どもたちにとって夏休みは大きな山場。夏期講習を受けられない子どもたちには何か対策をしていかなければいけないと思っています。
例えば都立高校の入試では、出題範囲を狭めることが決定しました。中学受験に関しても、これから先、何らかの対処がされていくのかもしれませんね。

学校では、これまで以上に宿題やテストの復習などを生徒にしっかりさせてもらいたい。わからないところは個別に教えるなどの対応を期待したいです。また各家庭においても学校と連携してやっていくことが求められます。

オンラインを活用しつつ、小学校低学年は学校や家庭での対面的な学習が必要

古岡:今回のコロナ騒動を踏まえ、今後、学校や家庭でどのような学習が必要だと考えますか?

小嶋:これから学校などでもオンライン授業が導入されるかもしれませんが、そこで注意したいのは年齢によってフォローが必要だということです。小学校低学年においては、画面上でのやりとりで学習を完結させるのは難しいと思います。部分的にオンラインやデジタル教材を使うことがあるとしても、基本的には対面で学ぶことが必要だと考えています。

人間形成の過程にある子どもたちにとっては、友達や先生とコミュニケーションをとりながら学習することが大切です。そのため家庭でも、ただプリントをやらせるのではなく、親子でしっかりと話をしながら学習を進めていくことが求められます。

取材、文・長瀬由利子 編集・北川麻耶 イラスト・めい

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