学校の臨時休業中、学校から渡されたプリント類が少ない!ほかにどんな勉強をしたらいいの?
学校の臨時休業中、学校からプリントや宿題を出された家庭は多いと思います。しかし、学校やクラスによって宿題の量が少なかったらちょっと心配になるという声も。そこで、ママスタセレクト編集部では、文部科学省 初等中等教育局 教育課程企画室長 板倉寛さんに直接質問をして詳しくお話を伺ってみました。
学習面の心配よりもまずは生活習慣を正すことが大事。そのワケは?
――学校の臨時休業により学校に行っていない状態が2カ月近く続いています。子どもたちの学習面が心配ですが、今気をつけるべきことはありますか?
学校からも言われているかと思いますが、一番大事なことは規則正しい生活習慣をつけることです。というのも、学校が長期間休みということで、どうしても子どもの生活習慣は乱れがちになります。毎日学校に登校していたときは、夜早く眠らないと朝起きられないから時間通りに寝ていた子も、翌朝学校がないとつい夜更かししてしまうこともあるかと思います。そういった日が続くと、どうしても生活習慣全体が乱れてきて、学校が再開したときに生活が立て直しにくくなります。
学校が再開したら、朝8時過ぎに登校して8時半あたりから授業がスタートします。そのため、学校があるときと同じ時間に起きて、午前中は学校から渡されたプリントなどの宿題を行い、12時過ぎに昼食を食べて、午後はそれぞれの家庭で決めた活動があればそれを行い、夜も学校があるときと同じ時間に寝る。学校があるときと同じ生活習慣を続けることで、学校がスタートしたあと、スムーズに授業などに取り組みやすくなります。
逆に、生活習慣が乱れたまま新学期がスタートしてしまうと、朝眠かったり、授業に集中できなかったりします。そのため、学校の臨時休業中であっても、「早寝早起き朝ごはん」という基本的な生活習慣を大切にしてほしいと思います。
配布されるプリント類や宿題は学校によってまちまち。うちの子大丈夫?
――学校で教科書とプリントをもらいました。でも、枚数が少なくてすぐに終わってしまいました。学校によって出される宿題の量がまちまちのようです。
学校によって配られるプリントや宿題の量は異なると思います。そこは学校側の考えもあるので、まずは渡されたプリント類はしっかりとやることが大切です。というのもプリント類は、学校が使用している教科書に即したものを渡していることが多いと思います。学校で直接授業ができない分、家庭学習として子どもたちに課することで、授業の補習にもなっているのです。
教育委員会からおすすめ動画コンテンツが配信されています。見た方がいい?
――区内の教育委員会から、おすすめの動画コンテンツが配信されるとの連絡がありました。そちらも活用したほうがいいですか?
お住まいの地域の教育委員会から動画コンテンツが配信されるのであれば、学校で課された宿題と同様に、活用していただいたほうがいいと思います。
そのうえで、保護者の方が宿題の量が少ないと感じるのであれば、学校で配布されたドリルを使ったり、ご家庭でインターネットが使えるような環境でしたら、オンラインで配信されている学習コンテンツを使ったりするのも有効です。
文部科学省のホームページで配信。「子供の学び応援サイト」とは?
文部科学省では「子供の学び応援サイト~臨時休業期間における学習支援コンテンツポータルサイト~」で、さまざまな学習コンテンツを紹介しています。通常は有料のサイトも、子どもたちの学びをサポートするためにということで、期間限定で無料配信しているところもあります。
たとえば、サイト内にある「自由に学ぶ」というカテゴリーの1つである「子供の学び応援コンテンツリンク集」ではマスクの作り方を、「動画で学びたい!」では「おうちで学ぼう!NHK for School」や、日本に在住する外国人の子どもたちの学習をサポートする多言語に対応した動画サイトを紹介しています。
また「学校の教科等を学ぶ」カテゴリーでは、小学校、中学校、高等学校、特別支援教育、幼児教育などにわかれて、それぞれおススメのサイトを紹介しています。たとえば、小学校では、「小学校における学習支援コンテンツ」として、国語や算数、理科、社会などの教科のほかに、体育や外国語・外国語活動についても学べます。普段、文科省のホームページを見る機会は少ないかもしれませんが、子どもたちの学習支援を行うためにも活用していただければと思います。LINEからもアクセスが可能になっています。
幼児番組から高校生まで対応。NHKとも協力して教育コンテンツを配信
――NHKのサイトも紹介しているんですね!
NHKのEテレでは午前中に小学校向けの番組をいろいろ放送しています。そういったコンテンツをまとめた「NHK for School」を活用するのも1つの手だろうと思います。「おうちで学ぼう!NHK for School」にある「先生がえらんだプレイリスト」では、全国の先生たちが選んだ番組や動画クリップを「新小1」「新小2」など、学年や学校の種類ごとに紹介しています。我が家も今年小学1年生になる子どもがいるので、活用しています。
また、「動画で学びたい!」にある「NHK for School」の下にある「自分が勉強したい教科等をNHKの動画から探すとき」では、幼児から高校生まで、おすすめの動画が一覧で見られるようになっています。このような動画サイトから興味のあるものを探してみるのも楽しいと思いますよ。
普段、文部科学省ではNHKのサイトを紹介することはあまりないのですが、今回子どもたちの学びをみんなでサポートしたいという思いから、テレビ局の方にもかなりご協力いただき、特別番組を放送していただいています。
「生活習慣」を身に着けたうえで、各家庭で相談して学習コンテンツを有効活用
学校の臨時休業中に大切なことをまとめると、まずは、規則正しい生活を身に着けること。次に、先ほどおつたえしたように、学校から配布されたプリント類等の課題を使って学習していただくことが大切です。そのうえで、余裕があれば学校や教育委員会から推薦された動画や、今回紹介した文部科学省のホームページにあるNHKのコンテンツなどを活用していただければと思います。まずはきちんと生活習慣を整え、そのうえで毎日どんな学習をするかご家庭で話し合って決めてみてください。
【編集部コメント】
ママスタ編集部のママたちの間で、学校ごとに出されている宿題の量が違うという話から、文部科学省の板倉さんに直接お話を伺ってみました。普段、ママたちが文部科学省のホームページを見ることは少ないかもしれませんが、これを機に覗いてみるといいかもしれませんね。文部科学省のホームページに掲載されている学習コンテンツは随時更新されていくそうです。