つらい不妊治療の末に授かったわが子なのに……イライラしてしまう現実に悩むママ
「子どもを授かる」ということが、決して簡単ではないことを知っているママたちは、たくさんいるでしょう。今回、ママスタコミュニティに寄せられた投稿も、長い間不妊治療を頑張ってきたママからでした。
現在1歳8ヶ月の女の子を育てる投稿者のママは、毎日イライラしてしまう自分に嫌悪感を感じてしまうのだそう。それくらいの月齢の子どもを育てるママなら、誰しもがぶつかる壁ではありますが、投稿者のママは長くて辛い不妊治療の末にようやく我が子を授かりました。願い続けた「夢」の先に待っていた、ただ大変なだけの「現実」に押しつぶされそうになる投稿者のママの背中には、不妊治療という言葉が重くのしかかります。
『あんなに辛い治療を乗り越えてやっと産まれてきてくれた娘。可愛くて愛しくて仕方がないのにイライラしてしまう』
……でも、これって「不妊治療」は関係ある? ママたちから寄せられるエールで、どうか投稿者のママの肩の荷が下りますように。
長くて辛かった「不妊治療」。あんなに待ち望んでいたはずのわが子なのに……
なぜ、投稿者のママは「不妊治療」をしたら「イライラ」してはいけない……と思ってしまったのでしょうか?
不妊治療の大変さは、簡単な言葉で言い表せるものではありません。特定される「原因」が分かっている人もいれば、とくに大きな「原因」もなく、ただご縁に巡り合えないだけの人もいます。年齢や体質、相性……「不妊」という大きく括られた言葉を背負うことで、何となく自分が女性として欠陥がある気がしてしまう人もいるかもしれません。
不妊治療は、年齢や状況によってステップアップのスピードが異なってきますが、進めば進むほどお金も時間も労力もかかります。そして毎月やってくる「結果」に落ち込み、周りの妊婦さんや子連れの人を羨ましく思いながら、出口の見えないトンネルをひたすら歩きます。それでも「この手で我が子を抱きたい」というその一心で、頑張り続ける……そんな女性がたくさんいるのです。
苦しくて辛い不妊治療を経て、ようやく愛おしい命を授かることができた投稿者のママ。子どもに会えるまでの時間が長かった分、誰よりも「子どもとの時間」を夢見て、素敵なママになる自分を想像していたことでしょう。「絶対に良いママになる!」と、強く心に誓ったはずなのに……。まさか、こんなに投げ出したくなるほどにイライラしてばかりの毎日を過ごすことになるとは……。時間や労力を費やした分いつのまにかママとしての「理想」が高くなってしまい、「現実」とのギャップに幻滅してしまったのですね。
「不妊治療」の末に授かった子にはイライラしないの? いえいえ、無意識に「不妊治療」という言葉が、自分の「母親」としてのハードルをあげてしまってるだけかもしれませんよ?
「子どもと向き合う」ことと、「子どもの授かり方」は関係ない!
投稿者のママからの投稿に、ママスタコミュニティからママたちの温かいエールが集まります。
『不妊だろうが自然だろうが育児ってイライラするよ。1歳8ヶ月はまだまだイタズラするから。うちも不妊治療でできたけど毎日怒っているよ。望んで作った子どもだから怒らないなんてないよ』
『不妊治療を経て妊娠・出産し、11ヶ月の子供がいる。1歳8ヶ月の子と比べるとまだイライラはマシだとは思うけど、やっぱりイライラするよ。不妊で辛かったことを忘れるぐらい、毎日忙しくなるんだから、普通だと思っている。だって、長い年月をかけてやっと結婚できた人が配偶者にイライラしないこととかないでしょ? やっとの思いで就職できたのに、もう辞めたいと思うことだってある。不妊だったとか関係ないよ』
『不妊治療は不妊治療、子育ては子育てと別に考えないとお母さんが辛くなるよ。不妊治療したからこれくらい我慢とか、イライラしちゃダメとか、そういう小さな積み重ねが誰かを頼ることもできなくなって、子ども対お母さんになっちゃうんだよ』
同じく不妊治療の末に授かったというママたちから、「そんなの関係ない」という力強い言葉が伝わってきます。
まだ言葉での意思疎通がしっかりとできないけれど、自我が芽生えはじめる月齢は、ママ自身も子どもへの対応にもどかしさを感じることでしょう。けれど、それは「みんな同じ」なのです。投稿者のママが不妊治療をしていなくても、きっと同じことを想っていたのではないでしょうか?
『私は不妊治療してないから主と同じ立場ではないけど、子どもに病気があって生まれてすぐ大きな手術をした。手術しなかったら今は確実になかった命、生きててくれて本当にありがとうって思うし愛しくて仕方ないけど、それでも日々の子育てではイライラしたし、イライラする自分を責めて自己嫌悪だったよ。親も子も人間なんだもん。みんな一緒だから、不妊治療を理由に自分を責めないでね』
自然に授かろうが、不妊治療で授かろうが、子どもと向き合うママは「みんな一緒」です。授かり方で遠回りをしたからといって、子どもにイライラしないなんていうことはないし、イライラしてはいけないなんてこともありません。むしろ「イライラ」することが「当たり前」で、それだけ一生懸命子どもに接しているママである証拠です。
そして投稿者のママは……?
『一回り以上年の離れた弟と妹がいたから育児の大変さはわりと分かっていたつもりだったんだけど、姉として手伝うのと母親として育てるのは当たり前だけど全く違って、一人目育児の神経質さも加わって、こんなはずでは……との思いもありました。望みに望んで治療したわが子、本当に可愛い。この子がいなければ今の幸せもイライラも経験することがなかったんだよね。それを常に忘れずにいたいと思う。子どもが起きたら笑顔でたくさん抱き締めてあげたいと思います』
あの辛くて長い不妊治療の日々がなければ、子どもにイライラすることもなかったでしょう。でもこの「イライラ」さえも「幸せ」、そう感じられる今日に感謝して、また日々の子育てを頑張っていくと前を向いてくれた投稿者のママ。
子どもはみんな宝物です。そして、子どもにとってママも世界でたった一人の宝物です。どんなにイライラして怒鳴ってしまっても、子どもの笑顔ひとつで報われた気持ちになってしまうこの時を、大切にしていきたいですね。
文・渡辺多絵 編集・しのむ イラスト・もっちもちふっわふわ
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