イースターってそもそもなに? #今さら聞けない基礎の基礎
つい最近までそれほどにぎわっていなかったのに、急に盛り上がりだしたイベントといえば、ハロウィンとイースターですね。特にイースターは、東京ディズニーランドやUSJといったテーマパークでイベントが開催されたり、コンビニ、お菓子メーカーもイースターをモチーフにした商品を開発したりと、商魂たくましく発展しつつあります。
しかしそもそもイースターとはどんな日なのでしょうか?
海外ではクリスマスよりも大切な日なんですよ。
そもそもイースターとは
イースター(復活祭)とは、十字架にかけられて死んだイエス・キリストが三日目に死者から復活したことを記念する祭です。
遠い昔、イエス・キリストは自らを神の子と呼び人々を導いていました。それが他の宗教の指導者たちの怒りを買い、紆余曲折を経て、イエスは十字架に貼りつけにされ死んでしまいます。イエスが墓に葬られた、そのおよそ三日後、イエスは復活するのです。これを祝うのが、イースターです。
イースターでは、多くの教会で特別な礼拝を行います。
救い主であるイエスが“奇跡を起こした”という宗教上大きな意味を持つ日であるため、イースターはキリスト教において最も大切な行事となっています。
ちなみにイースター(Easter)という名前の由来は不明で、キリスト教ではない他の伝説に登場する女神の名前にあやかったものという説もあります。
イースターは「西方教会」「東方教会」で日付が異なる
クリスマスと違い、イースターの日付は毎年変わります。イースターの日付は「春分の日の後の最初の満月から数えて最初の日曜日」と定められているのみ。さらに西方教会(ローマ・カトリック、プロテスタント、聖公会など)はグレゴリオ暦、東方教会(正教会など)はユリウス暦で計算しているために、日付が異なります。
2018年のイースターは、西方教会は4月1日、東方教会は4月8日です。
よく見かける、あの卵とうさぎは何?
礼拝のほかにも、地域によってイースターにまつわる風習があります。日本のイースターで装飾や食べ物でよく見かけるのが、卵とうさぎです。どんな意味があるのでしょうか?
イースター・エッグ
イースター・エッグとは色が塗られたり装飾を施されたりした、ゆで卵です。卵は生命の始まりを象徴しています。
日本ではポップなデザインが多いですが、海外ではキリストが十字架上で流した血の色と生命を表す「赤」一色に染められたり、細かい文様が施されたりと、国や地域によって多彩です。
野外や部屋の中に隠されたイースター・エッグを子どもたちが探す「エッグハント」、殻を壊さないように転がして競争する「エッグロール」というお楽しみイベントもあります。
イースター・バニー
イースター・バニーは、イースター・エッグを運んでくる役割を持ったうさぎで、西方教会のみの存在です。うさぎは多産であることから、子孫繁栄や豊穣の象徴となっているのです。
その他、イースターならではの風習
イースター・パレード
イースターを祝ってパレードをする地域もあります。たとえばアメリカ・ニューヨークのイースターパレードは、100年以上も続いている伝統行事です。参加者たちは、卵やうさぎ、風船や花などを思い思いに飾った、“ボンネット”と呼ばれる帽子をかぶり、華やかな装いでパレードを盛り上げます。
イースターのごちそうは地域によっていろいろ
イースターで食べられるごちそうは、半分に切ったゆで卵に詰め物をする「デビルド・エッグ」や、厚切りのハム、子羊の肉、復活祭用のパンなどなど。ドイツではウサギの形に成形された「オスターハーゼ」というパンがあります。スイーツも、卵やバターをふんだんに使ったケーキや、プディングなど、これまた国や地域によって多彩です。
以上、イースターについての基本を簡単にご紹介しました。日本では、イースターは宗教色が大いに薄められてイベントが行われています。クリスマスやハロウィンのように、イースターが日本に定着する日は来るのでしょうか。