やけどだけじゃなく失明の危険性も!?花火の年齢別の注意点とは?【朝ごふんコラム】
夏の夜のお楽しみといえば、花火がありますよね。同時に7月から8月にかけて花火による被害が集中しています。ケガの内容もやけどだけではなく、失明など重症なケースも報告されています。花火で遊ぶ際の注意点と、やけどをしてしまったときの対処法などを、小児科医で「子どもを事故から守るプロジェクト」代表の出口貴美子先生にお伺いしました。
毎年夏になると花火大会があったり、家庭で楽しんだりと、花火の登場回数が増えますね。国民生活センターにも花火による事故報告が多数寄せられています。
『手持ち花火をしていたところ、暴発し近くにいた子どもが首、手、足に火傷を負った(4歳)』
『ロケット花火を地面に刺し込み打ち上げて遊んでいたところ、ロケットの頭部だけが飛んで 子どもの目に衝突、救急車で搬送されたが失明の可能性があると言われた。後から見てみる と、花火の軸になる竹ひごの太さは半分程度しかなく、折れかかっていたようである(2歳)』
『花火をしていたところ破裂し、子どもが顔にやけどした。発売元は同種品を調査したが同様現 象は見られなかった、配送中に空気が入ったと思われる、と言っている(4歳)』
花火はとてもきれいで、子どももママも思わず見とれてしまいますよね。ただ、花火は火薬を使っているので、娯楽と危険性が混在しています。アメリカにおいては花火を規制している州や年齢制限もあるほど、危険が伴うのです。
さらに、被害者の59.4%が10歳未満の子どもという点も見逃せません。これは、子どもが花火の危険性を十分認識できていないからこそ起きた事故ともいえます。花火をするときは、必ず大人が付き添い、手持ち花火を振り回す、打ち上げ花火をのぞき込むなどの危険な行動を絶対にさせないよう、注意してください。
着火にはマッチやライターではなく、ろうそくを使用
花火をする上で気をつけてほしいのが、点火の仕方。パッケージ本体には「点火にマッチやライターを使わず、ローソクを用いるように」と書いてありますが、これが守られていなかったために事故につながったと思われる事例もあります。花火をやる前は必ずパッケージの注意事項をよく読むようにして、そのあとに実施してください。
子どもの年齢によって気をつけるべきこと
小さな子の場合、花火を持つこと自体慣れていないため、必ず親が一緒に持ってあげましょう。また、普段見慣れない花火に興味を持ち、遊んでいる人の近くに走って行ってしまうことがあります。花火を見せるときは、少し離れた場所から大人と一緒に手をつないでみせてあげてあげましょう。
逆に、小学生など慣れている子どもの場合は、振り回して遊んでしまうことがあります。始める前に必ず「走らない」「人がいるところに花火は向けない」「ふざけない」ということを約束することが大切です。
兄弟がいる場合は、身長差から上の子の花火が下の子にかかってしまうことがあります。花火をやるときは、必ず全員低い位置でやるよう心掛けてください。
サンダルや浴衣での花火はやけどの危険アリ
花火をするとき、浴衣やサンダル履きで行うのは大変危険です。浴衣を着ていると帯や裾などに火花が飛んで燃え移ってしまう可能性があります。また、サンダルを履いていると、線香花火や火花が足元に落ちやすいため、やけど対策としてスニーカーなど足を覆う靴を履きましょう。
やけどしてしまった場合は、流水で冷やして病院を受診
もしも、花火が原因でやけどなどの事故に遭ってしまった場合は、すぐに冷水で冷やしてください。その後、病院を受診しましょう。「このくらいのケガなら病院に行かなくても大丈夫」と思うかもしれませんが、病院で適切な処置を受けることで、やけどによる水ぶくれを防げるかもしれません。もしも水ぶくれができてしまったら、つぶさずそのままにしておきましょう。
事故品や同型品が残っていたら廃棄せず業者に申し出る
万が一、事故にあった場合は、原因になった花火や、同じ型の花火を捨てずにとっておくことが大切です。事業者に申し出ることで賠償の対象になったり、同じ型の商品の改良につながることがあります。また、花火によってはSFマーク(社団法人日本煙火協会が行う検査に合格したもの)がついているものもあります。このマークがついている花火は、花火自体の欠陥で消費者に損害を与えた場合、賠償されることがありますので、こちらも事故が遭った場合は、捨てずに保存しておきましょう。
花火を行うときは、使用方法や注意点を守って安全に遊んでください。
「毎朝みんなでゴハンを食べながら、たった5分でも家族のコミュニケーションをとって欲しい」という想いからはじまった『朝ごふん』プロジェクト。
このコラムは、忙しい朝でも親子で話せる子どもの安心・安全情報について紹介しています。
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