笑って泣ける魔王たちの「育児あるある」!? 密かに人気な異色の育児ギャグ漫画『育てち魔おう!』
漫画を読むのが好きな筆者ですが、妊娠・出産を機に、セレクトする漫画が随分変わりました。
以前は恋愛系の漫画を好んで読んでいたのに、今では子育て系、医療系のものを読むことが増えました。
自分が置かれている立場と似た状況が描かれているものを選び、共感したり、笑ったり、泣いたり、時には救われたり……。
育児に追われる日々の中で、漫画を読むことはリフレッシュ方法のひとつになっているのだと思います。
そして今、筆者がもっともハマっている漫画は、『育てち魔おう!』(講談社)。
この漫画、これまでハマってきた育児系漫画とは少し系統が違います。
育児をしているのは、なんと「魔王」なんです。
『育てち魔おう!』のあらすじ
「魔界を総べる残虐な3人の魔王のもとに、ある日あらわれた人間の3歳児マリス。処刑する? 奴隷にする? それとも……育てる!? 魔界中を巻き込んだ、男3人のトンデモ子育てが今始まる! 日本中の育メンに贈る、共感必至の爆笑子育てギャグ! 誰だってパパになれる!」
描かれているのは魔界での魔王たちと人間の子ども、3歳のマリスとの生活。
その中で起こることに癒されたり、クスッと笑ったり、時には涙したり……。
マリスを処刑しようとしていたはずの大魔王、デス・マスクが、マリスと接する中でどんどんそのかわいさの虜になっていく様は、本当に微笑ましいのです。
「なんで子供ってすぐ寝るの!!? ってか寝汗すごっ」「なんで子供の手ってベタベタしてるんだろ」「(食あたりで汚れたパンツは)袋を2重にして捨てろー!!」……およそ魔王には似合わない「育児あるある」っぷりが、意外としっくりくるのも魅力です。
筆者にも、3歳になったばかりの娘がいますが、マリスのようにかわいいときもあれば、悪魔の3歳児になるときもあり……。育児をしていると、どうしてもイライラしてしまう日、怒ってしまう日があり、「今日も怒ってしまった……」、反省しながら娘の寝顔を見つめる夜を過ごすことも。
そんな日にこの漫画を読むと、「子どもって、本当にかわいいな。明日、笑顔で抱きしめてあげよう」という気持ちになって、怒ってばかりの自分をクールダウンさせてもらえるのです。
ここで、作者の飯島浩介さんが第1巻のあとがきに書いた文章をご紹介します。
「子育てをテーマにしたこの物語は、色々訳あって甥っ子の面倒をよく見るようになった私の体験が元になっています。
ある日からホント色々あって実家に姉とその子供が来まして、私は実家の近くに仕事場があったのでちょくちょく甥っ子の面倒(たいしたことはしていないですけど)を見るようになりました。
正直子供というものにまったく興味がなく、それこそ知らない赤子に手を振られても無視していた自分は、まさにデス・マスクだったわけでして。
ところがですよ、甥っ子と接するうちにいつしか可愛いと思えている自分がいたんですよね……驚きました。ハイ。
作中のデス・マスクが、仕事中に帰りたくなるという心境など、完全に私自身です(笑)。日本では少子化が進んでいます。私は声を大にして言いたいです。
子供っていいですよ。素敵ですよ。素晴らしいですよ。
もしこの作品を読んで子供に、そして子育てに興味を持っていただけたらとても幸せなことと思います。2015年5月 未婚の作者より」
(『育てち魔おう!』第1巻あとがきより)
そうなんです。この漫画を描いている飯島さんは独身。パパではないんです。
育児漫画を描くのはパパかママというイメージがありますが、飯島さんは、かわいい甥っ子の面倒を見て、この作品を生み出したそうです。
『育てち魔おう!』から強く感じられる、「子どもってかわいいよね!」というメッセージ。
実際に育児をしていると、なかなか感じる余裕がなくなってしまいがちな「子どものかわいさ」は、もしかしたら“叔父さん”という育児から少し離れた立場にいるからこそ、描けるものなのかもしれません。
とにかく、マリスがかわいいのです。3人の魔王たちのメロメロ具合が微笑ましいのです。
「育児あるある」もたっぷり詰まっていて、共感、感動、癒しのすべてをひとつの作品から得ることができます。
『育てち魔おう!』ファンの声
「最近読み始めてハマった。まだ1巻しか読めてないから、早く続き読みたい! けっこうあるあるがあって面白い」
「魔王とマリスの間に起こるあるあるに共感できて面白い! 」
「私も大好きです!みんな魔界に住む魔王だったり悪魔だったりするのに悪い人がいないよね。すごくほほえましい。あと、デスマスクにぃにって呼び方が凄く好き(笑)」
「だんだんパパっぽくなっていくところがなんとも(笑)。確かに絵は独特だけれど、引き込まれちゃいました」
すでに多くのファンがいる『育てち魔おう!』は、現在4巻まで発売されています。
電子書籍でも読むことができるので、魔王たちとマリスの生活に、ぜひ癒されてみてください!