くわばたりえ:第2回 “めっちゃ手抜きの日”を作ると、めっちゃ笑顔で子どもと遊べます!
3児の母として日々奮闘するくわばたさん。第2回目となる今回は、仕事と育児を両立するくわばたさんが、笑顔で育児をするために実践する「めっちゃ手抜きの日」についてのお話を伺っていきます。「ママが頑張ることだけが、子どもの笑顔を作るわけではない」ということに気付かせてくれる回です。
第一回では「心の余裕を持つことが大事」とお話されていましたが、育児中のイライラといえば、ママにとっては避けては通れない道ですよね。くわばたさんはどんなときにイライラを感じることがありますか?
ママがイライラするときって、案外子どもだけが原因ではないケースが多いような気がします。子どもに半分、自分に半分とかね。その前後の出来事や、ママの中にもいろいろ事情があったりもするだろうし。
たとえば、「あと5分で家を出なあかん!」とか、時間に縛られている意識で行動してるときとか、一日中、あれとこれと……と用事が山積みのときなんかはイライラしてしまうでしょ? 結局、子どもというよりも自分のこと、自分のまわりのことがイライラの原因になっていることが多いですよね。
確かにそれはありますね。疲れがたまっていたりすると、いつもは気にならないことでイライラしたりすることがあります。
そうでしょ。だから私は、2週間に1回くらい、「めっちゃ手抜きの日」というのを作ってるんです。これはブログのコメント欄にもらった先輩ママからの教えなんですけど、「とにかく米だけ炊いておけばなんとかなる」という日を作るの。
ほんまに米だけ炊いておけば、おかずはお惣菜を買ってきてもいいし、ふりかけをかけてもいいし、レトルトのカレーでもいいし、おにぎりを作ると子どもも喜んでくれるし(笑)。
うちは、何か手抜きをしよう!と思ったときは、ごはんの手抜きが一番多いかな。だって、献立を考えなくていいのが楽だし、ごはんを作る時間だって、子どもが寄ってくるのを阻止しながら作業したりで結構大変じゃないですか。その時間がないだけでもかなり楽ができる。
それはすごくいいアイデアですね! その日はどんな風に過ごすんですか?
たとえば、私が土日休みで、夫が仕事だったら、金曜の夜に洗濯も掃除も全部済ませておいて、土曜は朝にパンとバナナ、ヨーグルト。お昼は外食、夜はレトルトカレーというとんでもない一日を過ごす(笑)。
でもな、ごはん作ること考えなくてよくて、洗い物はほぼなし、洗濯、掃除は終わってる。そうするとな、めっちゃ笑顔で子どもと遊べんねん。だから、その日は好き。自分も好き、すっごく楽しみ。うちは夫が忙しくて休みの日に家にいないことも多いけど、「明日、休み。旦那もおらへん。朝から一日子どもたちと過ごすんか……」という気持ちにならなくなったの。
「手抜き」ってどんなときでも大事ですよね。でも、手抜きをすることに後ろめたさを感じてしまうというママはどうしたら良いですか?
私は、「手抜き」という言葉を使うけど、手抜きだと思ったら、「手を抜いてるダメなママ」と感じちゃうから、「息抜き」してるんだと思ってください。「毎日、たくさん頑張ってるんだから、今日くらいは息抜きでお惣菜買いましょう。レトルトカレーにしましょう♪」ってね。
「手抜き」と思うと罪悪感を案じるかもしれないけど、「息抜き」だと思ったら自分のためのちょっとしたリフレッシュになるし、負担が軽減されることで余裕が持てる。後ろめたさなんて感じる必要ないねん。いいことがたくさんあるんやから。「考えようでなんとでもなるんですよ」って、これもブログのコメントでいただいた言葉なんですけど。
なるほど。ママの息抜きは、家族みんなで楽しい気持ちになれるんですね
そうなんです。たまに、ごはんにカップラーメンとコンビニのおにぎりを出すと、子どもたちが「いぇーい!」って踊ってるときとかあるもん。「なんやねん! 毎日これにしたろか」と思うくらい喜んだりしてね(笑)。
子どもの方も、たまに出るそういうごはんが楽しかったりするから、そこに罪悪感を持つ必要はないんです。「ママが作ったラーメン美味しい」とか言われてね(笑)。「お湯入れただけや!いつものご飯の時に言ってよ」と思うわ。子どもも喜ぶ、ママも手抜きができる。こういう時間を持つのは大切ですよ。
「楽しく過ごす」って大事ですよね。育児をしていると、どうしても「また今日もたくさん怒ってしまった」という気持ちで、子どもの寝顔を見ながら反省してしまう日があります
私、思うねんけど、ママってどうしても悪いところばかりに目がいってしまうよね。
「あー、今日も怒ってしまった」とか、「イライラしてしまった」とか。
でも、実は子どもが声を出して笑ってるときって、一日のなかでたくさんあって、そっちをもっと見てもいいのよね。「今日、この子めっちゃ笑ってたな」って。でも結局、一日の終わりって悪いことばかり考えちゃうの。
子どもが一日中笑ってご機嫌だった日は、寝る前に「今日は、たくさん笑っていてよかった」と考えるようにする。そうしたら、前向きな気持ちで接することができて、子どもにもいい影響があると思えない? みんな、悪いことばかりを気にして反省してるけど、いいことだってたくさんあるはずやねん。
確かに。ママがつねに物事を前向きに受け止めていたら、子どももそれを真似する気がします。子どもって、親のやることを本当によく見ていますよね
ほんまそれ! うちの長女の口癖は、「もう!」やねん(笑)。その言い方も私とそっくり。真似するならもっといいことを真似してほしいんやけど……。
子どもって「こうしなさい」と言ったことはなかなかしないけど、親のやることはちゃんと見てて真似するんですよね。
うちの長男と次男は、いつも「ありがとう」と言うんです。口癖のように言うてる。これはきっと、私と旦那さんがつねに「ありがとう」を言い合ってるのを見てるからだと思います。だから挨拶とかも、「ほら、ご挨拶しなさい」とか言うより、自分から「こんにちは!」と言うのを見せてるんです。
でも実は、最近長男が「こんにちは」を言わなくなったの。「なんで言わないの?」と聞いたら「恥ずかしいんだよ」って。ただそういうときも、恥ずかしいのに「挨拶しなさい」と言う必要はなくて、「そういう時期もあんねんな」とこっちが思えばいいのかなと。
あまりにも挨拶をしないときは、「挨拶は?」と促してしまうけど、絶対言わないから(笑)。
今はきっと、よっぽど言いたくないんやろうね。あまりしつこく言い続けると殻に閉じこもってしまう気がするから、今は様子見中です。
親が「こうしなさい」と言うのではなく、してほしいことを見せていくことが大切なんですね。
今まで出した本にも書いてるけど、「『ありがとう』と言いなさい、『おはようございます』と言いなさい」ってママが言ったら、ママがいる前では100%それを言う子に育つけど、ママがいない所では自分から言う子にはならへんねん。「言われたら言います」っていう子になっちゃうのよね。それに、「『おはようございます』って言いなさい」と言うお母さんは、子どもにはそうやって言うけど、自分は他人に挨拶をしてなかったりする。子どもはそれをちゃんと見てるんですよね。
だから、なんでも「○○しなさい」ではなくて、親が率先してそれをやって見せればいい。子どもは親のしていることは、いいことでも悪いことでも全てを真似するんだなということを感じますね。
「言うのではなく、見せる」。子育て真っ只中のママたちにとって、「なるほど~」と思うお話をたくさん聞くことができました。
次回は、3人のお子さんたちとのコミュニケーションの取り方について、お話を伺っていきます。お楽しみに!
取材、文・上原かほり 撮影・chiai