鈴木おさむさん「お互いがお互いの働く姿をシミュレーションすることが大切」
放送作家の鈴木おさむさんが、朝日新聞社が主催する『働く』と『子育て』のこれからを考える体験型イベント「WORKO!2016」に登場し、三重県知事鈴木英敬さんと共にトークセッションを行いました。妻・大島美幸さんの出産と同時に仕事を減らし「父勉」をした放送作家の鈴木おさむさん、三重県知事として2人のお子さんの育児休業を取得した鈴木英敬さんの”W鈴木”が語った「夫婦のリアル」とは?
あなたは、配偶者との現在の家事育児分担の割合に満足していますか?
NPO法人ファザーリング・ジャパンの調査によると、家事育児分担の割合について約8割の夫が「満足している」と答えた一方で、約5割の妻は「満足していない」と回答しています。この意識の差に、お二人の意見は?
鈴木おさむさん(以下、おさむさん): 旦那さんは頑張っているつもりでも、家事や育児に対する満足度が夫婦で違うことがあるから難しいんですよね。例えば、うちの奥さんはすごくキレイ好きなんですよ。僕が食器を洗ったりすると”満足度”が違うから「あなたがやると2度手間になるからやらないで!」と言われたり。だから奥さんにポリシーがある分野はやらない、とルールを決めるのも大切。
夫婦間の「シェア」というのもすごく大事なのですが、家事の単純な「シェア」だけでなく、精神的な部分の「シェア」も大事なことですよね。例えば、「パンパンになったからゴミ袋捨ててきてよ」と奥さんに言われる場面があったとします。たまに気を使ってゴミ袋を率先して捨てようとすると、今度は「まだ入るじゃん」と言われたりする。
だから旦那さんはまずは奥さんの考える「ゴミ袋の満タン度」のリサーチが必要だったんです。十何年結婚してても、そういう部分を勉強することはないですが、育児をしてると(奥さんも)どんどん色々なところにイライラしてきてくるから、そういう奥さんの「モラル」を勉強することも大事ですよね。
鈴木英敬さん(以下、英敬さん): うちは物事の分担を決めるというよりは、時間スケジュールを共有するようにしています。
おさむさん: うちもそうですね。例えばうちは奥さんが月に一度「世界の果てまでイッテQ!」という番組のロケで海外に行ったりすることがあるので、1か月のスケジュールを夫婦で理解しあって、「じゃあこの日は保育園のお迎え俺だ」「わたしだ」と決めたりします。意外と「時間のやりくり」が夫婦のコミュニケーションになるんですよね。
英敬さん:そうそう!そこは重要ですよね。
おさむさん:ええ。最近思うのは夫婦間の「仕事のイメージング」って大事だなと。
例えば最近イベントが終わってスタッフとご飯に行ったんですよ。でも奥さんはその日いろいろあって疲れてたみたいで「早く帰ってきてほしい日」だったみたいなんですよ。
それで、僕がスタッフとご飯に行ったことに対して「早く帰ってきてほしかったのに」って感じで言われたんですけれど。でも、そのイベントは僕が立ち上げた思い入れのあるイベントで。
考えてみれば「最初に」言っておけば良かったんですよね。この日の仕事や飲み会が自分にとってどのくらい大事なのか、と。あるいはこの日は飲み会に見せかけて部長へのプレゼントがあるんだ、とか。だから、その日の行動を奥さんのイメージが湧くように説明するのが大切なんですよね。そうしないと、後説明が効かないんですよ。言い訳にしか聞こえないから。つまるところ、夫婦のコミュニケーションが大切ですよね。
———
この他にも 奥さんの地雷を踏んでしまった瞬間や、夫婦の会話時間について盛り上がったトークセッション。最後に「夫婦で子育てを楽しむことが大切」とおさむさん。「こうある”べき”をやめるのが大事だし、知事としてそういう空気を作っていきたい」と英敬さん。
家事分担のあり方を見直すだけでなく、お互いの働く姿をイメージしたり、気持ちをシェアすることで、夫婦円満に過ごせるといいですよね。
取材、文・赤石 みお
「WORKO!2016」イベント概要
開催日時:2016年11月6日(日)
会場:YUITO 野村コンファレンスプラザ日本橋5F/6F
出演講師:鈴木おさむ/鈴木英敬三重県知事/中田敦彦(オリエンタルラジオ)/藤本美貴 他
主催:朝日新聞社
後援:内閣府