<片づけられない母と実家問題>漫画『母は汚屋敷住人』が教えてくれる“暮らしを整える”きっかけ
年末の大掃除、どこから手をつけようか……とため息が出る季節。気づけば「後まわし」にしてきた場所がいくつもあって、どんどんハードルが上がっていく。そのモヤモヤ、実は多くのママたちが同じように抱えているものです。そんな気持ちをほぐし、行動の背中を押してくれるのが、高嶋あがささんによるノンフィクション漫画『母は汚屋敷住人』。実家の問題を描きながらも、“自分の暮らしを整えるヒント”がぎゅっと詰まった一冊です。大掃除に取りかかる前に読むと、きっと手が動きやすくなるはず……!
実母の汚屋敷問題に向き合いながら「助けたい。でも、正直しんどい……」と揺れる娘の心情がリアルに描かれていて、思わず自分と重ねてしまいます。あがささんの実家は、床が見えないほど物であふれ、手のつけようがない状態。「片づけて」と伝えても、母はなかなか動きません。長年の暮らしの積み重ね、心の疲れ、孤独……。そこには、責められない理由がありました。しかし、ある出来事がきっかけとなり、あがささんは動き出します。


ついにヤツが現れた…!
叫びたい気持ちも、逃げたい気持ちも全部わかります。でも、これは“このままではマズい”という明らかなサイン。あがささんはついに覚悟を決め、母の家を片づけるために立ち上がります。ここから、汚屋敷との本気の戦いが始まるのです。

母はこれまで、誰かにもらった服を捨てられずにため込んできたのだと気づきます。年齢とともに加速する、“たくさん保管=安心”という思い。けれど山のような服は、あがささんの気力まで吸い取っていく存在になります。片づけは、モノとの戦いであり、母の「これまで」と向き合う作業でもあります。
「母のために」その一心で動いているのに、とうの母は…

頑張って片づけているのに、「全部使うモノだから捨てるな!」と怒られてしまいました。母にとっては、そこにあるのは“ゴミ”ではなく、これまでの人生で積み重ねてきた“大切なモノ”。その思いを否定されたように感じてしまうので、つい強く拒絶してしまうのです。一方で、あがささんは母のために動いているつもりなのに気持ちが伝わらず、心が折れそうになります。
どちらも悪くない。それでも、すれ違ってしまうのが家族。この悩みに向き合うあがささんの物語は、本書でさらに続いていきます。
「片づけなきゃ」より「ここから始めてみよう」
そんなふうに、肩の力を抜きながら前へ進む勇気をくれる一冊です。汚れやモノと向き合うことは、実は自分自身と向き合うことなのかもしれません。大掃除が憂うつな日も、この漫画に背中を押されて、今日はいつもより少しだけ手が動く。そんな変化をきっと感じられるはずですよ。
作品:『母は汚屋敷住人』
著者:高嶋あがさ
1980年生まれ、茨城県出身。片付けが異常に苦手な母親のもとに生まれる。母の住む家を片付けようと奮闘するエッセイ漫画『母は汚屋敷住人』や、母との関係を振り返る『母を片づけたい〜汚屋敷で育った私の自分育て直し〜』が話題
出版社:竹書房
金額:1,100円(税込)

■以下のサイトでも購入できます!
シーモア、ブックウォーカー、Renta
提供:竹書房