再就職を希望するママのサポート、パパ向けデジタルブックも【東京都定例記者会見 ママ向けレポート】
4月に入り入園・入学、新学期を迎える子どもたち。ママやパパでもこの春から新しい生活を始める人がいるでしょう。東京都は、大学との共同事業、再就職を希望するママへの就職サポートや、新米パパを対象としたデジタルブックの作成などを実施。4月5日(金)に行われた「東京都定例記者会見」からママやパパに役立つ情報を厳選してお伝えします。
ママたちの再就職をサポート「女性しごと応援テラス」
子育てが一段落したママたちが再就職をしようと思っても、就職活動が長引いたり、適職が見つからなかったりする場合もあります。そんなときに使えるのが「女性しごと応援テラス」。東京都がスタートアップ企業と協力し、オンラインでのサポートを提供しています。再就職を目指す際、ママたちは前職からのブランクや育児との両立への不安を抱えがち。しかしここでは気軽に先輩やメンターに相談したり、スキルアップの講座を受けたり、コミュニティに参加したりできるので心強いですね。
小池百合子都知事:子育てなどしながら再就職を目指す多くの女性にご利用いただければと思います。今、いろんな就職サイトがありますが、そこに載らない小さな企業にもご参加いただけることによって、選択肢が増えるかと思います。ぜひ子育て前から身につけたさまざまなスキルを社会で活かし、収入にもつなげてほしいと考えています(編集部にて一部補足)
「女性しごと応援テラス」は2024年4月8日(月)から申し込みがスタートします。
新米パパの不安を解消「パパの子育てスタートブック」
パートナーが妊娠した瞬間から、もう子育ては始まっているといえるでしょう。東京都では、パパ向けの育児支援を目的としたデジタルブックを作成。「パパの子育てスタートブック」にはパパになるための心構えや妊婦さんへのサポート、出産後の育児について、先輩パパ、ママの育児体験やアドバイスなどといった多くの情報が掲載されています。
小池百合子都知事:初めての出産は、ママだけではなくパパにとっても未知の体験で不安を感じることも多いかと思います。そこで、パパも安心して子育てを楽しめるように、スマートフォンなどで気軽に読めるデジタルブックを作成しました。これからパパになる皆さんにぜひ読んでいただきたいと思います。(編集部にて一部補足)
子育て支援金やサービス一覧の掲載もあって便利
「パパの子育てスタートブック」では、4児の父で俳優・タレントの杉浦太陽さんや、モデルでタレントの近藤千尋さんなど、先輩パパママの体験談が掲載されていて、育児に対するリアルなイメージがわきそうです。
初めてのおむつ替えやミルクのあげ方、お風呂の入れ方、寝かしつけのコツ、離乳食の進め方など、子育ての基本から実践的なアドバイスまでがイラストでわかりやすく解説。さらに子育て支援金や子育て支援サービスの一覧も掲載されているため、新米パパはもちろんのこと、ママにとっても育児生活をサポートする貴重な情報源となっています。プレママ・プレパパたちはぜひ一度、チェックしてみてくださいね。
都内の大学と東京都が協力。未来に向けての取り組み
東京都では現在、都内にある28の大学との共同事業が実施されています。東京の課題解決や未来への取り組みについて、大学との定例懇談会で意見交換し、大学が持つ知識やさまざまな情報をプロジェクトに生かしています。令和6年度は3事業が決定しました。
たとえば東京医科歯科大学と東京大学では、子どもを対象とした口の健康と食育のプログラムを開発。子ども食堂を訪れる子どもたちに、あえて具材を大きくして作られた「咀嚼を促すカレー」を提供し、口の健康についてや噛むことの大切さを伝えます。さらに参加した人たちから意見やニーズを聞く勉強会も実施。この食育のプログラムは小学校での給食指導にも活用され、たくさんの子どもたちに広まる予定です。
お茶の水女子大学と東京大学では大学の研究情報を一般公開し、一般市民や子どもたちが大学の勉強や科学の面白さを知ってもらうなどの取り組みを行う予定。また慶應義塾大学や上智大学、順天堂大学では、地域の居場所作りの事業運営に役立つマニュアルを作り、いろいろな世代が交流できる場所づくりを支援しています。東京都と各大学が連携して取り組むことで、ママやパパ、子どもたちにとっての大学の役割や存在がより身近に感じられるようになりそうですね。
取材、文・長瀬由利子 編集・編集部