こどもDX推進中。子育て世帯に必要な情報の見逃しを防止【東京都定例記者会見 ママ向けレポート】
家事育児など日々の忙しさから、子どもの予防接種や給付金申請などといった大切な情報を見逃してしまったことはありませんか? 3月29日(金)に行われた「東京都定例記者会見」では、小池百合子都知事から子育て世帯向けの手続きのDX化、子ども1人あたり1か月5千円支給される「018サポート」「卵子凍結支援」の新しい情報について、詳しい説明がありました。
「こどもDX先行プロジェクト」プッシュ型子育てサービスがスタート
東京都では、都内の自治体の子育て支援制度を集めたデータベースを全国に先駆けて構築。そのデータを使ったアプリから子育て世代に必要な情報が先回りで配信される、「プッシュ型子育てサービス」が一部地域で先行実施されています。このサービスにより、給付金の申請忘れやもらい忘れなどを防ぐことが期待されています。
現在、先行自治体として、江戸川区と瑞穂町が3月27日からサービスを開始。順次、千代田区・豊島区・葛飾区・町田市でも実施される予定です。今後、子育て中の忙しいときでも行政手続きがスムーズになり、私たちの生活がより便利で快適になったら嬉しいですね。
小池都知事「ママやパパが活用しやすくすることが大切」
必要な情報をパパやママたちが身近な方法で受け取れるのはありがたいこと。この「こどもDX先行プロジェクト」について、ママスタセレクト編集部からも小池都知事に質問してみました。
── 子育て世帯の手続きのDX化について、その狙いや期待する効果について知事のお考えをお聞かせください。
小池都知事:今回のDX化はデジタルの親和性が一般的に高いと見込まれる子育て世代に向けての、こどもDX実現の第一歩だと考えています。子育て関連の支援制度やサービスは豊富に存在しますが、それらは活用されることが肝心です。たとえば、各区役所などに行くと子育て支援についての資料がたくさんあるのに、そこに行かないと情報が得られないというのは本当にもったいないことだと思います。今回の「プッシュ型子育てサービス」は、子育て世代が普段利用しているママパパアプリにカスタマイズした自分の情報を載せることによって、申請期限や制度に関する情報を手に入れられる新しいサービスです。「こどもDX」を加速し、プッシュ型の子育てサービスや保活ワンストップなどで利便性を向上し、子育て世代が便利になったなという実感をしていただければと思います。(編集部にて一部補足)
令和6年度の「018サポート」について
子育て中はなにかとお金がかかります。支援があるなら、もらさず受けておきたいですよね。東京都では、0歳から18歳の子どもを対象に月額5千円、年間6万円を支給する「018サポート」を実施しています。令和6年度は1年間分を3回に分けて支給されるとのこと。たとえば7月15日までの申請であれば8月から支給されます。令和5年度に申請・受給している場合は、改めて手続きする必要はありません。
令和6年度新たに対象となる方(都内に転入・出生された方)の申請受付は、6月中旬から開始。マイナンバーカードを使って簡単に申請が完了する方法の導入も進めています。東京都の福祉局とデジタルサービス局が連携して行っているこの「018サポート」には、社会全体で子育てを応援するというメッセージが込められています。子どもと一緒にその使い方についてなどを考えてみるのもいいかもしれませんね。
卵子凍結の手引を公開&説明会へのエントリーも受付中
「卵子凍結に興味があるけれど、まだ申し込むかどうか決めていない」という人もいるかもしれません。卵子凍結は本人だけでなく、家庭や会社など、周囲の人たちも含めて、正しい知識を持つことも大切です。そこで活用したいのが、東京都が作成した「卵子凍結の手引」です。この手引は、東京都のホームページから閲覧が可能。年齢に伴う生殖機能の変化や卵子凍結のメリット・デメリットなど、「卵子凍結」についての情報がわかりやすく紹介されています。また現在、令和6年度対象者向けオンライン説明会へのエントリー受付が行われています。この説明会は卵子凍結にかかる費用の助成について要件の1つとなっているため、こちらの参加情報についてもお見逃しなく。
春は、子どもを持つママやパパたちにとって、入園・入学、進級などの節目で忙しい時期。こんなときでも東京都からの情報を見逃さないように、今後の「こどもDX」のさらなる広がりに期待したいですね。
取材、文・長瀬由利子 編集・編集部