<不器用な親子>成長した息子と会話なく、さみしい日々。ふと、わたしに似た一面知り……?【まんが】
わが家は、私たち夫婦と息子の3人家族です。高校2年生のひとり息子・タケルは部活や塾、友達との用事などで忙しく、めったに家にいません。当然、親とゆっくり会話することも減ってしまいました。たまにこちらから話題を振っても、「へー」「あ、そう」「別に」など一言で終わってしまって会話が続きません。私は「年頃の息子なんて、どこもこんなものなんだろう」と自分を納得させつつも、正直ちょっと寂しく感じていました。
ある日、息子と2人で夕飯を食べていたときのことです。「最近のこと、いろいろ聞きたいな」と思い、息子に話しかけました。
学校のことを話題にふっても、素っ気ない態度です。そろそろ文化祭があることは知っていたので、イベントのことならなにか話してくれるかなと問いかけても……。
「せっかくだから母さんも見にい……」と最後まで言い終わらないうちに「来ないでよ」とドライに断られてしまいました。
そして、そそくさと食事を済ませ、自分の用件だけ伝えて部屋に戻ってしまいました。
いまはこんな感じの息子だけど、以前はそんなことありませんでした。それこそ昔は、自分からなんでも話してくれる子でした。
それこそおしゃべりが止まらなくて、食事がなかなか終わらないなんてこともよくありました。そんな昔の思い出があるからこそ、いまの息子の変わりようがさみしくて……。でも息子ももう高校生です。これも成長した証だから仕方ないと割り切りつつも、複雑な気持ちを抱えながら日々を過ごしていました。
そんなある日、夫から「今晩の夕飯はいらない」と連絡がありました。ひょんなことから息子と2人きりの夕飯になりました。そこで、部活帰りの息子を駅でひろって、2人でなじみの定食屋さんで夕飯を食べて帰ることにしました。
定食屋さんでの食事を済ませ、レジでお会計したあと、店員さんがキャラメルを2つお土産にくれました。私はそのうち1つを息子に渡しました。さっそくいただいたキャラメルをあけてお互い食べようとしたところ……手がすべってなかなか包み紙があけられません。どうやら息子も同じようにキャラメルの包み紙があけられず苦戦中でした。2人で「不器用だな~」と言い合いながら……。
はたから見たら、本当にくだらない、ある一瞬の出来事です。けれど私にとっては、普段素っ気ない息子と心が通い合ったような気がした一瞬だったのです。同じ時間、同じことで笑いあえる……こんなささやかな瞬間がどれだけ幸せなことか、息子が小さな頃には考えもしませんでした。これからもどんどん手が離れていくであろう息子。寂しい気持ちを数えながら過ごすのではなくて、嬉しかった気持ちを噛み締めながら成長を見届けていこうと思いました。
原案・ママスタコミュニティ 脚本 渡辺多絵 作画・Ponko 編集・横内みか