<彼女は上司のオキニ>「今までガマンしていました!」クールな彼女から明かされる真実【後編まんが】
前回からの続き。数年前のお話です。私は小森ミナ。子どもの保育園が決まり、先日育児休業から復帰したばかりです。しかし課長からは、急なお休みや早退があるたび「これだから子持ち様は……」と言われる始末。一方で23歳の若手社員、林田さんは課長の大のお気に入り。林田さんも自分から話しかけに行くので、課長に好意を持っているのだろうと思っていました。しかし……?
そんなある日、同僚から「林田さんが今月いっぱいで辞めるらしい」と聞かされます。いつも林田さんにデレデレしていた課長は、さぞ寂しいことでしょう。そして林田さんが退職する日……。
課長は明らかに落胆していました。いつも明るく課長に話しかけていた林田さん。いなくなったら、ますます課長が不機嫌になって嫌味も増えるかも……。そう思うと私も少し憂うつです。するとそのとき、保育園からの連絡が……。
「また早退ですか? これだから子持ち様は……。辞めるのが林田さんじゃなくて『すぐ早退する人』の方だったら良かったのに……」
それって私に「辞めろ」って言ってる? あまりのひどい言葉に絶句です。悲しくて悔しくて、握りしめたこぶしを震わせていると、ふいに林田さんの声がしました。「課長」
「今まで我慢してましたけど……私、課長の言い方がずっと苦手で」林田さんは今までに見たこともないような毅然とした態度で言いました。「彼氏にもずっと相談していました」これまで課長に執拗に絡まれても、彼氏の有無もはぐらかして言わなかった林田さん。その存在を初めて明かしたのは「これ以上しつこくしたら彼氏が黙っていない」という牽制でしょう。課長は青ざめていました。
「これからは小森さんや、子どものいる社員さんたちに嫌味を言わないでくださいね。ハラスメントになりますよ」驚きました。林田さんがそんなふうに思っていたなんて……。
そして帰りぎわ、私は林田さんに手紙を渡されました。「これあとで読んでください」受け取った手紙の内容は……。
「課長からかばってくれてありがとうございました」いつもクールで動じない様子を見せていた林田さんですが、課長から執拗に絡まれて困っていたのです……。私が助けに入ろうとしたことを、林田さんはしっかり分かってくれていたのでした。
そして私も気づいたのです。林田さんはいつも課長に積極的に話しかけようとしているように見えました。でもそれはたいてい、私が課長からネチネチと嫌味を言われていたタイミングだったことを……。
その後、課長は他の社員にハラスメント行為を行っていたことを理由に、他部署へ異動になりました。
あれから3年経ち、私は部署をまとめる立場を任されています。子育て中の社員が多い部署ですが、みんなで協力しながら仕事を回しています。林田さんから受け取った優しさは今も私の勇気になっています。部下たちには柔軟な働き方で活躍してもらえたらと思いながら日々頑張っています。
文、作画・はなめがね 編集・井伊テレ子