<奨学金で結婚が……>「両親に祝福されたいの……」彼に別れを告げる【第7話まんが:彼女の気持ち】
前回からの続き。私は藤崎マイ、26歳です。私のことを大切にしてくれる両親に心から愛されて育ちました。そんな私が出会った相手は田上ユウスケさん。誠実で優しく「ユウくんとなら一生を共にすることができる」と思いました。両家の顔合わせの席で、彼は私の両親に奨学金の返還義務が残っていることを伝えます。すると両親の顔色が変わったのが分かりました。両親に結婚を賛成してもらえず、私のユウくんへの想いは次第に薄れていったのでした。
私はユウくんに会い、お別れする決意を伝えます。「ちょっと待って……理由は?」「お父さんたちが……ユウくんとの結婚には賛成できないって……」「それは俺に奨学金があるからってこと?」
「でも、マイには迷惑かけないし、俺……小遣いの中からやりくりするようにする。それに繰り上げるように頑張るから……」ユウくんは信じられないといった表情で、必死に私をつなぎとめるための言葉を続けます。
「ボーナスとか全部つぎ込めば、きっとあと数年で返還できると思うし、それまで結婚を待って……」ユウくんが奨学金の返還に対してどんな方法を取ろうが、解決にはならないのです。私はユウくんに伝えなくてはいけません。
「私、ずっと考えていたの……。両親に言われて、でも結婚するのは私だし……私が理解してユウくんを支えれば問題ないって……。私が気にしなければいいんだって……」
「そもそも私はユウくんが好きで結婚するんだからって。お金なんて関係ないし、そんなの一緒に頑張っていけば問題ないって」
「そう何度も何度も考えるほど、奨学金がなければこんなに悩まないのにって……思っちゃうの」「マイ……」ユウくんに自分の思いを伝えながら、こらえきれない涙があふれてきます。
「なんでユウくん、奨学金が残っているんだろうって思っちゃう私がいるの。ユウくんが悪いわけでもないし、ユウくんのご両親が悪いわけでもないのに、奨学金がなければって何回も思っちゃうの……」ユウくんは黙ったまま、でも真剣に私の言葉を聞いてくれている様子でした。
たくさん考えた末にたどりついた答えは、「やっぱり両親に祝福されて結婚がしたい」ということ。私がいちばん大切にしたいのは、これまで愛情を込めて懸命に育ててくれた両親だったのです。
ユウくんのことが大好きでした。その思いに嘘はありません。けれど奨学金のことを考えれば考えるほど、両親からかけられた言葉が浮かびます。そして私はユウくんを思う自分の気持ちに迷い、自信を失ってしまったのです。要はユウくんの言葉よりも、両親の言葉を信じた結果ということです。そんな関係など、きっといつかは崩れてしまうもの。遅かれ早かれ関係は終わっていたのだろうと、ユウくんとお別れした今は思っています。
原案・ママスタコミュニティ 脚本・渡辺多絵 作画・猫田カヨ 編集・井伊テレ子