<誰にも言えない>【後編】離婚して子どもの親権を元旦那に渡したら「冷たい母親」と見なされますか?
前回からの続き。今回の相談者さんは、旦那さんと離婚をした場合に「自分が家を出て行って、子どもは旦那に任せる」と決めているようです。けれどそう思っている自分に、「母性がなさすぎるのか」と多少罪悪感を持っている様子。しかし母親が子どもを置いていく理由には、「母性がないから」だけでないさまざまな理由があるようですよ。
旦那を自由にさせるのは不公平だと思うから
なかには自分が子どもを引きとると、旦那さんが自由になってしまうからという理由もありました。自分も旦那さんも両方が“親”なのに、すべて自分に任せてラクになろうとする旦那さんが許せないようです。
『最近離婚したけれど、本当に子どもがいたら損だなって思う。男は子どもがいなくなって好きに第二の人生歩むのに、こっちは旦那そっくりの子どもが2人。たかだか数万の養育費で子育ての苦労はなし。たまに会って子どもに何か買って喜ばれて終わり。本当割に合わない』
『子どもがそんなに小さくなければ、悪いれけど私1人で出ていく。旦那が全部やればいいよ』
『離婚する状況になったら、旦那だけ自由になるのは腹立つし、「2人ともそっちで育てて」って言うか、2人のうち1人は向こうに育ててもらおうと思っている』
もしかしたら心の奥底に、「私がいないと困ることを思い知ればいい!」「今まで私がどれだけ考えながら動いていたか、これでわかるでしょう?」なんて気持ちもあるのかもしれませんね。
旦那と生きたほうが幸せになれると思うから
純粋に子どものことだけを考えた結果、旦那さんの方がいいと結論を出したママたちもいました。経済的な部分であったり、お世話をできる環境や人数であったりと背景はさまざまですが、母親と一緒にいることだけが子どもの幸せとは限りません。
『うちは私が天涯孤独で持病持ちだから、両親が若くて稼ぎが安定している旦那に絶対任せる。たぶん私がむしゃらに働いたとしても2人ともは進学させられないから』
『親も貧乏、そしてまともに働いたことない私が引きとっても路頭に迷うだけだから、裕福な旦那に渡す』
一番多かったのは金銭面でしたが、たしかにお金がなければ日々の生活も大変でしょうし、将来子どものやりたいことにかけてあげられる金額も減ってしまうことでしょう。もしかしたら困窮するあまり、子どもにお菓子ひとつ買ってあげられない生活が待っているかもしれません。愛情には、「わが子に無理をさせたくない」というかたちもあります。どうなるかわからないなか子どもを連れ出すよりも、衣食住が安定している旦那さんと居たほうが良いだろうという考え方も大切ですね。
子どもを引きとらない母親すべてに母性がないわけではない
今回母親が子どもを引きとらない理由には、さまざまなものがありました。みなさんの理由を見てみると、一概に「母性がないから」と言い切れるものばかりではありませんでした。自分のことだけを考えて決める人もいれば、子どものことを考えたからこそ決めた意見もありました。
『世の中良い人も悪い人もいるように、母性がない母親や、子どもよりも自分が一番大切な母親もいるんじゃない? 子どもを産んだからって、愛せる女性ばかりじゃないんじゃないかなと思う』
『子どもを手元に置いておきたがるから母性があるというわけじゃない。虐待する親も子どもを離さない人いるよね。子どもに依存している人もいるし』
『実母は、「子どもは女が育てなくちゃ! 知り合いに子どもを置いてきた人がいるけれど、やっぱりあの人どっか冷たいとこあるよねってみんなで話している」だってさ。極端な例だけれど。事情があっても、女が子どもを置いてきたら冷たい人認定されることが多そうだよね』
しかしコメントでもあったように、「子どもを引き取らなかった母親は、世間で冷たい目を向けられることも少なくない」といった風潮が残っているのも事実です。ですが人には人の事情があるのです。母親も父親も両方ともが親なのだから、どちらが子どもを引きとったとしても、それが子どものためを思ったその家庭の判断なのです。今回の意見を参考にさまざまな考え方があるのを理解し、余計な口を出したり、勝手な思い込みなどは控えるようにしたいですね。
文・物江窓香 編集・古川純奈 イラスト・Ponko
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