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やめ癖は迷信。親は子どものやりたいことを見つけて子どもの応援団になろう【親野智可等さん・第4回】

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前回からの続き。
「子どもの短所は目をつむり、子どもの長所に目を向け、褒めて伸ばすことが大切」と語る教育評論家の親野智可等さん(以下、親野さん)。親野さんは、「子どもがやりたいことを見つけ、子どもの地頭をよくすることが大切だ」と言います。ただ、ママのなかには、子どものやりたいことがわからない人もいるでしょう。今回は「子どものやりたいことの見つけ方」について伺いました。
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親が応援し褒めてくれることで親子関係が良くなる

――子どもの長所に目を向けるために、親はどうすればいいですか?

親野さん:子どものやりたいことをたくさんやらせてあげることが大事ですね。人はやりたいことをやっているときに、幸せを感じるものです。好きなことに夢中になると地頭が良くなります。

――やりたいことをやっていると、子どもの成長にもつながるんですね。

親野さん:そうです。さらに親が応援して褒めてくれることで親子関係も良くなります。すると、子どもは自分で新たなやりたいことを発見していくため、良いことづくめなんですよ。
ただ子どものやりたいことをやらせるよりも、もっと有意義なことをやらせたい親御さんもいると思います。たとえば、将来役に立ちそうな勉強や漢字の書き取り。でも「将来に役立つからやらせる」のは本当に正しいのでしょうか? まず、親の立ち位置を見直してほしいと思います。

――親の立ち位置とは、具体的にどういうことでしょうか。

親野さん:昔の親の立ち位置は、子どもの「監督」でした。「これがお前の道だ。ここへ進め」や「中学受験はここだ。大学受験はここだ」といった具合に、親が子どもの進むレールを敷くんです。その方法は、昭和では有効だったかもしれません。しかしこれからの時代は、子どもが自分で自分のやりたいことを見つけて、自分で道を拓いていく力が必要になるでしょう。そのために親は、子どもの監督ではなく「応援団」になってほしいのです。

――子どもの応援団になるためには、子どもがやりたいことを理解する必要がありますが、どうすればわかりますか?

親野さん:子どものことをよく観察しましょう。子どもを観察していれば、子どもの好きなことが見つかります。たとえば、テレビを見ながら踊っている子がいたとします。踊りが好きかもしれないと感じたらダンスのDVDを買って、もっと踊れるようにしてあげるといいと思います。さらに踊りに夢中になるようであれば、ダンス教室やリトミック教室に通ってみるのもいいでしょう。子どもを観察して応援してあげることで、子どもが夢中になれるものがきっと見つかりますよ。

――よく子どもを観察することが大事なんですね。

親野さん:ただ親の観察だけでは足りないこともあります。いくらお母さんが子どもの日常生活を観察していても、好きかどうかはわからないこともあります。どんなきっかけで興味や才能に気づくかわかりません。ですから、いろんなことを試すのはいいことだと思います。2つ試した場合と20こ試した場合では、20こ試したほうが子どもの才能を引き出す可能性は10倍になりますから。

――いろいろ試して、子どもに向いてないとわかったときは、すぐやめてしまっていいのでしょうか?

親野さん:「せっかく習い事をはじめたから最低半年はやらせよう」と親が考えてしまうと苦しくなります。子どもが興味のないものはすぐやめさせる。なかには「やめ癖がつくと困る」という人もいますが、それは迷信です。習い事を10こ試して10ことも合わずにやめても、11こ目にハマるものがあれば、子どもはやめませんよ。ですから親は「やめ癖」といった迷信は気にせずに、子どもがやりたいことを見つけてあげてほしいと思います。

【編集部後記】
子どもが夢中になれるものを見つけたら、「親は子どもの応援団になってほしい」と語る親野さん。そのためには親は子どもを信じ、自分の価値観や理想を手放す勇気も必要でしょう。ママの勇気が子どものやる気にもつながるはずです。勇気を出して子どもの応援団に徹してみてはいかがでしょうか。

第5回へ続く。

取材、文・安藤永遠 編集・荻野実紀子 イラスト・マメ美

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