ママたちが子どもの「体験格差」を感じる瞬間は?体験させることをあきらめる理由<ママのリアル調査>
わが子にはより良い教育、体験をさせたいと考えるママやパパも多いでしょう。しかし家庭の事情や育てる環境によっては、そう願いつつも叶えられない現実もあるのかもしれません。今回ママスタセレクトでは「子どもの習いごと、クラブ活動、または自然体験、芸術・スポーツ鑑賞、家族旅行などの“体験活動”に格差を感じるときはありますか?」というアンケートを実施。「ある:主にお金がかかるから」「ある:主に親の時間がないから」「ある:その他」「ない」を選択肢に設定したところ、1,700人近くのママたちから回答が寄せられました。
「経済的な理由」を挙げた人は5割超
「お金がかかるため」に体験させられないと考えるのは902人、53.1%。過半数を超えるママたちが選択しました。
『生活費でいっぱいいっぱい。水泳をさせたいけれど無理』
「いろいろな体験をさせたいけど、お金に余裕がないので生活優先になる」と切実な訴えも少なくありませんでした。
さらに多かったのが、お子さんが複数いる家庭のママたちの声です。
『子どもが3人。ひとつしかやりたいことさせてあげられない……』
『ひとりっ子家庭と複数人の子どもがいるのとでは、1人にかけられる手間も時間もお金も違う!』
「双子ですべて同時出費なうえにシングルなのできつい」「子ども3人に同じように習いごとをさせようと思うと家計が大変。1人当たりの上限を決めている」など、苦しい胸の内を聞かせてくれました。
経済的に厳しいという理由から諦めているのは、習いごとばかりではありません。
『旅行も習いごともさせたいが、物価やエネルギーの高騰で不安しかない』
『娘の友達は沖縄旅行とかするようだが、うちは行けない』
「テーマパークへ子どもを連れていきたいけど、旅費とパークチケットの値上がりが痛い」との声も。近年の物価高で、旅行や外出を控えるお宅も少なくなさそうです。
親に時間的な余裕がないことも体験格差を生む要因に?
主な理由に「親の時間がない」を選択したのは403人、23.7%のママたちです。
『共働きなので平日に習いごとは入れられない。小学2年生の子どもを1人では行かせられない』
ほかにも「幼児クラスの習いごとは平日の日中が多い。週5フルタイムだと通わせられない」という声も。両親ともに働いていると付き添いが必要な年齢のお子さんにとって、平日の習いごとに通うのは厳しいのが現状のようです。
『サービス業で自営。休日も夫婦どちらかが働いてるので無理』
平日に限らず、休日だからといって両親がお休みとは限らないお宅もありますよね。
『フルタイム週6勤務。休みの日は家事に追われて習いごとの送迎ができない』
「休日くらいはゆっくりと休みたい」「ワンオペ育児で男児2人。時間も気力も体力もない……」といった本音も聞かれました。
住んでいる環境や子どもの事情でできないと感じる
続いて、「体験格差を感じることがある」のなかで、理由として「その他」を選んだ5.5%のママの意見です。
『どこかに行こうとしても子どもが行きたがらない』
『学校だけでも疲れているので、集中力がもたないような気がする』
学校生活を送るだけで、気力体力ともに精一杯というお子さんもいます。そういうお子さんにとっては、親がどんなに熱心でもなかなか足が向かないのではないでしょうか。
『住んでいるところが田舎すぎて選択肢がない。個人塾やピアノ教室すらありません』
『離島なので、そもそも限られたものしかない。都会だったらさせたいと思う習いごともあるけれど、そのために引っ越しすることはできない』
住む場所によっては体験の選択肢がなく諦めざるを得ないと考えるママもいるようです。
「ない」と考える人は2割弱
わが子にさまざまな「体験をさせられない」と考える人が8割以上を占めるなかで「体験格差はない」と答えたママも17.7%いました。
『多少出費がかさんでも、日常でできない体験や習いごとは人生を豊かにしてくれるので』
『やりたいことはすべてさせてあげたいから』
多くのママ・パパたちはこう願っていることでしょう。とはいえ、時間もお金も無限にあるわけではありません。どこか我慢や無理をしながらも、わが子のためにと賢明に頑張る親の姿があるのも現実といえそうです。
社会全体で子どもを育てていく視点
今回のアンケート結果をみると、大多数のママ・パパは「お金」や「時間」がなくて、思う存分わが子に体験をさせられないと考えていることがわかります。親の経済状況や働く環境が、子どもの教育や体験に大きく影響しているとも言えそうです。
一方でお金をかけなくてもできる体験、付き添いの大人がいなくても子どもだけで参加できる教室を探すという手もあります。市区町村主催のイベントやNPO法人が企画するイベントなど、お子さんと一緒に探してみてはどうでしょう? 「お金がないから、時間がないから仕方ない」と考えるのではなく、できる範囲で参加できる方法をみつけるのもよさそうですし、そういった機会がさらに増えてほしいと願います。
”教育格差”や”体験格差”など、住む環境や親の所得によって子ども間に格差が生まれるのではなく、誰もが同じように学び・体験できる社会こそが、成熟した社会といえるでしょう。社会全体で子どもを育てていく。そういう視点こそが大切な気がします。
総回答数:1,699票
調査方法:インターネット
調査月:2023年5月
調査・分析:ママスタセレクト編集部
文・編集部 イラスト・なかやまねこ