<最高のママ友は元カノ>【第9話】対決。旦那の元カノと出会った場所で、真実を聞きたくて
前回からの続き。ユウゴは学生時代にメグミとつき合っていたことを白状しました。これまでもLINEで連絡を取りあっていたともいうのです。このことをユウゴからもメグミからも、一切聞かされていなかったマサエはショックと混乱と怒りに身を震わせます。
ユウゴからメグミとの関係を聞いたマサエは、その夜眠ることができませんでした。
(どうしてメグちゃんは、昔つき合っていたことを言わなかったのだろう。自宅に遊びに来て、白々しくユウゴに敬語なんか使って! 心の中で、ずっとバカにしていたのかな?)
フツフツとこみ上げてくる怒りに悔し涙。真実を知っているのだと言いたい、やるせない自分の気持ちを伝えたい、と思いました。
トロトロと眠ったのは明け方になってからでした。朝、ユウゴは黙ったまま会社に出勤。学校に行く子どもを見送るとマサエは電話を掛けました。
「ねえ、話があるんだけど。今日、会えない?」
声が震えます。マサエのただならぬ様子に、メグミは察するところがあったようです。
子どもたちは学校に行っている時間です。待ち合わせた公園には誰もいません。太陽の光がさんさんと降る滑り台はキラキラと光っていました。待ち合わせ時間よりも早く来ていたメグミは、マサエの顔を見ると深く頭を下げました。
「ユウゴとつき合っていたことを黙っていて、本当にゴメンナサイ」
マサエは鋭い目をメグミに送ります。
「でもね、マサエちゃんが思っているようなやましいことは一切ないの! 本当に。2人で会ったこともないし。ただ……たまに本当に困ったときに相談に乗ってもらっていただけ。本当にそれだけなの」
「”メグミさん”、ひとつ、聞いていい?」
「もちろん」
「本当に私のことを知らなかったの? 私がユウゴと結婚しているって知らないで、私と友達になったの?」
今度はメグミが黙り込みました。
「どう考えても偶然過ぎると思う。元カレの地元に引っ越してきて、元カレの奥さんと友達になるって。ぜんぶ偶然だったらすごい確率だよね?」
「本当に偶然だったの」
「うそ。全部正直に言って!」
「本当だよ。信じてもらえないかもしれないけれど……」
「じゃあ、なんで“はじめまして”?」
「それは、なんていうか。マサエちゃんに気を遣わせたくなくて……でも全部間違っていたよね。本当にゴメンナサイ……」
深々と頭を下げるメグミに、マサエの冷ややかな視線が向けられます。公園の植え込みに植えられたアジサイの葉で、かたつむりがのっそりと動いていました。
【編集部のあとがき】
ユウゴとつき合っていたこと、別れた後も連絡を取っていたこと。陰でこそこそと動いていたメグミは、数年間もマサエを裏切っていたと言ってもいいのではないでしょうか。それに本当に元カレ元カノの関係なのでしょうか……。マサエの立場にいたら、まだ進行形でつき合っているのではないだろうか、そんな風に疑ってしまいます。
文・編集部 編集・ここのえ イラスト・Ponko
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