<最高のママ友は元カノ>【第6話】全員を知る旦那の友人に秘密がバレた!崩壊への足音が聞こえて
前回からの続き。家族ぐるみで楽しくBBQをしたマサエとメグミ。洗剤を切らしたことに気づいたマサエは、眠っている子どもたちを夫のユウゴとメグミに預けて車で出掛けます。残されたユウゴとメグミが、昔の元カレと元カノだという秘密があることも知らされずに……。
みんなでBBQをしてから、マサエとメグミの家族の距離は一気に縮まったようです。あれ以来、マサエとメグミはよく家族ぐるみで遊ぶようになりました。お互いの子どもを叱ったり面倒をみたり、家族のような感じです。メグミ親子が遠慮なくマサエの家にくるようになり、月日は経って、小さかった息子たちも小学生になりました。お互いの子どもの成長を一緒に見守ってきた同士として、絆は強くなっていくばかりでした。
ある曇りの休日11時ごろのことです。今日もマサエの家にはメグミ親子が来ています。子どもたちはゲームに興じています。息子たちは同じ小学校に通い、子ども同士すっかり親友になっていました。はじめはぎこちなかったマサエの夫・ユウゴとメグミも、敬語ではありますがスムーズに会話ができるようになっていました。
リビングでは子どもの悩みや学校のことなどマサエとメグミの話はつきません。今日も自然な流れで、お昼を食べようということになりました。
「メグちゃん、今日はお昼にピザ頼もうよ」
ピーンポーンと玄関のチャイムが鳴りました。
「ピザが来たかな。ゴメン! メグちゃん、出てくれない? 今、手が離せなくて(トイレでごめーん)。お金はテーブルの上にあるから!」
「了解」
マサエがトイレにいると、何やらぼそぼそとした話し声が聞こえてきました。どうやらチャイムの主はピザ屋さんではなかったようで、ユウゴも交えた話し声が聞こえます。
「あれ? ユウゴは?」
トイレから出ると、ユウゴの姿が見えませんでした。メグミはなぜか、しどろもどろに答えます。
「なんか大学時代のお友達が訪ねてきたみたい。ふたりで出て行ったよ」
「大学時代の友達? 誰だろう。あがってもらえばよかったのに」
間もなく、ユウゴが帰ってきました。
「ただいま」
「おかえり。誰か来ていたの?」
「タカシがちょうどこっちに遊びに来ていたらしくて寄ってくれたんだって。たいした用じゃなかったみたいで、土産くれてすぐに帰ったよ」
「タカシさんね! 元気だった? チエコさんも元気かな」
夫婦の側でメグミのうつむいた顔に影ができています。
「メグちゃんははじめてよね。タカシさんはユウゴの大学のときの親友なの。チエコさんはその奥さん。家族ぐるみでたまに遊ぶのよ」
「そう……」
ピーンポーン。再びインターホンが鳴りました。マサエは素早く立ち上がります。
「今度こそピザじゃない? はあい!」
お財布を持ってマサエは玄関に向かいました。その背中でユウゴとメグミは押し黙っています。子どもたちの声だけが室内に響いています。
翌日、マサエは息子と旦那を送り出して家事を終え、軽い昼食をとろうとしていました。今日は手軽に冷凍の焼きそばでも食べようかな。悩んでいるときにスマホが鳴りました。画面を見るとチエコと表示がありました。
「はい、もしもし。チエコさん? 昨日はお土産ありがとうございました。お会いできなくて残念……」
「ねぇマサエちゃん、どうしてあの人があなたの家にいるの?」
「あの人?」
「メグミっていう女よ。何で今さら」
「ええ? チエコさん、メグちゃんのこと知っているの?」
「知っているもなにも……あの人、ユウゴの元カノじゃない」
マサエは言葉をなくしました。全身から血の気が引く音が聞こえたかのようでした。
【編集部のあとがき】
とうとうマサエが真実を知るときがやってきました。信頼する夫ユウゴと子ども同士も友だちである親友のメグミの関係。知らなかったのはマサエ一人だけだった。信頼や安心感などが一気に崩れ去りました。
文・編集部 編集・ここのえ イラスト・Ponko
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