<集団いじめ>悪口を言われた妹を守りたい兄。相手の女子を無視するよう男子全員を煽動して大問題に
もし自分の家族がいじめられていたら、みなさんはどうしますか? 大切な家族だからこそ、冷静ではいられないかもしれない。そう思う方もいらっしゃるかもしれませんね。今回ママスタコミュニティに寄せられたのは、いじめから妹を守ろうとした兄がとった行動について考えさせられるものでした。
『小5の娘が、小6の息子のクラスの女子からいじめられそうで怖いと相談をしたのだそうです。そのことを知った息子は「自分がなんとかする」と言ってクラスの男子全員に声をかけ、みんなで相手の女の子を無視するようにいったのだそうです。その結果、相手の女の子はクラスの男子全員から無視されてしまいました』
投稿者さんの娘さんが、息子さんのクラスの女子児童のことを「怖い」と訴えかけたことがはじまりのようです。かわいい妹のためと立ち上がった息子さん。しかしその行動は正しい行動だったのでしょうか。
本当に悪いのは誰?妹を守った息子の思いはどうなるの?
相手の女の子が担任に事情を説明したことにより、投稿者さんも知ることとなった今回の一件。もう少し投稿者さんの話を見てみましょう。
『相手の女の子は、仲のいい友だちと一緒に娘の悪口を言っていたことを認め、担任から厳しく指導されたそうです。そのあと担任から息子とクラスの男子たちに無視をやめるように言って聞かせたのだとか』
相手の女の子からの悪口に対し、投稿者さんの娘さんは怯えていたのかもしれませんね。そのことを知った息子さん。しかしいくら妹のためとはいえ、クラスの男子全員に働きかけ、1人の子を無視することは少しいきすぎた行動だったのではないでしょうか。
『息子のやったことは、集団でいじめ・嫌がらせをしたことになるので、担任の先生が注意をしたそうです。旦那も担任同様に、息子が悪い・やり方が卑怯だと怒っています。でも私は、娘を守ろうとしてくれた息子がとても頼りがいがあると誇らしく思うんです。本当なら息子の味方をしたいので、担任に息子の思いを伝えたいのですが、旦那に波風を立てるなと言われてしまいました』
息子の行動は行きすぎていたかもしれない、それでも娘を守ろうとした気持ちを尊重してやりたい。投稿者さんの思いは、ママたちの目にどのように映るのでしょう。
正義はときに刃に変わる
『今回のことは、相手の子ももちろん悪い。でも投稿者さんの息子もいじめ返したんだからやりすぎ。私が親なら他にもやり方があったよねって話すかな』
『息子さんの「やり方」が間違っていたんだよ。目的がどうであれ「やり方」を間違えてはダメ。別の方法を取るべきだったと教えてあげないと』
小学校の最高学年として頼もしくなったといっても、息子さんはまだまだ子ども。やられたらやりかえせばいいと考えてしまったのかもしれませんね。ですが、やられたらやりかえすでは世の中のトラブルはいつまで経っても解決することはないでしょう。
息子さんが娘さんを思う気持ちは素晴らしいと思います。しかし強い感情に流され、ひとつ見誤ってしまうだけで、正義は多勢に無勢の暴力へと変化してしまうこともあるのです。そのことを、親や周囲の大人が子どもたちにきちんと教えてあげなくてはなりません。
2つの問題は、解決するために切り離して考える
相手の女の子が意地悪をしなければ、息子はクラスの男子全員へ指示を出し、無視をするなどといったことはせずに済んだのではないか。思わずそのような考えが頭をよぎることもあるでしょう。ですが、すでに起こってしまったことについて、「たられば」で話をしても仕方がないのかもしれません。
『相手の女の子が娘さんの悪口を言ったことと、息子さんが相手の女の子を無視するように仕向けたこと。この2つは切り離して考えた方がいいですよ』
どのような事情があったとしても、集団で無視をするような行為は決して許されることではありません。当然、いわれなき悪口を言って相手を傷つけることも許しがたいことでしょう。このように、今回の一件には2つの問題が存在します。ここに息子さんの妹への思いや正義感を混ぜ込んでしまっては、正解や解決はどんどん遠ざかってしまう気がしませんか?
息子さんの気持ちを汲みたい投稿者さんのお気持ちはわかります。しかしまずは、起きてしまった2つの問題について解決を目指すことを最優先にしてみてはいかがでしょうか。その後に親子で話す機会を設け、息子さんの気持ちに寄り添ってあげてください。誰でもなく、一番近くにいる家族が理解してくれているとわかれば、息子さんの気持ちも少しは軽くなるかもしれません。
妹思いの兄の気持ちを汲みつつ、正解へと導こう
最後に、自分ならこのように対応すると話してくれたママの声を紹介します。ここに問題解決への糸口と、投稿者さんや息子さんの思いを汲み取れる答えはないものでしょうか。
『私なら「妹を助けようとしてくれたんだね、ありがとう。その気持ちはとても嬉しいよ。だけどね、それで相手を無視するように仕向けるのはよくない。あなたは、妹に仕返しはよくないって教えてあげられる人であってほしいな。妹は悪く言われてイヤな思いをしたんだから、同じように誰かを悪く言ったり仲間はずれにしたりするようなことはしないようにしようって教えてあげて。相手の子には意地悪するのはやめてって伝えて、それでもやめないなら大人に助けてもらう方法もある。今回のようにお友だちを巻き込んでしまうのはよくないことだよ」と話してみる』
息子さんの気持ちを全力で受け止め、感謝することからはじまり、やってはいけないことについて叱るのではなく説明をする。やられた側の気持ちや、ママの気持ち・思いを伝える。新たなトラブルを起こさないための解決法に、うまくいかなかった場合の次の一手も教える。この流れであれば、息子さんの思いや気持ちを全否定することなく、丁寧に問題解決へと導けるかもしれません。
子どもたちが歩んでいくこれからの長い人生には、似たような経験は何度も起こることでしょう。その都度、やられたらやりかえすという武器を使った解決法しか知らないようでは、トラブルの種はつきなくなってしまいます。
ママやパパ、周囲の大人たちが子どもたちを守ってあげられなくなるときがくるまでに、多くの正解や不正解・解決法や考え方を教えてあげてください。そうすることで、子どもたちは心の成長を遂げていくのではないでしょうか。妹さん思いのお兄さんですから、少しのきっかけがあれば、もっともっと誰かのために行動できる人になってくれると思います。ぜひ、息子さんのいい所を伸ばしていけるよう、ママやパパが導いてあげてくださいね。
文・櫻宮ヨウ 編集・荻野実紀子 イラスト・Ponko
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