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<子ども嫌いのママ>【前編】女性だったら母親だったら、子どもを好きなのは当たり前?

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こんにちは。ママスタセレクト編集部のKです。小学校低学年の娘がいます。子育てをするなかで、わざわざ主張するほどではないけれど、「こんなことを考えているのは私だけじゃない。いや、きっと結構いるはず!」と思っていることがあります。気軽に読んでもらえるとうれしいです。

「子どもが嫌い」と思うことってダメなの?

“母親”と聞いて、皆さんが思い浮かべるイメージはどんなものでしょうか。もっと言えば“理想的な母親”とは? 愛情深くて、子どものことが大好きで、スキンシップも多くて、わが子に生まれてきてくれたことに感謝していて……。でも誰もがそんなことを当たり前にできるわけではない。「”女性“であり”母親“であるけれど、子どもは嫌い」そう思っている人も、実はいるはず。ただ口に出して言わないだけではないでしょうか。

私はわが子への愛情はありますが、「子どもが嫌い、と思うくらいいいんじゃないかな」と考えています。

子ども嫌いだった私が、予想外の妊娠

そもそも独身時代、私は子どもが嫌いでした。電車の中で泣いている赤ちゃんに正直「うるさい」と思ったこともあったし、友人が子どもを産めば「見たい!」「かわいい!」はあったけれど、それ以上はなかった。ただ「子どもを産めるのは女性だけ。せっかく女に生まれたなら、その(生殖)機能は使ってみたい」という考えはあって、時々友人にも言っていました。でもそれが「子どもが欲しい」には繋がらなかったのです。
結婚しても子どもが欲しいとは思わなかったし、婦人科系の病気を抱えていたので、旦那には最初から「子どもは持てないよ」と伝えていました。ところが……思いがけず妊娠が判明したのです。

妊娠が分かったときは不安でいっぱい

妊娠検査薬で陽性になったのを見たときは、「うわっ!」とびっくりしすぎて笑ってしまいました。でも次の瞬間には「やばい、どうしよう」。旦那はめちゃくちゃ喜んでいるけれど、私は不安のほうが大きかった。
とにかく、つわりがキツくて「早く産んでしまいたい」と思うばかり。つわりが収まってからやっと、周囲が喜んでくれているのがうれしいと感じるようになりました。ただ「パートナーの遺伝子を残してあげたい」「両親や義両親に孫の顔を見せてあげたい」という気持ちは私にもあったのです。

他の妊婦さんが大きなお腹をなでているのを見て、「私もああいうのをやった方がいいのかな?」と思うこともありました。だんだんと自分でも大きくなっていくお腹の変化を楽しんだり、お腹の中で動くわが子に「よかった、生きてる。無事に育っている」と安心感を抱いたり……。でも「もうすぐ赤ちゃんに会える!」「家族が増えるのね」といった多幸感に満ちていたかというと……ちょっと違いました。

産んだら母性スイッチが入ると思っていた

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いまの時代、キラキラした“理想の母親”はネット上にあふれていますよね。私自身に“理想の母親像”はとくになかったけれど、やはり自分の母親=「昭和の良き母」のイメージが強かったように思います。専業主婦で、子どもを2人育てて、家のこともちゃんとやって、子どものために手作りおやつを用意して、町内会や子ども会にもしっかり参加する……。いまどきのママたちに比べると、ちょっとお堅いイメージかもしれません。

「子どもを産んだら、私にも母性が湧いてきて、きっとあんな母親になるはず!」と漠然と思っていました。出産したら母性という名のスイッチが現れて、自動的にブイーンと起動するのだと。……でも、どこを探しても私に母性スイッチはなかったのです(笑)。

「得体の知れないもの=赤ちゃん」への恐怖心、もしくは不安が大きくて、「やばい、泣かれたらどうしよう」と思うばかり。抱っこするのが怖い。泣かれるのも怖い。でも小さい、かわいい。次第に「人間ってよくできてるな~」という赤ちゃんを観察するような気持ちが芽生え、「子どもは得体の知れないもの」から少し理解が進んで、やっと触れられるようになりました。

ただ友人たちが言っていた「嬉しくて子どもを見るたびに涙があふれる」という境地に、私はならなかったのです。子どもはかわいいと思うし、母親になれた喜びもあったけれど、「産んだからには、しっかり育てなきゃいけない」というプレッシャーのほうを強く持っていました。

産後うつ……追い詰められたときにかけられた言葉

母乳の問題や、女性ホルモンの乱れ、そもそも自分が子どもを好きか嫌いかという問題もあって、私は産後うつになってしまいました。あるとき自分でも「このままではヤバイ!」と思い、「とにかく子どもと私を離してほしい」と児童館に相談。その場では私の希望は何一つ通らず、子どもと自宅に帰るしかありませんでした。でもすぐにその夜、児童相談所の方がわが家を訪問してくださったのです。

そして言われたのが「お母さん、よく電話してくれましたね。愛情をもって育ててますよ」「電話してくれたのは、わが子に愛情がたくさんある証です」。自分に子どもへの愛情はないのではないかと追い詰められていた私は、とにかく感動してしまいました。

旦那は以前から私や子どもの様子を気にかけてはくれていましたが、一連の出来事でより気にしてくれるように。私ももう少し楽に育児ができるようになりました。

自分で自分を責める前に

当時の私は母性はゼロではなかったけれど、それよりも親になった責任感でいっぱいいっぱいになっていました。高齢出産ということもあり、「親に何かあったときに、この子が自分で生きていくことができるように」「この子が将来困らないように“ちゃんと”育てなければ」という意識が強かったのです。いまでも「ちゃんと育てなければ」という責任感はやっぱり私の中にあって、それゆえに行き過ぎた躾になっていないかは日々悩むところです。

それに子どもとはベッタリではなくて、なるべく離れるようにはしているけれど、離れたら離れたで子どもの写真を見たりしているし……わがままなお母さんなんです(笑)。

わが子は自分と繋がりがある存在なので、「子どもが嫌い」とはまた違うかな? と思う部分はあります。でも世の中の、とくに男性が抱くような「女性なら、母親なら、子どもが好きなはず」というイメージに私は沿っていません。

だからといって自分の子どもに対して子育てを雑にしているわけかというと、それは別。「母性=愛情深い」なのか? 子ども好きじゃないと母親としての愛情はないのか? そんなことはないですよね。「子どもが嫌いな私、子育てを嫌と思ってしまう私」を自分で責めてしまうことってあると思います。

でも心の中でそう思ってしまうくらい、いいのではないでしょうか。そう思うと、少し気が楽になりませんか?

後編へ続く。

文、インタビュー・千永美 編集・しらたまよ イラスト・マメ美

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