<将来の選択肢が狭まる?>わが子は勉強ができない。大学へ進学せず働くのはダメなことですか?
誰しも得手不得手があるもので、どうしても克服できないことのひとつやふたつはありますよね。それが勉強であることもあまり珍しくはないのかもしれません。今回ママスタコミュニティに寄せられたのは、春から高3になるわが子に対してかけられた、ママ友からのある言葉についての疑問でした。
『春から高3になる息子は、勉強が苦手だし嫌いです。来年なんとか頑張って卒業してもらって、どこでもいいから働きに行ってくれればいいと思っています。しかし小学校からの同級生のママとばったり会ってそんな話をしたらこんな風に言われたんです。
「今からでも間に合うから少しずつやり直せばわかるようになるよ。うちの子だってそれほどできていないけど、大学を目指すって頑張っているよ。別に勉強ができればいいって問題じゃないけど、できないよりできたほうが働くことにしても何にしても選択肢が増えるよ」
そう言われても私は教えることなんてできないし、子どもも塾なんて行きたくないだろうと思うんです。別にいまさらムリに勉強をさせなくてもいいと思うし、「選択肢って何?」って思ってしまいました。勉強ができないってそんなにダメですか?』
高校もなんとか入れる学校を選び、学校では中学のおさらいを中心に学習が進むなか、それでもギリギリの成績になってしまっている投稿者さんのお子さん。高3への進級も出席日数が足りず危うかったのだそうです。
そのような状況だからこそ、「今からでも間に合う」、「選択肢が増えるから」などというママ友からの言葉に疑問を感じてしまったのかもしれませんね。
勉強以外にやりたいことはある?
『そこまで勉強が苦手で、親も教えられないならムリする必要はないと思う。学校とか勉強以外で得意な分野があればそれを活かしてもいいし』
『勉強ができなくても、他に何かできることがあるなら別にいいと思うよ。でも、何もできないなら勉強くらいできた方がいいとは思う』
勉強ができることだけがすべてではない。ママたちもそう感じているようですね。勉強以外にやりたいこと・得意なことがあれば、そちらを伸ばす努力をしていくことで将来の道が切り開けることもあります。ですから、一概に勉強さえできればいいというわけではなさそうです。
学力や学歴で広がる選択肢とは
今はやりたいこと・やってみたいことがない状態でも、半年後や1年後、働きだしてからなど、先々でやりたいことが出てくるかもしれません。そのような状況になった場合、大学卒業をしていることが有利になったり選択肢が広がったりするケースもあるようです。
『勉強はできたほうが仕事の選択肢が増えるし、出世しやすいのは確か。どうしても学歴次第で生涯年収ベースに差がついてくるからね』
厚生労働省の令和3年賃金構造基本統計調査によると、同年の初任給額(男女計)は、大卒の場合22万5,400円、高卒の場合は17万9,700円。初任給の段階で5万円近くの開きがあるのは大きいですよね。また全年齢で学歴別に賃金をみると、男女計では大学が35万9,500円、高校が27万1,500円となっており、大学卒の賃金が高校卒の賃金より高くなります。
大卒の方が資格取得時に有利になることも
『なんらかの資格を取ろうとしても、中卒では受験資格すらないことも多い。そのときになって高卒の資格の必要性を痛感するんだよね。資格によっては大卒じゃないと取れない資格とかもあるし。ママ友さんが投稿者さんに話していた仕事の選択肢というのは、受験資格の選択肢とかも含まれているのかも』
仕事に有利になる資格のなかには、大卒以上でなければ受験できない資格や、大学で専門的な知識を学び、得ることで取得しやすくなる資格もあります。また、取得することで昇進や給与アップにつながる資格もあり、資格取得には大卒の方が有利であるケースも出てくるようです。
国家資格の「衛生管理者」を例にあげると、受験資格が高卒の場合「実務経験3年以上」となるところ、大卒であれば1年以上と期間が短くなります。しかし高卒でも専門学校や独学などで学び、実務経験を重ねていけば取得可能です。あくまでも大卒であれば有利になるというだけで、努力次第でなんとかなるものもありそうですね。
勉強はできたほうがいい。でも人生は学歴だけでは決まらない
勉強ができないことはそれほどまでにダメなことなのか。投稿者さんの問いかけに対して答えを出すとすれば「NO」なのかもしれません。
知識は多いほうが気づきも多いですし、騙されたり失敗したりすることも回避できる可能性が高くなります。しかし知識は、決して勉強だけで身につくことではないですよね。実践で身につく学び、体験や経験から得られる知識なども、人生を豊かにする材料として十分ではないでしょうか。
子どもの将来の選択肢を広げてあげることは親の務めかもしれません。しかし、道を切り開き歩いていくのは子ども自身です。そう考えると、周囲の言葉を優先してムリに勉強をさせるよりも、まずはお子さんの気持ちや言葉を優先し、できることを親子で一緒に探していくほうが建設的かもしれません。
一度学校の担任に相談してみたり、お子さんを交えて懇談をしてもらったりしながら、お子さんの気持ちの確認や今後の指針を考えてみてはいかがでしょう。明確なゴールが見えることで、親も子も意識を変えていけるかもしれません。
そのようななかで、1つでも選択肢を増やせるよう、子どもたちの世界を広げられるよう、ママたちの手で子どもたちをサポートしていきましょう!
文・櫻宮ヨウ 編集・山内ウェンディ イラスト・Ponko
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