無痛分娩が主流の海外ママより質問。「なぜ自然分娩を選んだの?」
無痛分娩には「出産時の痛みが緩和される」「産後の体力が温存できたと感じる人が少なくない」などのメリットがあるとされています。日本でも近年は赤ちゃんを出産する際の方法として、無痛分娩を選ぶ人が増加しています。とはいえ国内で無痛分娩を選んだママは、全体の5%ほど。欧米に比べるとかなり少ない割合です。無痛分娩で出産したママが全体の65.4%(2016年)を占めるフランスの方から、ママスタコミュニティに投稿がありました。
『自然分娩された方、なぜ無痛分娩を選ばなかったのですか? 自然分娩を選んだ理由を教えてください』
この質問にたくさんのコメントが集まりました。
日本の主流は自然分娩。時代や地域の事情で「それが普通だった」
日本では自然分娩が主流ということもあり、「それが普通だから」という声がありました。
『無痛分娩を選ぶ必要性がなかった。普通に、自然分娩でいいよね』
『病院でどうするか聞かれなかったから。選択肢になかった。無痛分娩なるものは、”聞いたことがある”程度の知識しかなかったし。もし「無痛分娩もできますが、どうしますか?」と聞かれていたら、考えていたかも』
欧米に比べると、まだまだ浸透していないのが実情のようです。
『田舎なので、無痛分娩をやってるところがない』
『無痛分娩をしてくれる病院が、車で1時間近くかかるところにしかなかったから』
分娩方法を選ぶ余地のない地域もあります。
『産院が自然分娩を推奨していて、無痛分娩を取り扱ってなかった。今は海外にいて、ふたり目を妊娠中。産後1日で退院させられると知り、回復の早い無痛分娩を選択したよ。というか、こっちの国では無痛が当たり前みたい』
産院の方針というのも大きいですよね。
注射が怖い、リスクが怖い……。そして、お金がかかる!
先程のコメントにもありましたが、欧米では無痛分娩が主流のよう。日本では少ない理由に、医療体制の違いを挙げるママもいました。
『友人がフランスに住んでいるんだけど、日本のような産院って考えられないらしい。ヨーロッパ諸国では産科に特化した総合病院があり、体制も万全。だから無痛分娩が普通にできると言っていたよ』
無痛分娩で用いられる麻酔方法は、一般的に「硬膜外麻酔」と呼ばれるもの。脊椎のなかの硬膜外腔というスペースに細い管(硬膜外カテーテル)を入れ、そこから局所麻酔薬を注入する方法です。「注射が怖い」という声は、少なからずありました。
『脊椎に麻酔を打つほうが、出産の痛みよりも怖かった。出産の痛みは自分の中から出てくる痛み。他人から加えられる痛みじゃないから、ガマンできるかなと』
『無痛分娩で長女を出産したけど、処置が痛くて大変だったよ。2番目を産むときは、自然分娩にした』
さらに麻酔によるリスクを恐れたママもいます。
『少しでも安全性の高い方法で産みたかったから。無痛の処置によるリスクがゼロではないなら、痛みをガマンしても少しでも安全な方法にしたいと思った』
また多かったのが「費用」という理由です。
『ひとり目は、単にお金がもったいないと思ったから。めちゃめちゃ安産だったから、ふたり目も自然分娩にした』
『ひとり目を産んだとき「次は絶対に無痛」と思ったけど、いざふたり目になったら「出産の痛みには終わりが来る。無痛にかかる費用があるなら、子どもたちのために使いたい」と思った』
無痛分娩の希望が叶わなかったママたち
やむを得ない事情で、自然分娩になったママたちもいました。
『ひとり目は無痛なんて考えもしなかった。ふたり目は「絶対無痛にする!」と思い、無痛をやっている病院に。でも陣痛がはじまり病院に着く頃には、もう子宮口全開。麻酔を打つ暇もなく産まれてきちゃった』
『無痛分娩希望でしたが、出産当日は麻酔医が不在。やむなく自然分娩になりました』
それぞれに事情がありますね。無痛かどうかに関わらず、なかなか予定通りにはいかないことが多いのが出産ではないでしょうか。
出産でしか味わえない、痛みを体験したかった!
そしてもっとも多かった理由は、なんと「痛みを体験してみたかった」でした。
『それが普通だと思っていたから他に選択肢はなかったけど、女に生まれたからには出産がどれほどの痛みかを知りたかった。産んだときは「もう次はいらない」と思ったけど、しばらくすると産みの痛みを忘れ、結局3人産んだ(笑)』
『何千年もの長い間、ものすごい数の女性が耐えてこられたこと。私にもできないわけがない、と思った。あとはやっぱり出産のときにしか味わえない痛さを、せっかくだから体験してみたいと思った』
『せっかく女に生まれて出産のチャンスまでもらえたから、経験しないで終わるのはもったいない気がする。何事も経験!』
『痛みを体験したかったから。みんなやっているし、自分にもできるだろうなって。自然分娩の達成感は半端ないよ。4回出産したけど、無痛は1回しかしてない。ラクだったけど、なんか物足りなかった』
『お産の痛みを、一生に一度は体験してみたかったから。痛みのピークでは「無痛にすればよかった!」とちょっと思ったけど、赤ちゃんが出たあとの達成感、爽快感が半端じゃない。アレを味わいたいがために4人産んだ、と言っても過言じゃないくらい』
これほどの気概があれば、何人だって産めそうです!
ただ「痛みを体験したかどうか」を重視しすぎるのも良くない側面があります。
『無痛がよかったんだけど、実母は”痛みを味わってこそ”という考え方。無痛を選んで子育てで弱音を吐いたら、「痛みを経験してないから〜」とか、一生言われそう。ムカつくからやめた』
『お腹を痛めて産んでもそうじゃなくても、わが子がかわいくて仕方ないのは同じだね。痛みがあったかなかったかは、子どもへの愛情とは無関係だと思っているよ』
まったくその通りですね。お腹にいるかわいいわが子を抱くまでの出産方法は、ママ次第です。もし選べるのなら、あなたはどちらを選びたいと思いますか?
文・鈴木麻子 編集・千永美 イラスト・加藤みちか
【つぎ】の記事:無痛分娩と和痛分娩の違いはなに?産婦人科医が語るメリットやリスクとは
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