中学生の子どもに「お金がない」と言うのはアリ?家の経済事情を伝えてもいい?
わが子に家の経済事情を伝えたことはありますか? ”本当のところ”を伝えたことで、子どもが不安になったらどうしよう? ごく一般的な金銭感覚からズレたらどうしよう? 裕福な家庭であってもそうでなくても、悩むところですよね。
子どもを不安にさせたくない。「お金がない」と言うのはダメ?
ママスタコミュニティにアップされたのは、中学生のお子さんについての相談です。投稿者さんは「お金がない」というフレーズを、ひんぱんに使ってよいのかどうか悩んでいるようです。
『わが家の中学生は毎日お金を使うし、「これが欲しい」ばかり言っています。うちは経済的に厳しいので「お金がない」と言っているのですが、やっぱり言わないほうがいいのかな。お友達には裕福な家庭の子が多いです』
中学生といえば、まだまだ”友達が世界のすべて”になりやすい年頃です。周りのお友達が裕福だとつい自分も同じような気分になるのでしょうが、希望が叶うかどうかは家の経済状態次第。投稿者さんははっきり「お金がない」と伝えているものの、言い過ぎることでわが子が不安にならないか、がっかりしないかと心配しているのかもしれません。
ただ集まったコメントのほとんどが、投稿者さんと同じように「言っている」という声。どうやら「お金がない」は多くの家庭の”お決まりフレーズ”になっているようです。
『バリバリ言っているわ(笑)。「お金がもらえて当たり前」なんて思いながら育ってほしくないもの』
『小さい頃から「お金ないから無理ー」と言っている(笑)。「お菓子買ってー」「おもちゃ買ってー」と言われて、買う気がないときはそれ』
『言う。家計は少なめに伝えている。「そこまで余裕ないよ」って』
家計に本当に余裕がないかどうかよりも、「わが子に無駄遣いしてほしくない」という思いから言っている様子が伺えます。
「お金はない」。ただ「必要なものに使うお金なら、ある」
世間には借金を抱える家庭もあるでしょうが、投稿者さん含めコメントをくれたママたちに限って言えば「明日の食べ物にも困る」家庭は見当たらない様子。「お金がない」というフレーズも、伝え方に工夫をしているようです。
『言うよ。ただ「お金がない」ではなく、「将来のための貯金を考えると、今そういうことに使えるお金はない」という言い方にしている』
『うちは裕福だけど、無駄遣いするようなら言う。「それに使うお金はない」って。あと「お父さんが頑張って稼いできたお金だから、あなたのものではない」とも』
『うちもそんな感じ。高い物を「あれ買って」「これ買って」と言われたら、「じゃあ明日からお菓子なしね」「わが家にはそんな余裕はありません」って。「あなたたちの将来のために、しっかり貯金している」とは伝えてるよ。金額はもちろん教えないけど』
本当に必要なものに対して出すお金はあるけれど、無駄遣いに出すお金はない。そういうことですよね。
ママたちが本当に必要と考えるお金は「学費」!
「本当に必要なもの」は、もちろん家庭によってさまざまでしょう。しかしその多くはやはり、子どもに将来かかる学費ではないでしょうか? 金額的にも家計で大きな割合を占め、子どもに直接関係するお金です。
『塾をサボって費用を無駄にしたときは、「お金がかかっているんだけど」と言った。中学3年生で高校受験した後に、大学受験でかけられる費用も伝えたよ』
『うちは高校生になってから「今までかかった学費と受験費用を教えてくれ」と言われた。今はふたりとも私立大学に通っているけど(自宅住み)、無駄使いはしない。バイトもあまりしないけどね(笑)』
「どこまでなら学費を出せるのか」をしっかり伝えている家庭もあります。
『今は高校生だけど、小さい頃から言っている。中学生の頃には「うちは貧乏でも裕福でもない。それなりにお金はあるから、必要なものには出してあげられる。でも必要のないものに出すお金はない」と伝えた。大学までは出してあげられるけど「国公立だよ」と言ってある。本人には悪いけど、下にもふたりいるから私立大学は無理。今は私立高校に通っているけど、無駄使いはしないよ』
『ダンナの実家はそこそこ裕福だったはずなんだけど義親が浪費家だったようで、大学には借金をして行ったらしい。在学中にそれを「返してね」と言われて、理不尽だと感じたって。うちも私学に通うなら全額は出せない家庭だから、ダンナの二の舞にならないように、お金のことは小学校低学年から年齢に合わせて細かく話してあるよ。今は中学1年生。お金を使うのは、結構慎重かも』
中高生になったら伝えたい、「お金がない」の”本当のところ”
単に「お金がない」だけでは子どもに伝わらない場合もあるようです。
『普通に「お金がない」とは言っていた。ただ本当にないとは思っていなかったみたいで、子どもたちが社会人になってから月の手取り額を話したら、「本当になかったんだ」とびっくりしていた。だから「あなたたちにお金という形の財産は残せないけど、教育はしっかり受けさせたと思う。あとは自分たちで頑張ってね」と伝えた』
お金のことで子どもに心配させたくない、という親心はあるでしょう。ただ、ある程度の年齢になったら、はっきり「ここまでなら出してあげられる」と伝えておくことも必要かもしれません。
『中学生にもなって自分の家の経済事情がわからないなんて、まずいと思う。これからの進路選択にも影響してくることだから、もしお子さんがそれを理解していないのならわかるまで伝えたほうがいいよ』
『中学生なら言うよ。うちの親が経済状況をまったく言わない人だったんだけど、成人してからいろいろ恥をかいた。今となっては親のプライドとしか思えない』
投稿者さんのところも、そろそろ「お金がない」の具体的な話をしてよい時期ではないでしょうか? 家の経済事情がわからず「あれも欲しい」「これも欲しい」と言っているのであれば、なおさらです。現状をしっかり理解することは、自分の進路について真剣に考えるきっかけにもなるでしょう。ひいてはお子さんの精神的な成長にも繋がるはずですよ。
文・鈴木麻子 編集・千永美 イラスト・Ponko
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