【後編】「自分の親なら介護できる!」そう思っている人たちに読んでもらいたい、壮絶な介護の経験談
「親の介護ができるか?」という問いに、ママさんたちからは多くの「親だからこそできない」との答えが集まりました。しかし介護をしないにしても、金銭的な面、精神的な面で親をサポートしなければならない状況になることもあるでしょう。そんな人たちのために、このようなアドバイスが届きました。
「親の介護は想像以上につらかったよ」ママさんたちからの経験談
まず、「親の介護は想像以上につらかった」と話すママさんたちの経験談をご紹介します。内容からは、「安易に親の介護を決めている人にぜひ分かってもらいたい」という願いが込められています。
『無理だった。「お母さんなら大丈夫」だと思っていたけれどね。自宅に呼んで介助していたけれど、私は発狂していたよ。「早く家に帰ってくれ」と願っていた。入浴介助で母の使った風呂椅子にウンチがついていたり、浴槽には垢が浮いていたり、体や頭を洗ってあげるたびに吐き気がして、ストレスで3ヶ月下痢になった。本格的な介助や介護が必要になっても、もう絶対に家に入れないし見ない。というより無理。「親の介護はするよ」って人は現実を知らないだけだよ』
『要介護5の母の介護をしていました。母は昨年他界して、今は終末期の父の介護をしている。身体的自立はできているし、頭もはっきりしているからやることは少ないんだけれども、こっちの方が精神的に辛い』
『私は母親の介護をしていた。当時母は60歳くらい。ヘルパーさんに入ってもらっていたけれどそれだけじゃ無理だった。時間関係なく呼ばれて、精神的ダメージがすごかった。そのことで父親とも喧嘩したことがあったし、他にも子どもはいたけれど、私だけが女だったから母も頼みやすかったみたい。何度泣いたかわからない。今はもう母の介護はしなくてよくなったけれど、あれだけ嫌だった介護なのに今は介護の仕事をしている。他人の世話は余裕でできる。身内の介護は本当に大変だよ』
介護は、肉体的な面はもちろんのこと、精神面にも負担がかかります。「親の介護は赤ちゃんの面倒を見るのとは全く違う」と、親の介護をした経験をもつ筆者の知人の女性が語ってくれました。
赤ちゃんは小さくて抱っこも簡単、今は手がかかっても将来は手がかからないという希望がある。けれど親は大きくて、ベッドから起き上がらせるにもひと苦労。そのうえ手がかからない未来を想像すると、それは“死”につながる。「早く手がかからないようになってくれ」と考えては、「実の親になんてことを考えてしまったんだ」とハッとする。この繰り返しだったと話していたのが印象的でした。
「できる限り頑張る」とは、決して自分1人で介護をすることではない!
『うちは母も祖母も親の介護をしてきたから、私が母の介護をするのを当たり前のように思ってきました。遠方だし、最後まで寂しい思いはさせたくないし、なにより私は看護師でもあるので、仕事を辞めて介護に専念するつもりです。もちろん、デイサービスやお金で解決できることもしていくつもりです』
『3年前まで母親の介護をしていました。10年くらいかな。寝たきりで自分では動くこともできなかった。訪問看護師さんもお願いしていました。デイサービスの人にもお世話になりました。介護保険に入ってなかったら在宅介護は無理だった』
『母の介護をしていました。といっても父とふたりで、デイサービス、訪問看護師さん、ヘルパーさん、訪問診療、たまにショートステイと、介護サービスを目一杯使って。サービス使わなかったらできなかった。感謝しかない』
介護が必要になった親を施設に入れようと考えていても、施設の入居までに時間がかかったり、金銭的な面で諦めないといけないこともあるでしょう。ただ介護は決して1人で行わないといけないわけではありません。デイサービスやヘルパーさんなど頼れるところはお願いし、介護サービスを目一杯使うことが、結果的に自分のためにも親のためにもなる。そんなことだってあります。もしも親が介護を必要とする未来が近いのであれば、漠然と「自分が介護をする」未来を想像するのではなく、まずはさまざまなサービスを調べてみましょう。「自分にできること」と「誰かに頼めること」の仕分けをあらかじめ行っておくと、きっと自身の心の安定にもつながるはずですよ。
文・物江窓香 編集・古川純奈 イラスト・Ponko
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- みんな本当に自分の母親介護出来るの?