【後編】発達障害の友達を助けたらパニックになった……大人でも難しい対応、子どもにどう教える?
同じクラスの発達障害を抱えるお友だちを助けたところ、先生に「放っておくように」と言われてしまった投稿者さんのお子さん。「困っているお友だちを放っておいていいの?」との疑問を拭い去れないお子さんに、投稿者さんは今後どのように行動するよう教えるかで悩んでいるようです。
「放っておく」ではなく「見守る」と教えてみては
『そっと見守ることが、お友だちにとっての助けになるんじゃないかな。放っておく、じゃなくて「見守る」』
『「その子がブツブツ言っているときは一生懸命頑張って考えている最中だから、困っているわけじゃないんだよ。その子が『わからない』とか『できない』と言ってきたら、そのときは教えてあげたり手伝ってあげるようにするといいかもね。それまでは黙って見守っているようにするといいんじゃないかな」と言ってみたらどう?』
『うちの子の学校では、先生が子どもたちにその子の特性を話した上で「こういうときは手伝ってあげる」とか「こういうときは静かにしてあげる」とか具体的に教えているみたいだよ。例を挙げて言ってあげないと、小学生には難しすぎるよね。「助けてあげて」と言っておいて「放っておいて」は矛盾しているように聞こえるよね』
『声をかけるかどうかを低学年の子に判断させるというのは難しいと思う。「その子の様子がおかしいと思ったら、先生に教えてあげて」というのはアリかもしれないね。癇癪を起こしてパニックになって、今回のようなことがまた起こっても困る』
投稿者さんのお子さんは授業中に独り言を言っているお友だちを見て「困っている」と判断したのでしょう。しかしお友だちは一生懸命考えている最中だったのかもしれません。「お友だちを放っておいていいのかな」と戸惑うお子さんには「放っておくわけではなく、頑張っている様子を見守ってあげよう」と声掛けをしてみては、とのアドバイスが寄せられました。またどうしても様子が気になるときには、自分で行動するのではなく先生に伝えるように話してもいいかもしれませんね。
声を掛けるときのルールを決める
『すぐに教えたり助けたりするのではなく、「大丈夫? 何か手伝うことはある?」と聞いてみる。友だちが「手伝って欲しい」と言わなければそのまま自分のことをする。どうしても気になるときは、一人で解決しようとしないで先生に相談してみよう。これらのことをお子さんに伝えて、友だちを助ける方法は直接教えたり手を貸すことだけじゃないとを教えてみたらどうだろう?』
『先生の言うとおりにしよう。あまりにも困っている様子なら先生に伝えよう。低学年の勉強は大事。自分のことをしっかりやるのが先生の助けにもなるよ、と伝えてあげて。投稿者さんの言うように、性格や障害の内容によって必要な手助けは違うし、低学年の子どもにその判断は難しいよ』
小学校低学年のお子さんに手助けをするかどうかの自己判断をさせるのは、なかなか難しい局面もあるでしょう。その場合にはお友だちに声掛けをする際のルールを決めておくといいかもしれませんね。基本的には先生の言うとおりに相手からのSOSがあるまではこちらから声を掛けず、困っているかと判断に迷ったら先生に伝える。どうしても気になるようなら「手伝うことはある?」と聞き、直接助ける前にワンクッションを置くようなルールを決めておくとスムーズにいくのではないでしょうか。
障害を抱えていても、そうでなくても
『優しいお子さんですね。お友だちがパニックを起こしたという結果は、お子さんにとってショックなことだったかもしれません。でも「よかれと思ってした親切が、その人のためにならなかった」という経験は誰しもが経験しますよね。今回のことはそういった複雑な人間関係を学ぶいい機会なのではないでしょうか?』
『優しいお子さん、素晴らしい! こういう場面は障害に限らずよくあるよね。友だちを思ってしてあげたことが、相手にとってはむしろ迷惑になってしまったこと、じゃあどんな行動がよかったのか? 正解はない? それぞれの気持ちがある? そういう話し合いをクラスみんなでできるといいよね』
『先生が言ってる通りに、その子が助けてほしいって言ったら助けてあげて、言うまでは見守ってあげて……とはまだ理解できない感じなのかな? 「自分でやりたいかもしれないから、相手が教えてと言うまでは黙っていようね」というのは、相手に障害がない場合でも同じかもしれないね』
今回のケースに限らず、自分がよかれと思ってした行動が相手にとっては大きなお世話になってしまった……という経験は誰しもあるのではないでしょうか。投稿者さんのお子さんは困惑してしまったかもしれませんが、人間関係を学ぶいいチャンスとなったかもしれませんね。また今回のことを踏まえて、今後の雰囲気をよりよくするためにクラス全体で話し合いの場を設けてみてもいいのではと話してくれたママさんもいました。
投稿者さんのお子さんは「困っているお友だちを助けてはいけないの?」と混乱してしまったことでしょう。「相手に手を貸す」というのは、子どもに限らず大人にとっても難しい場合があります。相手の気持ちも自分の親切心も尊重するために、困っている人を見かけたらまず少し相手の様子を見てみるのがいいのではないでしょうか。見守る時間が、相手にとっての助けになるかもしれません。もしどうしても気になるならば先生に伝えてみる、または「何かできることはある?」と声を掛けてワンクッションを置いてみるのがいいかもしれませんね。
文・motte 編集・荻野実紀子 イラスト・Ponko
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