ワンオペ育児+介護の「ダブルケア」が辛すぎて限界……同じ境遇の人がしたこととは
子育てと同時に親などの介護や世話を行う必要がある状況のことを俗に「ダブルケア」と言います。
平成28年の内閣府の調査によるとその人口は約25万人で、そのうち女性が占める割合は17万人と男性の約2倍の数値です。
実際に育児と介護を同時進行で抱えているママたちは、どう考えどのような生活しているのでしょうか。ママスタコミュニティには「ダブルケア」をするママからの投稿がありました。
『12歳、7歳、5歳の3人の子どもがいて旦那は単身赴任です。90歳の祖母が近所に住んでいて、3日に1度の買い物と祖母が自分でできないことを助けています。銀行や病院付き添いもします。ワンオペ育児に加えて介護の生活。もう限界です……』
投稿者さんの悲痛な叫びに、実際に介護を経験したことのあるママたちからアドバイスが寄せられました。
デイサービスやヘルパーさんに頼みたい。しかしヘルパーさんを拒む高齢者もいる……
『それは大変だよー! 介護頼んだ方がいいよー』
『ヘルパーさんに入ってもらったら? 付き添いや買い物等をしてくれるよ。銀行だけは投稿者さんが付き添うことにして。要介護認定してもらうと、週に何回かデイサービス行けるようになるかも』
投稿者さんのご両親は亡くなっているとのこと。まずは、介護保険を利用して公的な支援を受けてみてはどうか、というアドバイスです。介護サービスを受けるには役所からの要介護認定を受ける必要があります。状況に合わせて5段階の「要介護認定」、介護は必要なくとも生活の支援が必要な「要支援認定」の2種類の認定が受けられます。
このアドバイスを受けて、投稿者さんは答えます。
『今、要介護1。週1回デイサービスに行っている。でもヘルパーさんが来るのを拒んでる。「私はまだ大丈夫だ。お前がいるし」と。買い物代行とか、弁当配達も拒否する……。今春、派手に転んでから自分で歩こうとしなくなって、自分でスーパーさえ行かなくなっちゃった』
要介護認定を見直した方が良いのでは?自分も同席で
投稿者さんの祖母さんは要介護認定で「要介護1」と認定されています。そのレベルが妥当なのか、という疑問の声があがりました。
『ケアマネさんに言って立ち会いで、改めて認定してもらったらいいと思う……』
『再認定をお願いして同席したほうがいい。私も介護してたんだけど、介護日記つけてそれを読んでもらったよ』
『要介護認定受けるときにどうした? 本人だけが話をしてるとできないこともできると答えたりするから、同席して困っていることは困っていると伝えないと低い介護度が出てしまうこともあるよ』
『転倒して足が悪くなったなら、なおさら認定をやり直した方がいい。とにかくケアマネによく相談してみるといいよ』
『母が3年前、アルツハイマーがわかって要介護認定を受けたときは私が同席したよ。母はプライド高いから、パソコンで母の飲んでる薬や、言動などの資料を作ってこっそり渡したよ。ケアマネと私は歳が近いからラインでよく相談できるし、月に1回は訪問してくれてるよ』
市町村に再認定をお願いする際には、介護者も同席し、現状をきちんと伝えることが大切とのことです。認定の際に「自分でできる」「まだ頑張れる」と主張する高齢者も少なくありません。介護する側が何に困っているか、実際の行動を記録して伝えることも必要でしょう。
ホームへの入所はどう?
『おばあちゃんに資産があるなら老人ホームに入所が1番じゃない?』
『90歳で介護度1って、元気なんだね。うちは母をみたけど施設に入れたよ。介護度ギリギリだったけど、1人では生活できなくなったから。費用がどうにかなれば、施設はどうですか?』
『特養、空きはないけど事情話して優先順位がよくなるということはないかな?』
金銭的な問題はありますが、介護施設への入所も1つの方法です。入所が難しい場合は、短期間入所する「短期入所生活介護(ショートステイ)」の利用も検討してみても良いかもしれません。
ワンオペ育児は手を抜けるところを抜くことから
投稿者さんの悩みは「介護」と同時に「ワンオペ育児」があるという点です。旦那さんが単身赴任で助けが得られないとのことですが、育児の部分をラクにする方法はないでしょうか。
『食事は冷凍や出来合いでもいいやん! 手を抜けるところはとことん抜いて頑張るしかないよね。テキトーにやろう!』
最近では冷凍食品やスーパーのお惣菜も便利で美味しいものが揃っています。忙しい日や疲れた日にはそれらを利用するのも良いかもしれませんね。
そして投稿者さんのお宅はお子さんは一番上が12歳です。小学校高学年にもなれば、お米を研いで炊飯器のスイッチを入れることはできるでしょう。洗濯物を取り込んで、たたむこともできるかもしれません。これまでママが一手に引き受けてきた家事をお子さんたちにも分担してもらってはいかがでしょうか。
また、ご近所さんの手を借りる、ママ友に助けてもらう、というアイデアもありそうです。出かけられない日には買い物を手伝ってもらう、お子さんの送り迎えを助けてもらうなど「助けてほしい」と伝えておくだけで、応援してくれる人が増えていくのではないでしょうか。
遠くからでも、エールを送りたい!
『アドバイスもなにもできないけど、あなたにたくさんいいことが起こるように祈ったよ』
『読んでて涙が出た。あなたはすごいよ、偉い! 私なんて専業で子どもも1人(中3)なのに、隣県の実家に週1、2回帰って、アルツハイマーの母(76歳)の相手をするだけでぐったり……。責任感とか、罪悪感とか、お世話になったからとかいろんな気持ちはあるだろうけど、そこまで負担することないと思う』
『すごい。頑張りすぎないでね』
『お疲れ様。読んでいるだけで大変さが伝わってくる。人間、歳をとると強情になるもんね。周りは変えられそうにないし辛いね』
『あなたが倒れたら大変。睡眠は取れてる?』
寄せられたのは心配する声と応援する声でした。「何もできないけれど、いいことがたくさんあるように祈った」というコメントがあるように、投稿者さんの身を案じエールを送るママたちがたくさんいます。
今こそ誰かの手を借りるとき
今の投稿者さんに必要なのは、周りを巻き込む勇気かもしれません。自分が倒れてしまっては元も子もありません。「今だけ頑張れば良い」のではなく「今こそ誰かの手を借りるとき」ではないでしょうか。
手助けを得て生まれた隙間時間には、溜まった家事に目を向けるのではなく、まずはママ自身が休むことを考えてみませんか。好きな音楽を聞くもよし、録りためたドラマを楽しむのもよいでしょう。久しぶりの外出で気分転換をはかるのはどうでしょう。育児と介護で疲れた自分自身を癒すことを先決にリセットできる時間を過ごしてみてください。
今回の投稿に温かなコメントが溢れたように、陰ながら応援している人たちはたくさんいます。同じような状況にあるママ、辛いママにはまず、悩みを共有する人はいるのだと感じてほしいと思います。筆者もコメントを寄せた多くのママたちと同じように「ダブルケア」と戦うママたちにエールを送ります。
文・すずらん 編集・しらたまよ
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