実母からネガティブなことを言われ続け、性格がねじ曲がった私。第1子妊娠中だけれどこの先の自信がない……
母から「あなたにはできない」と、呪詛(じゅそ)のように言われながら育った少女がいます。新しい命をお腹に宿し、これからママになるとき、母から唱え続けられた黒い呪文は、彼女にまとわりついて離れないようです。ある投稿者さんからママスタコミュニティに
『人のせいにしたくないけれど、完全に親の影響で私の性格ができ上がったと思っている。小さい頃から何か成功しても、「どうせ後からダメになるよ」とか。◯◯ちゃんがこうだったというと、すぐに「あんたのことが嫌いなんじゃない?」とか、「嘘つかれているんじゃない?」という母親だった。今の旦那と付き合っているときも「どうせすぐフラれるよ」とか「騙されている」とか言われた。仲はいいけれど正直、親のせいで自己肯定感がかなり低いし、人をすぐ疑う人間に育ってしまった』
と投稿が寄せられました。第1子を妊娠中の投稿者さんは、自分に自信がなく、自分を守るために常に最悪の事態を想定してしまうのだそう。「嫌われちゃったかな?」とか「悪口をいわれているのかも」ととても気にして、些細なことでもネガティブになってしまうといいます。
(参考:広辞苑第七版「呪詛」)
母にかけられた呪いの言葉に縛られて、今でもつらい
投稿に寄せられたママたちからのコメントには、投稿者さんと同じように幼い頃から母にネガティブな言葉をかけられてきたことが、心の重荷になっている方がいました。
『とくに友だち関係で、似たようなことを言われたな。遊びに来た子が予定より早く帰っただけで「あんたと遊んでもつまらないんじゃない?」。近所で同級生たちが遊んでいたと伝えてきて「AちゃんもBちゃんもいたけれど、あんたは誘われていないね」。クラスで目立った子に誘われて遊びに行くと伝えると「なんであの子があんたなんか誘うの?」。こっちは気にしていないのに、わざわざ不安にさせることをいってくるんだよね。当人はいったことも忘れているだろうな』
『ねじ曲がらないように気をつけているつもりだけれど、頭のなかにはあるよ。天使と悪魔の声みたいな。たとえば誰かが失敗したとき、最初に悪魔が出てきて「だから言ったじゃん。馬鹿じゃないの?」って頭の中でいっている。うちの親そのまま。そのあとに天使が出てきて「大丈夫? 気にしなくていいよ」っていっている。そのうちコントロールできなくなるかもしれない』
『私も母のせいで自己肯定感がとんでもなく低い。常に否定され、嫌味ばかり。母が友だちのママと話しているときも「うちの子はバカだから」とか、「うちの子は全然ダメで」とか常に私のことを下げて話のネタにされていた。イライラする。人生めちゃくちゃにされたようなものだわ』
『私も「心から信用できる友だちなんていない。本当は影であんたのこと笑っている。本当はみんなあんたのことが大嫌い。あんたには才能なんて何ひとつない。どうせ何も成し遂げられない。親族の悪いところを集めたようなみにくい顔。ウスノロ、鈍臭い、ノロマ、ブタ、役立たずの穀潰し」と家を出るまで、呪いのようにいわれ続けていた。いじめられていたけど、かばうどころか「お前が悪い」と。自尊心も自己肯定感も育たず、常に自分に自信がなく、疑心暗鬼と猜疑心ばかりで他人をまったく信用できない。人の顔色ばかり伺って、自分の意見も出せない。疑った自分に自己嫌悪を感じて、負のループ。「お前はみんなから嫌われている、家族も誰ひとりお前なんか好きじゃない、産まなきゃよかった」と母からいわれていたけど、呪いが40歳近くなってもとけなくてつらい』
『テストで80点とったら「普通だね」。90点で「で、何位なの? なんだ1位じゃないのか。大したことないな」。たまたま休みの日に友だちと出かけず、家にいたら「誘ってくれる友だちもいないの? 嫌われているんじゃないの?」っていわれて、そういわれたら自分で「私は嫌われているかも」と思って自分から誘うのが怖くなった。数々の暴言で自分に自信が持てませんでした。大人になり結婚して子どもを持ち、親がおかしいとわかった今は自分に自信をもつようにしています。それでもときどき不安になる』
母が疲れたり勢い余ったりしたとき、幼い娘に対してふと口先から出てしまった言葉なのかもしれません。しかし自分の存在すら否定されるような言葉に打ちのめされた思いは、ママになっても心の奥底に澱(おり)のように沈んでいるのです。
(参考:広辞苑第七版「澱」)
お母さんがひどいことをいったのは、わが子を心配してのことかも?
母からかけられた言葉は、たしかにひどいものだったのかもしれない。しかしひどい言葉を投げた理由は「ほかにあったのかも……」と推測するママもいました。
『いい方はアレだけれど、とらえ方を変えれば心配してくれているね。子どもが傷つくとイヤなんじゃない?』
『投稿者さんのお母さんほどストレートじゃないけれど、私にも同じようなところがあるな。人を疑うばかりじゃダメだけれど、わが子が何でも信用して傷つくのは見ていられない。投稿者さんはひねくれているんじゃなくて、賢く育ったって考え方の方がいいと思うよ』
投稿者さんを思うあまりに、お母さんが少しヒステリックな状態で放ってしまった言葉なのかもしれません。ママスタコミュニティに寄せられた数々のエピソードに、「もしかしたら自分もわが子を傷つけているかも」と恐れるママのコメントもありました。
『どうしよう。私が毒親なのかも。よかれと思ってやっていることが、すべて裏目に出る気がする。自信がない。お母さんやめたい』
一生懸命に子育てをしているママたち。ときにはわが子を思うあまり、感情的になってしまうこともありますよね。きついひと言をいってしまってから、わが子に気づかれぬように反省したことがあるママもいるのではないでしょうか。
呪いを連鎖させないための白魔術があるよ
母の呪詛のような言葉から逃れるために、ママたちが白魔術の言葉をかけてくれました。
『うちの母親は「あんたにはムリだよ」が口癖だった。だからやる前から「私にはできないと思う」っていうようになった。わが子が2歳のときにうちの母と3人で公園に行って、大きめの遊具に挑戦しようとしたときに「○○ちゃんにはムリだよ」といったことがある。私がこうなったのは母のせいだなって思った。性格によっては「そんなのできるの? ムリでしょう」というと「やれるし!」とムキになってやる子もいるけれど、私たちは違う。「じゃあ、やめる」と娘はいったけれど、「できる、できる! 大丈夫! やってごらん」といったらやれたの。わが子にどう声かけするかって、本当に大事だなって思った』
『私の母もそうだった。だから反面教師にして、わが子にはポジティブなことしかいわないようにしている。旦那には甘やかし過ぎといわれるけどね』
『いろいろすり込まれたのね。でもさ、気づいたってすごいことだよ。親を尊敬しているのがいい風潮だけれど、私は半分正しくないと思う。親がえらいわけではない。間違いに気づくことが大切。自分が自分でいることが大事』
『今もお母さんと連絡をとっているの? 過去の経験が未解決のままで終わっていると、いつまでも思い出しちゃうらしい。できるならつらくてもお母さんに会って、そのときの気持ちを話して、謝ってもらえたら楽になると思う。お母さんは覚えていないかもしれないけれど、気持ちを伝えるだけでスッキリはするし、前向きになれると思う。私は謝ってもらえなかったけれど「昔こんなひどいことをいわれて傷ついた」って話して、少し気がすんだかな』
『お母さんを反面教師にして、かわいいわが子に愛情をいっぱい伝えて、あたたかい言葉をたくさんかけて育ててね! 自分の生い立ちを嘆いて人のせいにするか、これからに活かすかは投稿者さん次第だよ』
幼い頃に母親から言い放たれたマイナスの言葉に、大きくなっても心を縛られているママたちがいます。呪詛のような言葉に、思いや行動を縛られてしまっているのです。日本の憑きものに関わる信仰や習慣を研究しまとめた書籍「日本の憑きもの」の中に、
『キツネが憑くという現象は、キツネが憑くと信じられている社会にのみ生まれる』
吉田禎吾「日本の憑きもの」(中公新書)
とあります。呪いもその呪いを信じる者に、効力が発せられるのかもしれません。「あなたにはムリだ」といわれた呪いを解くためには、「私にはできる」と自身にいい聞かせること。それはママ自身の光で輝き、周りの世界を好きになることではないでしょうか。第1子を妊娠している投稿者さんへ。お腹の赤ちゃんを精一杯の愛情で包み、ステキな魔法の言葉をかけてあげてください。ママ自身がわが子にかけた言葉はいつかきっと、ママ自身をも包んでくれるでしょう。前を向いて、輝ける1歩を。
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