大切な身内が亡くなっても日常生活は送れるのだろうか……あるママがそう思った理由とは
大切な家族がこの世を去ったとき、しかもそれがわが子だったとき……。自分がどういう状態になるか、考えてみたことはありますか? ママスタコミュニティに、脳裏から離れない、ある情景を語ったコメントがありました。
『身内が亡くなりショック状態で、どれくらい普通にいつも通りのことをこなせると思う?
もう20年前だけど、当時小学生の弟が事故で亡くなった。亡くなった次の日の朝、寝不足状態でも母がいつものように朝食を作ってくれた。私もいつものように犬の散歩をした。すごく辛いし悲しいんだけど、いつも通りの朝が来たことを覚えている。自分に置き換えると、子どもが亡くなった次の日に朝食を作れる気がしないし、犬の散歩もできる気がしないんだけど、当時はそうだった』
衝撃的な出来事と相反するような日常の風景が忘れられない投稿者さん。悲しみに暮れているはずのお母さんが、なぜいつも通りだったのか……。年月が経った今も考えてしまうようです。
身内を失くしたとき……私はこうだった
辛い思い出ですが、大切な身内を亡くしたときの自分の様子を語ってくれたママたちがいました。
『子どもが亡くなった次の日は、たしか上の子には母が何か用意して食べさせてくれてたと思う。私たちは何を食べたか覚えてない。食べてないかもしれない。覚えてるのは、お葬式の手配で忙しくして気持ちをごまかして、夜中に泣いてたこと。上の子がいたから何もしないわけにもいかないし、とりあえずやらなきゃいけないことはやってたよ。上の子がいなかったら、廃人になってたかも』
『母が死んで1年。母が死んだら絶対に普段の生活できないって言ったけど、次の日も子どもたちの世話をしてた。おにぎり握って、着替えさせて、お風呂も入れてたな。辛いのは今も変わらないよ。普段の生活は送れてるけど、ふとした瞬間に思い出してどうしようもなくなって、たまに一人のときに号泣したりしてる。その繰り返し』
ただただ目の前の「やらなければならないこと」をこなし、夜中や一人になったときに涙する……。悲しみは今も消えません。
『兄が亡くなったとき、どうだったかな。父も母も私も廃人のようになってたかも。母は食事を作れるような状態ではなかったと思う』
『私も、子を事故で亡くした。私は何もできなかったし、私の親がずっと付いていてくれて、何もしなくていいと言われた。ずっと泣いていた。旦那に「いつまで泣いてんの? 辛気臭い」って言われたときは殺意が湧いた』
悲しみで何もできない……それが普通かもしれません。それなのに父親である夫が妻を責めるなんて。辛い経験をした人たちを思いやるコメントも届きました。
『大変でしたね。今は落ち着いた生活ができてますか? 知人が「亡くなって体はなくなるけど、魂ってなくならないで側にいるんだよ」って教えてくれました。人間としての寿命だからって。あなたやお子さんの魂が穏やかに過ごせていますように』
『幼い身内を亡くされた方々の隣に座って、背中をさすってあげたいよ。今このトピ見て泣いちゃってるもん。悲しいね。寂しいね。でもご飯は食べて、眠ってね』
お母さんが朝食を作れたのは、投稿者さんがいたから
「自分だったら、子どもが亡くなった次の日に朝食を作れる気がしない」と語る投稿者さん。なぜお母さんが朝食を作ることができたのか、今も理解できないのかもしれません。しかしそんな投稿者さんの存在が、お母さんの心の支えだったのではという指摘がありました。
『子どもを失った悲しみは計り知れないもの。朝食作りながらも、お母さんの頭の中では悲しみの渦が回ってたと思う。でも何でいつものように朝食を作っていたかというと、あなたもお母さんにとって大切な子どもだから』
『あなたのために日常を維持しようとお母さんは努力されたんだろうね。日常に集中することが、辛い出来事を乗り越えるのに必要だったのかも』
お母さんだって悲しくなかったわけがありません。それでも娘にいつも通りの朝食を出してくれた、その気丈なふるまいにママたちも感銘を受けたようです。
『やっぱりもう一人子どもがいるから、お母さんも必死で日常を演じたんだと思う。すごく強いお母さんなんだと思う』
『あなたという大事なもう一人の子どものためだから。旦那さんだけならできないし、やらないと思う。立派な母親ですよ。いい母親』
もし筆者がわが子のどちらかを失ったら……、正気でいられる自信はないです。でも残されたもう一人のわが子も、きょうだいを失った悲しみを抱えている……。そう考えたら自分だけが悲しみに暮れているわけにはいかないと考えるかもしれません。そこで何とか体と心を動かせるかどうか、子を持つ親として考えさせられました。
投稿者さんの心に芽生えた、ある思い
『お母さんはそのときの記憶あるかな? 何かやることで自分を保ってたのかもしれないね。現実を受け入れられなくて、いつも通りに過ごそうとしてたとかさ』
という質問に対して、投稿者さんはこう答えています。
『あると思うけど、聞いたことないなぁ。弟の話をするときも楽しかった思い出だけで、事故のことは話題にならない。私はあの事故から一夜明けた朝の天気と匂いまで覚えてるけど……。いつか聞きたいなとは思う。どんな気持ちで起きてきて、朝ごはん準備してくれたんだろ』
悲しい事故のことは話題にならないという投稿者さん親子。無理に思い出させてお母さんが辛い思いをするのであれば、聞かずに過ごすのもいいかもしれません。しかし当時子どもだった投稿者さんには見えていなかった一面もあるはずです。投稿者さんも母となった今だからこそ、聞ける話もあるのではないでしょうか。
『(弟が亡くなった日の夜)眠れなかったんだろうな……。何だか母のことがもっと愛おしくなってきた。あとで電話しよう……』
きっと弟さんが亡くなる前も、亡くなった後も、愛情あふれるお母さんだったのでしょうね。今改めてそんなお母さんを愛おしく思い、寄り添おうとしている投稿者さん。天国の弟さんも、きっと母娘の姿をうれしく思って見守っているでしょう。
文・千永美 編集・秋澄乃 イラスト・Ponko
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