【後編】緊急避妊薬が薬局で買える時代へ。その前に性教育ってどうしている?
性交直後の服用で妊娠を防ぐ「緊急避妊薬」。この薬について、医師の処方箋がなくても薬局で購入できるようにする方針を政府が固めたとの報道がありました。
ママスタセレクト編集部ではこの緊急避妊薬について座談会を実施。ママとしての本音と心配が出たあと、話は性教育のことに及びました。
性教育って何から始めている?
とう子:みなさんは命の話……性教育についてどこから話していますか?
ひょう:水着で隠れる部分は、人に触らせてはいけない、触っちゃいけないゾーンなんだよと教えていますね。
ふく代:私も下着で隠れる部分と言っていますが、ほとんど同じです。先日幼稚園のお遊戯会を見学に行ったのですが、結構お遊戯の動きが激しくて……。これはレギンスを履かせないといけないなと私は感じて履かせるようにしました。でもレギンスを履かず、特に座ったときにパンツ丸見え状態になっている子もいます。これはヤバいと思ったりもします。
とう子:私も小2の息子には、生理の話をしています。女の子には生理で辛い期間があると知ることで、将来女の子に優しくできるようになってほしいですね。
「自分のときより恋愛は早くやってくる」親の意識が変わる時代が来ている
とう子:最近、小2の息子に「彼女ができた」って言われたんですよ(笑)。といっても私はその女の子が誰か知らず、息子も家まで送るくらいしかしていない、カワイイ感じなのですが。うちの子は自分からは言わないけれど聞いたら答えるタイプなので話してくれましたが、女の子側は親御さんが「お付き合い」を知っているかどうかはわかりませんね。
あい奈:最近では女の子向けの漫画の月刊誌でも、結構攻めた描写がありますよ。私など昔は、キスシーンだけで「キャー!」となったものですが……何がとは言いませんが、ここまで進んでいるのか~という描写が……。女の子の方が知識がありそうです。
とう子:イマドキですね……! 知り合いでも、初体験が中学生だった子もいます。早いです。
とや香:やっぱり性に関する情報に接するのが早いんですね。知識のある女の子だと逆に親に言わないかもしれない。親も「恋愛は早めにくる」と意識を変える時代に来ているのだと感じます。
あい奈:ほかにも顔も知らないけれど会いに行こうというように、SNSなどネット上での出会いやマッチングアプリもあるので怖いなと思います。
とや香:酔わされてどこかへ連れて行かれちゃうとか、性犯罪に近いことをされた人は、きっと被害者が声を挙げていないだけでいっぱいいるんだと思います。その子たちを救う意味でも、緊急避妊薬は選択肢としてある方がいいのでしょうね。
適切な使用のために、情報はもっと欲しい
とう子:緊急避妊薬は、販売のお知らせよりもまず、広く薬に対する情報を提供してほしいですよね。緊急避妊薬は最終手段であって、他の避妊をしなくていいということではないですし。
とや香:そうですね。選択肢として必要なものだとは思うだけに、ちゃんと知っておきたいです。
ひょう:薬の副反応についても、なんの症状がどれくらいあるのか……。頻繁に服用していたら危険かもしれないですし、それこそ女の子の方にばかり負担がかかってしまいますし。
ちば美:副反応がひどすぎると、学校に行けなくなってしまいますもんね。
ふく江:将来の妊娠に影響がないかという懸念もありますよね。値段が高いですし、100%防ぐものでもないのも気になります。男の子のママも、しっかり知っておかなければと思います。
あい奈:コンドームと同じくらい、学校でも教えてほしいですね。私自身は学校で割とフランクにコンドームについて学んだのですが、ハードルは低く感じました。
とう子:自治体からもらえる資料の中に、緊急避妊薬も含めてピルの話を入れてもらいたいです。
ひょう:国の方でもこれから、パンフレットでもなんでもいいので、緊急避妊薬についてもっと情報をいただきたいですね。親の方こそ、知っておきたいです。
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子どもに知る機会を提供するのは、大人の役目です。望まない妊娠を防ぐため。悲しい思いをする女性を減らし、救うため。医療という難しい分野ではありますが親としては、命のあり方について学び、子どもに伝え続けないといけないのですね。
今後の緊急避妊薬をめぐる取り組みに、ぜひとも注目していきましょう。
取材、文・しらたまよ