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子どもが全然本を読まないのはなぜ?学校の図書館の先生が気づいたこと

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「本をたくさん読んでほしい」「必要な知識を本から得てほしい」。そう願うママは多いのではないでしょうか。読書は豊かな心や知識を育んでくれますよね。学校や自治体でも子どもの読書率を上げるためさまざまな対策を試みています。

筆者には学校司書、いわゆる図書館の先生としての勤務経験があります。勤務当初は子どもたちにたくさん本を読んでもらおう! と意気込んでいたのですが……。現実はそう上手くはいきませんでした。「子どもが全然本を読まない……」というママたちのお悩みを、とても理解できます。

子どもが図書館で本を読まない理由を学校司書として知る

子どもは本や学校図書館に対して「読まない」「興味・必要がない」「知らない」という現実がありました。新入生に利用ガイダンスを実施しても4月の慌ただしく気を張り詰めている時期。学校図書館の利用案内は大量の配布物のなかで埋もれてどこかへ、内容は頭に入っていない子どもが多いよう……。「学校の図書館がどこにあるのかわからない」なんて子どもも多く、館内にいくら良い本を展示をしたり本の紹介ポップを作ったりしてもあまり効果がなかったのです。そもそもなじみがなく“借りる”ことすらわからない場合も。「ここの本って持ち帰っていいんですか?」という質問も少なくありませんでした。

そんななかいろんなイベントを実施して利用率を上げることにとても苦労しました。「本を読ませよう」の前に、まず本はどこで借りたり探したりできるのかを知ること、意識づけが重要かもしれないと感じました。

子どもの読書は家庭での影響が大きい

そこで注目したいのが、文部科学省が公表する「子供の読書活動の推進等に関する調査研究」による、「読書をするきっかけ」の結果です。「家族が一緒に本を読んだり図書館や本屋に連れて行ってくれたりすること」が小学生では1番で50%を超えています。小学生・中学生・高校生ともに「学校で行われている読書に関する取組(いっせい読書の時間(朝の読書)など)」の理由より上回っていて、いかに家庭での影響力が大きいかがわかります。
また子どもの読書活動を推進する方策のひとつとして、以下が述べられています。

『子供を中心に家族で同じ本を読み,絆(きずな)の一層の深まりを目指す家読(うちどく)』

筆者の実体験からも親の影響力は断然大きいと感じます。あまり接点のない学校司書が授業で30分ほど熱心にすすめるより、「これはドラマの原作でお母さんが興味があると言っていた!」など家族の影響が本を借りる主な動機だったからです。「家族が好き=良いもの」という感覚があるのでしょう。そうすると学校よりも長い時間を過ごす家庭での向き合い方がやはり大事になるのかもしれません。

親子で本に触れる工夫

普段から子どもと“本とのかかわり”を持つなんて、ハードルが高く時間もないと感じてしまうかもしれません。以下を取り組み例としてご提案します。

最寄りの図書館に一緒に行く

貸出のルールを確認したり、展示コーナーの本を手に取ったりするのがおすすめです。何度か一緒に訪れると子どもが図書館の利用方法を把握でき、子どもだけでも利用しやすくなるのではないでしょうか。

本屋に一緒に行く

本以外にも本や映画のポスターや「○○の100冊」といった本の紹介の冊子も楽しめるでしょう。先の調査でも中学生・高校生では、「宣伝や広告を見て」というのが読書のきっかけとして最も多い理由です。本屋へ行くのが難しければ、本屋のSNSで新刊情報や書店員が作ったポップなどの情報を一緒に見ると興味を持ちやすいかもしれませんよ。

好きな本、人生を変えてくれた本などの話をしてみる

本を通じて人生や経験の話をして、親子で新たなコミュニケーションのきっかけにしてみませんか。

大人が子どもの読む本を否定しないことも大事

本に限らず子どもにとって親や大人に否定されるショックは大きいもの。「表紙や挿絵にアニメイラストがある本は親にダメと言われた」と、ある中学生が返却のときに言いました。しょんぼりした様子で、読書にマイナスイメージがついてしまったのが如実に表れていました。
敬遠しがちな本でも「どんな本なの?」と聞いてみると良いきっかけになるのではと思います。「漫画メインだけど歴史がテーマの本だよ。勉強に役立つよ」など筆者も教えられた経験は何度もあります。子どもの流行についていけないことも多いですが「どこがおもしろいの?」と聞くことで新たな発見がありました。動物のおもしろい生態が載った本を持っていた中学生とは、放課後1時間ほど話が盛り上がったことも。テストや勉強に関係のある本ではなかったものの、本がつないでくれた出会いでした。

本がきっかけで新たなコミュニケーションが生まれるかも。家読をはじめてみませんか?

筆者自身も両親が読書家だったため、自宅にはたくさんの蔵書や図書館の本が山積みという環境でした。「本を読め」とも「そんな本はダメだ」とも言われたことはありません。「今の学生はこんな本を読むの?」と話しかけてきて、両親が私の読んだ本を読むこともありました。自然と本に興味を持つようになり、図書館司書の資格を取得して学校司書をするほどです。

みなさん仕事や家事にと毎日忙しいと思います。そこで「ドラマの原作の小説や作家の話題を出す」「子どものとき読んだ本の話をする」などからはじめてみてはいかがでしょうか。「家読」は同じ本を読むだけでなく、コミュニケーションの一環として本を話題に出したり本の感想を伝えたりすることも含まれるのではないかと思います。次のお出かけの場所を図書館や本屋にしてもいいですよね。本の話がきっかけで子どもから教わることもありますよ。

文・木村泉 編集・しらたまよ

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