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【前編】「性教育はまだ早い」と、もう言えない!日本と世界の性教育の違いからわかること

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幼児や小学生の子どもにママやパパから性教育はしていますか? 学校で習うまで家庭内では特に何もしないという考えのママやパパもいらっしゃるかもしれません。
日本では性教育=男女の性交というイメージや、いやらしい、親子でオープンに話題にしにくい、などといったネガティブな印象はないでしょうか。他にもまだ純粋無垢な子どものままでいてほしいという思いがどこかにあるのかもしれません。

しかし現実はもっと厳しく、幼い子どもが性犯罪に巻き込まれるケースや、10代の望まない妊娠などのニュースをたびたび耳にします。簡単にインターネットで性に関係する情報が入手できる今、正しい性教育の必要性が問われています。

日本の性教育の現状とは?

筆者が子どもの頃の性教育の記憶といえば、小学校4年生頃に女の子と男の子を別室に分けて、女の子には生理の話をされたもの。近年の日本の性教育は文部科学省の学習指導要領によると、小学校4年生で

『体は、思春期になると次第に大人の体に近づき、体つきが変わったり、初経、精通などが起こったりすること。また、異性への関心が芽生えること』(108ページ)

中学校では、

『妊娠や出産が可能となるような成熟が始まるという観点から、受精・妊娠を取り扱うものとし、妊娠の経過は取り扱わないものとする』(222ページ)

と記載されています。男女の体の仕組みは習うものの、一歩踏み込んだ内容までは教えないこととしているようです。しかし、ママスタコミュニティに寄せられた小学生の子どもを持つママたちによると、外部から先生を呼んで性教育に取り組む学校もあるようです。

『うちの子の小学校は1年生から学習するよ。男の子には種があって女の子には卵があって種と卵が一緒になると赤ちゃんができるって習ってきたよ。5年生はパソコンで受精から妊娠までの様子を学習していた』

『うちの学校は、4年生に保健師さんが来ていのちの授業をした』

『学校では5年だった。命の授業って名前で外部団体が受精から出産、赤ちゃんの様子を保護者交えての参観でした』

一方で、男女の体の仕組みや妊娠の仕組みは学校で学習するものの、「性交」までは学習しないので、子どもからの質問に戸惑ったという意見もありました。

『仕組みは習うけど、どのように精子が卵子と、結びつくかは習わないのですね、少し安心しました。でも授業中、子ども達も疑問にならないのでしょうかね? どうやって精子が卵子に辿り着くのか……』

『うちもこんな感じで習ってきたよ。だから、どうやってお母さんのお腹のなかに精子が入るの? と純粋に聞かれて困ったよ』

子どもにとっては素朴な疑問です。しかし性教育がオープンにされていない日本では、できれば説明を避けたい思うことや、どのように説明すれば良いのか戸惑うことは当然ですよね。実は日本は国際基準に比べると性教育後進国なのです。

性教育における国際基準は驚くほど進んでいる

ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)のガイダンスによると、性教育は5歳から8歳をレベル1として、9歳から12歳をレベル2として設定しています。

レベル1(日本では小学校入学前後の年齢)

この年齢の学習目標として男女の体の違いを認識し、成長と共にそれぞれ異なった変化をたどること、さらに卵子と精子が結合して赤ちゃんが生まれることを挙げています。排卵、受精、受胎、妊娠、分娩と多くの段階があることまで踏み入った内容も幼少期から知っておく必要性が述べられています。

レベル2(日本ではようやく性教育の始まる小学校4年生頃から中学入学前後)

この年齢の学習目標として驚くことに、なんと避妊についての項目が入ってきているのです。無防備な性交は意図しない妊娠や性感染症の危険があり、性交自体を避けること以外にも、コンドームなどの正しい避妊法を知ることまで学習項目に挙げられています。

正しい性教育に悪影響は見られない

日本の学校で一歩踏み込んだ性教育を行おうとすると、まだ興味のない純粋無垢な子どもに興味を持たせてしまうと言った、いわゆる「寝た子を起こすな」という反対の声もあるのではないでしょうか。しかし、筆者は日本の性教育は世界的に見てかなり遅れているように感じます。ユネスコによると2008年時点での世界中の性教育に関する研究を可能な限り分析した結果、正しい性教育を受けた子どもたちが「初めての性交」を「早めた」という研究結果は出ていないとしています。むしろ「遅らせた」が37%、「影響なし」が63%となっていたそうです。幼少期から段階を踏んで正しい性教育を受けることに、性的行動に対して安易に考えるようになるなどの悪影響は見られていません。むしろ子ども自身が性について、慎重に考えるようになるメリットのほうが大きいのではないでしょうか。

参考:明石書店「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」

性教育の必要性は高まっている

日本でも性教育の必要性は高まりつつあります。実は、東京都教育委員会は2019年に14年ぶりに「性教育の手引」を改訂しました。ただし「性交」を含む妊娠の過程や性感染症に至る過程についてはまだ触れられていません。しかし、現実はコンビニエンスストアでもインターネットでも簡単に歪んだ性描写が意図せず子どもの目に入り、フィクションで作られた性描写を性に対する知識として得てしまう危険性があります。また、思春期に入る頃になると親子で性の話をすることはお互いに恥ずかしさもあって難しくなってくるでしょう。だからこそ性に対して間違った知識を持つ前に、そして恥ずかしいという偏見を持つ前に正しい性の知識をつける必要性があるのではないでしょうか。

そこで小学校入学前後から家庭での性教育に子ども向け絵本『幼児・小学生そしておとなへ あっ!そうなんだ! 性と生』と、性教育をどのように始めたら良いのか悩むママ、パパ向け漫画『おうち性教育はじめます 一番やさしい防犯・SEX・命の伝え方』の2冊を中編・後編でご紹介します。

中編へ続く。

参考:東京都教育委員会|「「性教育の手引」の改訂について」

文・ゆかりんご 編集・木村亜希

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