【後編:夫SIDE】世間が不安な状況なのに旦那が飲み歩いて……!?ママの怒りの復讐とは
夕方、そろそろ帰れるなと思っていた矢先、社長から飲みに行くよう誘われてしまいました。どうやら、酒好きの上司も一緒。なんでわざわざこのご時世に……。
内心あきれ返るけれど、相手は社長と上司。普段からも押しの強い人たちで、私は断ることができませんでした。
渋々、繁華街へ向かいながら、妻へLINEをすると当然だけど抗議のメッセージ。気持ちはすごくわかるし、自分だって本当は行きたくない。
けれど、きっと今どんな言い訳をしても聞いてはくれないだろう。そう思うと返信しようとする手が鈍って妻との連絡は一旦そのままにしてしまいました。
なんとか開いている店を見つけて3人で飲み始めるも、なんとなく気はそぞろ。社長も上司も感染症が怖くないんだろうか? 上司なんてたしか、シングルマザーで子どももいるはずなのに。理解ができない。ハタから見たら彼らと一緒にいる自分も同じなのだろうけど……。
頭の中では、妻にどう話せば許してもらえるだろうとばかり考えてしまい、酒を飲んでいても全く楽しむことはできない。けれど「これも仕事だ」と思い込んで、とにかく時間が過ぎるのを待ちました。
ようやく解放されたときにはすでに日付が変わって、終電もとっくに終わった時間帯でした。
「……タクシーで帰るのも怖いしなぁ」
ついさっきまで居酒屋にいたくせに、密室を恐れて歩いて帰る選択をしている自分。「矛盾してるなぁ」と自嘲しながらも、妻に歩いて帰ることをLINEで送りました。……返信はなし。
「これは、相当怒ってるだろうな」
ある程度覚悟して自宅へ着くと、ガツン!! と玄関ドアが引っかかる音。
家を締め出された事実に、妻の怒りは自分の想像のはるか上だと気づきました。あぁ……やはり、誘われたときに断ることができていたら。強く後悔しました。
その日はビジネスホテルに泊まることを妻に連絡しておいて、翌朝帰宅し、改めて謝罪し事情を説明しました。
妻は一応の納得はしてくれたようですが、彼女からの話も聞くと、かけていた心配は感染症のことだけではなかったらしく、はかり知れない不安だったことを思い知らされました。
ただですら、病気の恐怖で神経の磨り減るような暮らしを強いられている中で、更に余計な心配をさせていたのです。
私は猛省し、状況が落ち着くまでは二度と誘いには乗らないことを妻と約束しました。
その後、幸いにも家族全員が体調を崩すことなく過ごすことができて事なきを得ましたが、あとから感染していたら……という恐怖が襲ってきてしばらく生きた心地はしませんでした。
会社でも、また飲みに連れ出されるのではないかとヒヤヒヤしていました。
しかし、どうやら上司もあの後、子どもたちからひどく叱られたよう……。すっかり委縮し、お酒を控えることを公言。社長も誘いづらくなり自然と社内も自粛モードになってくれました。
正直ホッとしています。私はそれからは家族優先の行動を守っています。
原案・ママスタコミュニティ 作画・Ponko