いつでも、どこでも、ママに寄り添う情報を

「次亜塩素酸水」の安全性は?学校で噴霧しないように文部科学省から連絡あり。ママたちの反応とは

※2020年6月時点の情報です。

pixta_65269458_M

新型コロナウイルスの影響による緊急事態宣言が解除され、子どもたちの学校が再開されたところもあるでしょう。2020年6月4日、文部科学省から学校における消毒の方法等について事務連絡がされました。

それは「次亜塩素酸水」の噴霧について、

『その有効性及び安全性は明確になっているとは言えず、学校には健康面において様々な配慮を要する児童生徒等がいることから、児童生徒等がいる空間で使用しないでください』

というものでした。

なぜこのような知らせがあったのでしょうか。

コロナウイルス感染拡大と共に、除菌・抗菌にまつわる様々な情報が世界中を駆け巡り、正誤入り混じったそれらの情報にママたちも翻弄されていることと思います。一時期に比べると状況は改善されつあるようですが、それでも一部の地域のドラッグストアなどではいまだに除菌・抗菌関連商品の品薄状態が続いています。
そんななか除菌・抗菌に有効なものとして「次亜塩素酸水」「次亜塩素酸ナトリウム」という名称を耳にしたママも少なくないのではないでしょうか? 実はこのふたつ、別のものであるにも関わらず、名前が似ているために取り違えられたり、それぞれに誤った解釈で誤った使い方をされてしまったりしているのだそうです。そのため学校でも「次亜塩素酸水」を噴霧しないようにという連絡がされたようです。
そこでまずは「次亜塩素酸水」とはどういったものか、みていくことにしましょう。

「次亜塩素酸水」を謳う製品はそれぞれ成分や有効性などがバラバラ……

今回のコロナウイルス騒動で除菌・殺菌に効果があるもののひとつとして頻繁にその名を聞くようになった「次亜塩素酸水」。この「次亜塩素酸水」とは塩酸などの電気分解などによって作られた酸性の液体のことを差します。pHと有効塩素濃度が一定範囲にあるものに限っては食品添加物にも指定されています。ただこの「次亜塩素酸水」は多義的で、「次亜塩素酸水」であると謳った商品が数多く出回るなか、実際には製法や原料、成分や有効性、安全性などの基準情報が明記されていないものが多数含まれているそうです。また安全性の根拠が不明瞭なものもあるのだとか……。にもかかわらず、「次亜塩素酸水」を配布する自治体が出てきたり、校内で噴霧されてしまったりしていたわけですね。

「次亜塩素酸水」の新型コロナウイルスに対する効果については検証試験が継続中であって、「次亜塩素酸水」を謳う製品全てが消毒に有効であるのかないのか、人体への影響がどのくらいあるのかがはっきりとわかっていない以上、使用しないでおいたほうがいいと判断されたのではないでしょうか。

日常的に使用している「次亜塩素酸ナトリウム」

対して「次亜塩素酸水」と取り違えられやすい「次亜塩素酸ナトリウム」とはどんなものなのでしょう? 実はママたちの身の回りにもある、衣類、食器類用塩素系漂白剤などの主成分がこの「次亜塩素酸ナトリウム」です。衣類、食器、台所用品等用塩素系漂白剤の商品のラベルにも作り方が表示されていますが、「次亜塩素酸ナトリウム」に水を加えて濃度を薄めたものを「次亜塩素酸ナトリウム液」と呼び、希釈後濃度0.05%の「次亜塩素酸ナトリウム液」は、食器、手すり、ドアノブなどの消毒にアルコールよりも有効であるとされています。そのため学校内でも児童生徒が触れる場所や共有物などの表面を消毒するのに、「次亜塩素酸ナトリウム」を含む消毒液が使用されています。ただ消毒用に希釈後濃度0.05%の「次亜塩素酸ナトリウム液」を作る際にも必ず換気をし、家事用手袋を着用する必要があります。それであれば当然、手指の消毒に使用すること、噴霧をするのは絶対に避けなければいけません。また衣類、食器、台所用品等用塩素系漂白剤は商品によって濃度が異なりますので、水で薄める際にはくれぐれも注意してください。

「次亜塩素酸水」に対するママたちの反応とは

「次亜塩素酸水」を探し求め、既に購入してしまったママや身近で消毒に導入されているというママたちの声です。

『小学校での消毒はアルコールが不足してるから次亜塩素酸水を使いますって手紙に書いてあったんだけど!? 意味ないじゃん!』

『よくわからないけど拭き掃除には使ってる』

『次亜塩素酸水なのかなんなのかしらないけどハイターでつくるようなやつ手がすごく臭くならない? 銀行とかスーパーにあってスプレーするけどまじで手臭い』

『次亜塩素酸ナトリウムを買った。水で薄めて使う消毒殺菌剤なんだけど、意味がないってこと? 近所のドラッグストアには暫く置いてあったけれど、売り切れた後入荷してない』

やはり「次亜塩素酸水」と「次亜塩素酸ナトリウム」を混同して解釈してしまうなど、ママたちの間で混乱が生じている様子ですね。

『不安定な物だしちゃんとした物じゃないと危険なんじゃない? どこの商品を使って皮膚に影響あったのか知りたいな。ひとくくりするのはどうかと思う』

『よく店の入口にあるよね。3月とか消毒液買えなくて仕方なく使ってたけど毎回手痒くなるし腫れてくるしアレ絶対よくないよ』

『目が痛くなったり呼吸困難になった報告もきてるってニュースでやってた。皮膚が弱い人は特に、そうじゃない人も使わない方がいいと思った。効果が見込めない物を皮膚に塗ったり服にふりかけたりしない方がいいよね』

『ややこしいよね。全部が全部効果ないのではなくて、なかには偽物の効かない商品があるよってことだよね』

専門的な知識がなければ理解しづらい情報も多いですし、文部科学省から事務連絡がされた今でも釈然とせず、ママたちは戸惑いを隠せません。

石けんやハンドソープを使った丁寧な手洗いがウイルスを洗い流してくれる。地道な感染症対策を実行しよう

まだよくわかっていない、リスクを伴う可能性があるというものを今はまだ使う必要はないのではないでしょうか。それらについては検証結果が発表されるのを待つとして……。まずは新型コロナウイルス対策だからといって特別な消毒をするのではなく、石けんやハンドソープを使ってこまめに丁寧な手洗いをすることが、地道ではあるものの、子どもにもできる最も有効な対策といえそうです。

参考:「学校における消毒の方法等について」文部科学省令和2年6月4日
参考:厚生労働省「次亜塩素酸水
参考:経済産業省「新型コロナウイルス対策 身の回りを清潔にしましょう。0.05%以上の次亜塩素酸ナトリウム液の作り方

文・しのむ 編集・blackcat

関連記事

コロナと共に生きる に関する記事一覧
参考トピ (by ママスタコミュニティ
次亜塩素酸水、効果ナシだって